※この記事はアニメ派、漫画派の皆様にとって重要なネタバレを含みます。予めご了承ください。
「踊れ、帝国の為に。君の命は、既に私の手の中だ」
解説
東の帝国(正式名称は“ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国”)に所属する異世界人の男。
リムル達とは違う世界の大日本征覇帝国という国の出身。約70年前、戦闘機での特攻中に、偶発的に異世界にへと転移して来た。
プロフィール
種族 | 人間(聖人) |
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称号 | 帝国情報局局長・帝国近衛騎士団(インペリアルガーディアン)・序列1位兼団長・情報に巣食う怪人・帝国の影に潜む者・人であり、魔を従える者 |
所属 | 東の帝国 |
ユニークスキル | 解読者(ヨミトクモノ) |
究極付与 | 支配の弾丸(ドミニオンブレット) |
究極能力 | 断罪之王(サンダルフォン) |
担当声優 | 未登場 |
人物
元は大日本征覇帝国に住んでいた異世界人。
短く整えられた黒髪に、サラリと目元に流れる前髪が引き締まった雰囲気を柔らかく見せ、一見好青年に見える。
だが、性格は冷酷無情そのもの。
外見年齢は20代前半だが、実年齢は90歳を越えており、老獪。合理主義者で特定の人物達を除けば、他人を駒としてしか見ていない。リムルをして「人としては外道な思考」と思わせる程。
元の世界では、海軍に所属していたと共に、朧心命流を収めており、その秘奥義までをも体得していた。流派の中では、当時の継承者である、荒木幻世を除けば一、二を争う実力者であった。
剣の腕は相当で、転移する以前より剣術と闘気の扱いだけで、Aランクに相当する存在と単体なら倒せる程であった。その自負もあり、剣に対して誇りがあり、自身の流派が関わると珍しく武人的な一面を見せる。
転移した際には、東の帝国の皇帝、ルドラの居た庭園に現れた。
その出会いを運命としたルドラによって受けていた致命傷を回復され“友”としてルドラに仕える。
そして、その他人への冷酷さを見込んでとある約束を頼まれていた…
能力・技
以下の能力と技を家宝の刀と、神話級(ゴッズ)に昇華させた南部式大型自動拳銃を用いて闘う。
- ユニークスキル『解読者』(ヨミトクモノ)
解析系のユニークスキル。触れた相手の思考を読み取る他、『思考加速』等を備えていると思われる。
また、後述する究極能力と連動させる事でその性能を高め、相手の筋肉の流れ、魔力の流れ等を見抜き、究極能力が誕生しようとしてる事ですらも分かる。
- 究極付与『支配の呪弾』(ドミニオンブレット)
ルドラから与えられた権能。当たった敵の精神に作用する弾丸で、その精神を自身の支配下に置く。ただし、一度に1人しか支配出来ず、魔王級以上の精神力を持つ者には抵抗される可能性が高い。
なので、魔王級以上とされる相手に対しては寝ている間に発動させるか、大きな負の感情に呑ませたり、欲望に目を眩ませるなどをして興奮させる必要がある。尚、騎士団の中での究極付与としては最上位に位置している為、『代行権利』(オルタナティブ)での抵抗は不可能。
- 究極能力『断罪之王』(サンダルフォン)
戦いを司る究極能力で、近藤が自力で獲得した。主な権能は以下の通り。
“破界弾”(リムーブ) | 対象の防御結界を壊す。 |
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“解呪弾”(ディスペル) | 魔法効果を打ち消す。 |
“呪壊弾”(ネクロシス) | 対象の魔力回路を破壊する。 |
“消滅弾”(イレーザー) | 対象の性質を見抜く事でエネルギーを損耗させる効果を持った、高密度の魔力弾。 |
“神滅弾”(ジャッジメント) | 上記4つの効果を持った、一日一度しか使えない権能。その初速は脅威の光速であり、抵抗できなければ竜種にすら致命傷を与える必殺の一撃。 |
これ等の権能を弾丸に込めたり、刀に込めたりして扱える。総じて、対応力に優れた能力…なのだが、後に、名前を変えて別の敵が使ったりしているが、その能力自体は格落ちしている為、数ある究極能力の中でもかなり不憫な能力と言える。裏を返せば、使い手が近藤だったからこそ真価を発揮できたとも言えるのだが…。
- 気闘法
