この記事は、「転生したらスライムだった件クレイマンREVENGE」のネタバレを含みます。閲覧注意。
「必ずこの手で…復讐(リベンジ)を果たす…!」
「私とお前達はいわば運命共同体 腹心であるお前達のことは信用しているのさ」
概要
転生したらスライムだった件に登場する十大魔王の一人で、転生したらスライムだった件クレイマンREVENGEの主人公でもある。
転スラ本編において、リムルと戦った結果、魂も消される形で殺された・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はずだったが今際の際で獲得したユニークスキル「生還者」によって70年前にタイムリープし、今度こそ同じ轍を踏まないように自身や組織の強化を図り、勢力を拡大するなどの活動を起こす。
プロフィール
種族 | 妖死族 |
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所属 | 十大魔王、傀儡国ジスターヴ |
称号 | 人形傀儡師 |
能力 | ユニークスキル「操演者(アヤツルモノ)」、「生還者(ヤリナオスモノ)」、超速再生、思考加速 |
担当声優 | 子安武人 |
人物
転スラの原作小説、漫画では、非常に傲慢で、残忍、部下すら手にかける冷酷さが目立っていたが、本作では言動や行動がコミカルになっている他、クセの強い部下達や協力者達に頭を悩ます、短所や抜けた所を部下や仲間達にいじられる、何かと見栄をはってカッコつけたがる、修行の際に部下のメイドであるエヴァに容赦なくボコボコにされる、など全体的に愛嬌のある三枚目なキャラクターと化している。
また、原作よりも優しさが目立っており、
・部下に休暇を与える。
・ミュウランに奪った心臓を返す。(後述)
・アルヴァロに自作のスコーンとお茶を出す。
・訪れたミリムにスコーンを振る舞う。(後述)
・仲間が殺されたと思った際は激昂する。(後述)
など、仲間思いな組織のリーダーとなっている。
後述のように部下への穏便な対応は「部下からの忠誠心を高め、自軍を強化する」という目的もあるのだが、話が進むにつれて(おそらく無意識のうちに)部下たちへの愛着も沸くようになり、勇者クロノアに部下を皆殺しにされたと思った(実際は強力な魔法で眠らされただけ)際は「(魔王の座を奪いに来たのではと解釈した上で)私の仲間まで殺す必要はなかったでしょう!!」と本心で激怒し、本来の歴史でのクレイマンの人物像を知る彼女を驚かせた。
以上のように絵に描いたようなブラック上司だった転スラ本編から一転、理想の上司といえる人物となっている。
クレイマンがタイムリープしている事を知っているのは、最初に教えたラプラスと同席していたメイドのエヴァ、ラプラスから話を聞いたフットマンとティア、そして強引に聞き出した勇者クロノアに限られている。
4巻時点では作中の歴史でのリムルとは出会っていないが、リムルに一方的に敗北し殺害されたのはトラウマとなっており、リムルの顔を思い出すだけで「スライムコワイ・・・」と頭を抱えて震えたり、2巻巻末では丸いものを見るだけでリムルを思い出すなどかなり重症の模様。
なお、本編に関してはある人物に精神操作されていたため、そうなっていただけで、こちらが本来の性格であると思われる(実際に転スラ本編でも、ラプラスを始めとした中庸道化連のメンバー達と話す際は比較的温厚な面が見られた)。
能力
転スラ本編でのやられっぷりのせいで、一見弱く見られているが、ラプラス曰く「潜在能力は高い」とのこと。
実際、作中では多くの新技を編み出すなど応用力が高い上に、発想も広い。
しかも、作者の布瀬氏曰く「まだまだ伸び代がある」とのことで、さらなる強さの可能性を秘めている。
タイムリープから3年後の時点で既に魔王にも匹敵する力を持つティアからは「アタイにだって勝てちゃうかも!?」と半ば本気で言われ、原初の悪魔の1人であるレインからも警戒されるほど強くなっている。
スキル
・「操演者(アヤツルモノ)」
クレイマンの固有スキル。詳細はこちら。
・「生還者(ヤリナオスモノ)」
魔王達の宴でリムルに敗北して殺される際に獲得した新しいユニークスキル。
