概要
2022年12月28日放送の『徹子の部屋』に出演したタモさんの発言である。
番組最中、司会の黒柳徹子さんから来る2023年について問われたタモさんは
「だれも予想できないですね」と前置きしつつも
「新しい戦前になるんじゃないですかね」と発言、
お笑いタレントであるタモさんの明るく景気のいい予想を聞きたかったであろう、視聴者の度肝を抜いた。
この発言はたちまちSNSを席捲、左右両派や各種メディアだけでなく、与野党を問わず政治家をも論争に巻きこむこととなった。
発言の背景
タモさんはこの発言の真意については語っていないが、背景には以下のようなものがあると考えられる。
国際情勢の緊張
これに先立つ2010年代に尖閣島を実効支配する日本に対して中国が尖閣島領有を主張、日中両国が同島沖で睨みあう対立も発生している。2010年代後半より北朝鮮がミサイル実験を活発化させた。
南シナ海では中国がベトナム、インドシナ、フィリピン近海の領有を主張、人工島に軍事要塞を建設、実効支配を常態化、特にフィリピン海軍との衝突が多発している。
2018年にはイスラエル寄りのアメリカ・トランプ政権が大使館をテルアビブからユダヤ教の聖地でもあり、イスラム教の聖地でもあるエルサレムへと移動、イスラム教を信仰するアラブ各国を激怒させた。
2020年に中国は香港の選挙制度を民主派を排除するように改定し「一国二制度」を事実上破棄、親中派による言論統制と親中教育、市民の監視を強行、民主派弾圧も強まっていった。
2021年にはアメリカ・バイデン政権がアフガニスタンから軍隊を撤収させたことにより、イスラム教原理主義組織・タリバンが実権を握り、民主主義体制に加わっていた官僚や軍人を処罰したり、女性の教育を禁止する圧政を敷いたりしているため、国際社会からの孤立を深めつつある。
2022年はロシアによるウクライナ侵攻が発生する。国連常任理事会は「ウクライナに対する侵攻停止と撤退」を求める決議案を幾度となく提出するが、常任理事国の一つであるロシアが拒否権を発動するため、国際連合の無力さが際立つ結果となった。
東アジアでは台湾と中国との間での緊張が高まり、台湾有事の発生が危惧されている。
また、日本ではこうした情勢に対して同年12月に岸田内閣が国家安全保障戦略の改定を行い敵基地攻撃能力を保有し、防衛費を大幅に上げる方針を閣議決定、マスコミ各社は岸田政権を批判しつつも軍拡自体は支持するという曖昧な態度に終始した。これに対して国際社会が再び戦争に突入するのではないかと危惧する意見も聞かれる。
日本国内の情勢
2022年の日本では7月に二・二六事件以来86年ぶり、第二次世界大戦後の日本国憲法施行下では初の首相経験者殺害事件である安倍晋三銃撃事件が発生した。
この事件について、犯行の動機は政治的イデオロギーではなく旧統一協会への高額献金や霊感商法によって破産した信者の子弟の境遇から来た個人的怨恨によるものとみられており、これに対する同情から減刑運動が行われた事や、この事件を機に政治家と宗教団体の繋がりが表面化された事で容疑者の行為を一種の世直しとみなして賞賛したり、容疑者を英雄視する言論が一部で飛び出した事が戦前の五・一五事件と比較された。
2023年以降
状況はさらに悪化。
2023年5月に始まったウクライナの反転攻勢が失敗すると、北朝鮮やイランからの武器弾薬の供給、中国の経済支援を受けたロシアは人的資源の損害を気にすることもなく、武器弾薬と人的資源が枯渇しつつあるウクライナ軍を圧倒、ロシア軍優勢が固まりつつある。
一方で親ロシア・反EUを主張する極右政党が発言権を増すなか、アメリカでは親ロシアのドナルド・トランプが共和党次期大統領候補となり、「ウクライナへの武器供与停止とNATO(北大西洋条約機構)からの脱退」を主張するなど、各国の安全保障に揺らぎが見られる。
2023年10月にはパレスチナを実効支配するハマスがイスラエル市民を急襲、約1200人を死亡させ、多くの人質を連れ去る事件が起きる。イスラエル・ネタニヤフ首相はハマス撲滅を目的としてパレスチナ人約160万人が暮らすガザへと侵攻、民間人の犠牲もいとわぬ攻撃に南アフリカはイスラエルをジェノサイド条約違反と国際司法裁判所(ICJ)に提訴した。
国際刑事裁判所(ICC)はウクライナへの軍事侵攻と子供の連れ去りが国際法に反しているとしてロシアのプーチン大統領を、ハマスのテロ行為とイスラエルの過剰な攻撃を国際法に反しているとしてハマスの幹部とイスラエルのネタニヤフ首相、ガラント国防相を指名手配、反発したロシアは赤根智子ICC所長を指名手配、イスラエルとアメリカもICCに対する報復を示唆するなど不穏な動きを見せている。
国際連合もロシアとイスラエル、ハマスを「子どもの人権侵害」リストに載せることを決定、それぞれが国際連合に対する報復を示唆するコメントを発表している。
一方でイスラエル軍のパレスチナ攻撃を容認する民主党・バイデン政権の支持率は急低下、さらなる親イスラエルの姿勢を見せる共和党・トランプが相対的に勢いを増していくことにアメリカの分断が深まりつつある。
また、日本国内では2023年4月に岸田文雄襲撃事件が発生しており、前年の安倍晋三銃撃事件から僅か9ヶ月で再び選挙活動中の政治家を標的とした事件が発生した事について、1930年代に昭和維新を標榜した国粋主義者や軍人らが相次いで要人の暗殺やクーデターを起こした事と比較する意見も見られた。
以降裏金問題なども発覚し自民党の支持率が降下していくが、野党への支持も伸びず、戦前同様の政党不信が高まっている。
なお、都市伝説の部類ではあるが国運40年周期説では2025年以降頃に国運の底に至るとされている。