朧心命流の基礎にして極意。身体能力を高めるだけでなく、練り込んだ闘気を相手に流し込み、身体を破壊しつつ体内の魔素を乱す。魔物には特に有効。
- 朧・地天轟雷
朧心命流及び、朧流の奥義の1つ。一瞬にして上に斬り上げ直ぐに上から下に斬り下ろす、一瞬にして二度の斬撃を振り下ろす。
- 朧・疾風雷覇
同じく、朧心命流の奥義の1つ。素早く体捌きを行いながら横に薙ぐ技。
- 朧・紫電突
同じくry)最速の突きを繰り出す技で、朧・疾風雷覇から繋げて使われた。
- 梅花 ー 五華突
朧心命流の秘奥義の1つ。人体の急所である、目、喉、心臓、腎臓、水月(鳩尾)、金的、陽動としての両肩の十箇所の内から、5か所を狙った五連突。状況に応じて狙いを変化させるので、使用者の技量によってその脅威度は変わる。
近藤はこの技を転移する前、即ち普通の人間だった時から習得している。
- 八重桜 ー 八華閃
朧心命流の最高奥義。流れるような連続斬りで、組み合わせは千差万別にして、瞬時に八回敵を斬る。
近藤はハクロウとの戦闘でそれを見て、その後のカレラ戦で再現する。この間にこの技を練習する時間など無かったので1発で完コピした事になる。
経歴
約70年前
故郷で軍としての任務で海戦を繰り広げていた中、上位の妖魔族(ファントム)に憑依された人間2人と交戦。結果、翻弄され力及ばずと理解して情報収集に努める。
その後、敵艦隊に向けて特攻を仕掛ける。その間際、“伝達の呪法”で情報を国にへと伝えてそのまま散って行った…
と、思われていたが異世界に偶発的に転移。
ルドラによって傷を治されたが祖国を守れなかった事に絶望して自刃しようとする。が、それをルドラが止め、先述の通り、“友”としてルドラに仕える事になる。
約70年前〜物語開始時点まで
ルドラに仕えた後は、帝国近衛騎士団(インペリアルガーディアン)の一桁数字(ダブルオーナンバー)と戦闘し、コレを次々にへと打ち破って行き、序列一位の座を手に入れる。
戦った一桁数字の1人曰く『近藤中尉が出た時点で、自分達の勝利は間違いないんです。』と言わせる程。尚、この人物を始めとした一桁数字は、全員が聖人かそれに匹敵する程の実力者の集団である。
また、帝国情報局局長として暗躍をしており、帝国の澱んだ空気を一掃していた。その一方で……
物語開始から(重要なネタバレが含まれます)
数十年前より、魔王の1人であるクレイマンを“支配の呪弾”で支配して、その行動を帝国にとっての利益が最大限になる様に思考誘導を施していた。
オークロードの事件も、ファルムス王国との戦争も、魔王の宴での事件にも関わっており、クレイマンを暴走させて彼のボスや仲間達からの指示を一部無視させた。
クレイマンを通じてそれらの情報も手に入れており、実質的に書籍版1〜6巻に相当する範囲、リムルが魔王として正式に認められるまでの事件の黒幕の一人だった。
リムルはクレイマンを倒した後に情報を整理した際、戦いの裏で暗躍していた黒幕が複数いる可能性を疑っていたが、的中していたのである。
書籍版12巻〜14巻
東の帝国に所属したユウキ・カグラザカとその一派を警戒。泳がせつつも情報を収集していた。
帝国の機甲軍団とジュラ・テンペスト連邦国の戦闘が終わった後、帝都でクーデターを繰り広げようとしているとの情報をユウキの部下、三頭帥(ケルベロス)の頭(ボス)の1人、“女”のミーシャから入手、そして殺害。
この時、帝国近衛騎士団序列二位であり、副団長(であるが、三頭帥の頭の1人でもある)のダムラダを支配し、ユウキの元に向かわせ、足止めすると同時に彼の仲間を引き離す。
その後、騎士団と共にカガリ率いるユウキ一派を捕縛する為の戦闘。彼自身は、中庸道化連のフットマンとティアを同時に相手取る。
手加減した状態でその剣術だけで、2人を圧倒した。そして、カガリを真実を交えた嘘で刺激した後、自分がクレイマンを支配していた事を告白する。それに激昂するカガリ…
「甘いな。戦いの最中に、感情的になるなど。その程度の覚悟だから、こうして簡単に罠に嵌るのさ」
激昂したカガリに対し、“支配の呪弾”を発動して支配する。カガリを刺激していたのは、この権能の発動条件を満たす為であった。
書籍版15巻
カガリを支配した後、武装国家ドワルゴンにて支配したカガリに禁忌呪法:妖死冥産(バースディ)を発動させ、ヴェルグリンドが用意した死体を素体に死妖族(デスマン)を複数体生成させる。