効果は死んだ瞬間から70年前の過去に意識が戻るというタイムリープ能力。
何故戻るのが70年前なのかは不明(最期に抱いていた「後悔」の念が反映されたスキルとも考えられるが…)。
回数は視界の左端に現れる。現在1/3だが、「まだあと1回残っている」か「これで最後」なのか、こちらも現状不明である。
ちなみにリムルの「魂食」を受けても効果が発動しているため、星幽体(アストラルボディ)と魂が完全に消滅しても発動可能なスキルであることが分かる。
・「超速再生」
ダメージを凄まじい速度で回復するスキル。
しかし持続的なダメージを与えてくる技には非常に相性が悪いという弱点が明らかになった。
修行でエヴァの関節技を受けた際は全く通用せずダウンさせられ「卑怯」とつぶやいていた。
技・技術
・「操演武踊(マーシャルダンス)」
エヴァとの3年間の修行の中で編み出した新たな技術(アーツ)。「操演者」によって自分自身を操作する。
これによって戦闘を俯瞰して見ることが出来るようになり(分かりやすく言えば視界がFPS等の三人称視点型のゲームのように見える)、自分や相手の動きが良く見えるようになる。
また、「魔力感知」と組み合わせることによってあらゆる角度からの攻撃への対処ができる他、人体構造を無視した動作も可能となる。
これによってエヴァともそれなりに戦うことができるようになり急激に動きが良くなったと評され、ラプラスからも「動きに無駄が無くなっている」と評されている。
・「地脈操作」
「操演者」の技の一つで、地脈を操って、対象を検知する。
クレイマンはこれに魔素を織り交ぜ、あらかじめマーキングした対象を地脈伝いに攻撃する技に昇華した。 マーキングしてあるため、集団を相手にした際に撃ち漏らしが無いことも利点。
・「竜脈操魔糸(デモンスレッド)」
ミリムに操魔王支配(デモンマリオネット)が通じないことから着想を得て独自に開発した新技。
対象の肉体性能を読み解き、その上で魔素を介して電気信号を送り込み、肉体の主導権を奪う技。
神経網を乗っ取る技なので、精神攻撃耐性を持つ相手を操ることができる。
精神魔法との併用も可能でその際は効果が増すという。
活躍
最初のループ、そして三度目の人生開始
物語は転スラ本編でのクレイマンの最後から始まり、述べたようにユニークスキル「生還者(ヤリナオスモノ)」が発動して70年前に戻って眠りから覚める。
だが、クレイマンはそれをタイムリープだと気付かず、酷い悪夢を見たと片付けてしまい、全く同じ歴史を歩んでしまう。
そして70年後の魔王達の宴にて、ここでようやく悪夢だと思っていたことが実際に過去のクレイマン自身に起きていた事態であり、それを繰り返してしまった事を理解するが、時すでに遅しであり再びリムルに殺されてしまう。
だが、再び「生還者」が発動して70年前に戻って復活、自身がタイムリープの能力を得たという確証を得る事となった。
しかし視界内にある数字が「2/3」から「1/3」になっており、「0/3」があるのか不明なためこれが最後の機会の可能性もあることから、
目覚めてからラプラスに話したところ彼はすぐにタイムリープだと理解、クレイマンからこの後の展開を教えられたラプラスと相談し、タイムリープは中庸道化連のメンバーとエヴァだけの秘密にしたうえで、破滅の未来を回避するのを目指すことにする。
部下たちを緊急招集し、ラプラスたち中庸道化連も集まって裏の任務だけでなく表立ってクレイマンの軍団と協力し連携していくことを約束。
本来の歴史ではこの時点で魔王レオンに単身挑んで戦死していた部下のケーニッヒも呼び戻すが、命を救ったのに失言を言いまくるケーニッヒに対して決闘を言い渡して、裏拳1発でノックアウト。招集した部下たちの前で実力を見せつけると共に、ケーニッヒをそれで許す形として寛大さをアピールする事にも成功、部下からの信頼を得る事となる。
そして招集した本題として、大きな危機が迫っているために軍全体で修業を行うように言い渡し、ラプラスの提案でクレイマン自身も修行に励む事となる。
だが、アヴァロンなど一部を除く部下たちはそれぞれで修業として自由な行動をとり始め(滝行のヤムザ、人見知りを直すとして旅行に出たミュウランとピローネ、太陽光を克服するため日光浴をするアダルマンなど)、クレイマンは早々に不安に駆られる事となる(しかし後にこれらは有益に働く事となる)。
変化する周囲との関係
修行開始から3年してエヴァとの訓練の成果が出始めて格闘術が大幅に向上する中、ヤムザとミュウラン・ピローネからクレイマンの修行の話を聞いた魔王ミリムが突如来訪。
駆けつけてきた部下達が変に騒いだせいで手合わせをする流れになってしまうが、こちらが危うい事と、どうやっても操る事はできない事を知っているため、お菓子で機嫌を取って懐柔しようと考え、手作りのスコーンを振舞うことにする。
自慢のスコーンはお世辞にも美味しいとは言えない出来であり、ミリムからは「料理長のクローディアが作ったクッキーの方が美味い」と評されてしまい(ケーニッヒ達からも「パサパサ」「砂糖をケチった」とバカにされまくっていた)、怒りに震えることとなった。しかしミリムは食べきれなかった分を持って帰ろうとする。クレイマンはそんなもの残しておけばいいと言うが、「コレは友たるお前がワタシの為に焼いてくれたのだぞ」「残すなどもったいないではないか!」と返される。
この一件からミリムはクレイマンを「友」と認める事となり、その発言にクレイマンもどこか満更ではない様子を見せた。
しかし友と認めたためミリムはその後もクレイマンの元を訪れるようになり、彼の気苦労が増える事となった。
その後、元の歴史ではクレイマン破滅の第一歩となった「蠱毒の計画」を提案したゲルミュッドが訪れる。更にその後にレインが訪れてオークたちが侵攻を起こすきっかけとなったオービックの異界の裂け目を持ちかけてくる。
ゲルミュッドは試験と称して事前にオービックに向かわせ、レインからの持ちかけはヤムザの訓練とレインに恩を売る意図から敢えて引き受け、更なる修行とオービックの件を解決しての蠱毒の計画阻止に動く事となる。
この蠱毒の計画阻止とオービックの異界の裂け目の解決の中、ミュウランに心臓を返還することにするが、その結果彼女はクレイマンの事を信じることに決め、心から忠誠を誓うようになった。
また、ゲルミュッドがピローネやヤムザを慕うようになって忠実な部下となった上に今回の歴史では名付けを行っていない為クレイマンをして「強い」と言わしめるほどの実力者であることが判明する。
ヤムザはレインやミュウランの指導もあって本来は10年がかりで習得した魔力制御を1週間でマスターし、大幅に強くなる。
など、事態がクレイマンにとって好転をはじめ、オービックの事変を解決する共に「蠱毒の計画」の阻止することに成功する。
また、この戦いの最後の相手となった巨大なアリ型の魔蟲のボスの残した卵を回収、そのままレインから押し付けられる形で預かることとなり、孵化したアリの魔物(後にアンリという名を得る)が元の歴史には無かったクレイマンの部下として加わる事となった。
突然の襲撃
その後の展望として「カザリームの期待に応えるためにも、覚醒を成功させる」ことを決めて更なる力の増強を考えるが、その矢先に歴史が未知の流れに進んでいる事を察知し調査していた勇者クロノアが襲来。
タイムリープを教える事となり「クレイマンを殺しても不確定要素が増えるだけ」という判断から命は奪われなかったものの圧倒的な実力を見せつけられ、自身の覚醒に加えて更なる自軍の増強に迫られる事となる。
その後ギィにクビを宣告されて転がり込んできたレインを秘書として勢力の一員に迎えることになった(最も半ば強引な泣き落としでの加入であり、サボるようならギィに返品しようと考えている)。
そして彼女の提案で魔法道具が出品されるイングラシアのオークションに向かうが、そこで出品されていた「鏡身の腕輪」がレインの友人であるサーシャが作ったものと分かり、そのサーシャを勧誘して部下にすることに成功。
更にジスターブに帰還後、サーシャは実はアダルマンの親友であるガドラの弟子であり、アダルマンとも親しい間柄だったことが判明、すんなり馴染むこととなった。
そしてサーシャの協力により、魔法道具の製造、元の歴史では自信作だったのに魔王達の宴でベレッタにあっさり破壊された魔人形(ゴーレム)ビオーラを強化しての製作にまずは取り組むことを目指す。