その間、ドワルゴンの王、剣聖ガゼル・ドワルゴと対峙。偶然にもガゼルは、異世界で朧流として変化した朧心命流の剣士であり、同門対決であった。
その事に珍しく感情を見せ、ガゼルを帝国に勧誘するがそれを拒否されると戦闘を続行。体得した技の差等の要因で近藤が優勢だった。
そこに、ガゼルの師匠であるハクロウが参戦、ハクロウの放つ最高奥義、“八重桜 ー 八華閃”と自身の体得した秘奥義、“梅花 ー 五華突”で衝突。
ハクロウの技は近藤にも届く…が、近藤はハクロウの腕を闘気で破壊。そんなハクロウと彼に剣を教えた祖父、荒木白夜に対し、近藤は敬意を払いつつも軍人として冷酷な判断を下す。
ガゼルは近藤と再び対峙しようとするが、コレを究極能力『断罪之王』(サンダルフォン)の“呪壊弾”(ネクロシス)を込めた弾丸で制圧。
そのまま、現れたリムル配下の悪魔、アゲーラと戦闘に入ろうとする。(アゲーラは荒木白夜の転生体であった)此処でヴェルグリンドからの指示が入り撤退する事となった。
そして、飛行船でヴェルグリンドが戦っていたヴェルドラに“神滅弾”(ジャッジメント)で狙撃、ヴェルドラに致命傷を与える。
そして、ルドラが究極能力『正義之王』の“王権発動”(レガリアドミニオン)にてヴェルドラを支配した。
だが、コレがリムルを激昂させる原因となる。
本気を出したリムルには近藤の攻撃は一切通用せず、それどころか支配したヴェルドラとヴェルグリンドをも圧倒し、一気に旗色は悪くなってしまう。
結末
ヴェルグリンドの創り出した異界にて、カレラと戦闘。究極贈与『刀身変化』でカレラの刀に変化したアゲーラを加えた2vs1での戦闘だった。
持ち前の技量で種族的・身体能力的・存在値、その全てが自分を上回っているカレラを圧倒し、持てる手段を全て使ってカレラを追い詰めた。
「それだけは、断じて認めない‼︎」
リムルからの「決して死ぬな」という命令に背くことを恐れたカレラはシエルの手助けを受けながらも、その感情を究極能力『死滅之王』(アバドン)にへと昇華させる。
カレラの魔法、“終末崩縮消滅波”(アビスアナイアレーション)に対し、一日に一発しか使用出来ないという制限のある“神滅弾”を気合いで使い、刀に纏わせて一度見た技、“八重桜 ー 八華閃”を再現して対抗。
カレラの放つ魔法の奔流を切り裂いて行くが、カレラはアゲーラの力を存分に使い、“朧・百華繚乱”で近藤を打ち破る。
力尽き、死の間際にルドラとの約束を思い出す。
『ルドラが正義之王に乗っ取られたならば、ダムラダを邪魔してルドラを殺す』という約束。それを果たせない事に後悔を抱きながら…
――そうか、俺はとっくに……『正義之王』(ミカエル)の支配下にあったのか……
近藤もまた支配されていた。だからこそ、ルドラに起きていた僅かな違和感を見逃していた。他人を支配し、世界情勢をコントロールした怪人も、因果応報とばかりに他人に支配されていたのだ。
役割を果たせないままに絶望する近藤だが、戦っていたカレラに自分の役割を託す。照れた様な表情をしながら契約料を要求するカレラに癒された近藤は自分の魂を契約料として願った。
『自分の持っていた拳銃でミカエルを打ち倒して欲しい』と。その力は、カレラに引き継がれ、近藤達也は死亡した。
尚、近藤を含めた帝国そのものがミカエルとフェルドウェイに利用されていた事を知ったカガリは、彼らこそがクレイマンの真の仇と認識し、紆余曲折を経て、何の因果かクレイマンを手に掛けたリムル率いる魔国連邦に与して戦う事になる。
余談
- web版では、近藤vsカレラの顛末は変わっており、1対1の戦いが行われた。“終末崩縮消滅波”に対して受け流しを選んだり、その戦いに邪魔者が入ったり等、細部に違いがある。
- …更に、最終決戦にて記憶だけを再現した(その記憶すら改竄された)模造品が現れ、カレラ・ヴェルドラとそれぞれ再戦する事になる。
書籍版20刊のネタバレを含みます
マサユキの権能によって、近藤は一時的に“死せる英雄”(エインヘリヤル)としてカレラの元に現れた。その時に、ピンチとなっていたカレラを救う為に“神滅弾”(ジャッジメント)を込めたのだが…
その際にいきなり手を触られる事となったカレラは本気で照れた。しかも、その様子の挿絵付きで。それを近藤は冗談として一蹴してカレラはムッとするというシーンも有り、一部読者に波紋が流れる事となる。