ツクヨミ(推しの子)
つくよみ
単行本未収録のネタバレが含まれています。閲覧には十分ご注意ください。
概要
cv.木野日菜
4~5歳程度の外見の幼女。
星野アイの秘密、星野アクアと星野ルビーが転生者であることなど、作中の重大な情報を最初から把握している謎の人物。
常に黒いドレスを着ており、多数のカラスを従えている。不穏なオーラを雰囲気に包まれ、物事の確信を突いた言動を取る。
不穏な言葉ばかりを告げることから、アクアには「疫病神」と呼ばれている。
長らくアクアとルビーの前にしか現れず、対話もどちらかとの一対一だったため、読者には「2人にしか認識できない人外の存在」と思われていたが、本人の言葉を信じるならば、少なくとも身体は普通の人間であり、誰にでも認識できる実体を持つ。
「私が関わるのは理に反する」と語っているが、その一方でプライドが高く、安い挑発に乗せられてそのルールを破るなど、外見通り子供っぽい面もある。
MV撮影で自身の前世の地元に行っていたルビーの前に現れ、前世の初恋の相手である医者の白骨死体があるところに案内した。
第79話では悲しみに打ちひしがれているルビーの前に突然現れ、医者を殺した犯人を告げ、大学生くらいの男と中学生くらいの男の子だと語った。少女は大学生くらいの男の正体は告げたがもう1人は「それを捜すのが貴方の役目じゃない?」とルビーに捜すように促した。
ルビーはこの時医者と母であるアイを殺した人物が同じであると確信し、目的のためには手段を選ばない性格へ変貌した。
登場回
8巻75話
アクアとあかねがゴローが生まれた家を訪ねた時
「神様はきっと優しいよね」
「真の意味で母を得られなかった二人と、魂の無い子を導いてあげた」
「もしかしたら、それ以上の意味があるのかもだけど」
この回は、謎の少女初登場回。無数のカラスを背景に意味深な発言をしている。
また、「魂の無い子」という部分から、アイの本当の子供は既に死んでいるという説も囁かれている。
8巻79話
ルビーがゴローの遺体を見つけてしまい、ゴローの形見であるキーホルダーを持って去ろうとした時
「あたし、お姉ちゃんが知りたい事を知ってるよ?」
「昔ね、有名なアイドルがここで極秘出産して、死んじゃったお医者さんてその子の担当医だったんだって」
「お医者さんは長らく失踪してたんだけど、その音信不通になった日ってのが、」
「アイドルが子供を産んだ日だったんだ」
「病院の周りにさ、ずっと不審な男が居たらしいんだ」
「当時大学生位の男と、中学生位の男の子」
今回、ルビーの前に顔を出している。
12巻118話
映画「15年の噓」のキャスト等が順調に決まり、アクアが休憩場で休んでいる時
「何を考えているの?」
「妹の事?元カノの事?自分の事を好いてる子の事?」
「それとも、母親の事?」
「星野アイは、自分たちと同じように生まれ変わってどこかで幸せに暮らしてるって」
「違うよ、星野アイの物語は、完全に確実に終わったの」
「もう二度と再形成されることはない」
「もう星野アイは何も思わないし、何も考えない。二度と笑うこともない」
この回でアクアと接触するが、セリフからして前に何度か会っているということが分かる。
13巻123話
アクアとルビーが、お互いの正体について知り、仲直りをした時
「でもそれは悪手だよ」
「これは君の甘さが招いた明確な失敗だ」
「君からしたら、嫌われてた方が楽だった筈なのに」
13巻127話
「なんだか覚悟決めたって顔だね」
「人を傷つけることに」
「そして傷つくことに」
「正しい運命に導いてあげているんだよ」
「私は優しいからさ」
再びアクアの前に現れる。親や戸籍は存在しており、アクアやルビーと同様に人として産み落とされたことが、アクアの質問に答える形で判明。
そこでアクアから、映画の子役をやってくれないかと頼まれる。
「……」
「は?」
これまで飄々とした態度をとってきた少女だったが、ここで初めて動揺した様子を見せる。
「馬鹿なのかな?」
「変な冗談はやめておいた方が身の為だよ」
「私を誰だと思っている?」
「少なくとも」
「死者の記憶を赤子の体に移す様な術を持つ者と同種の存在だよ」
どうにか取り繕おうとするがアクアからは軽くあしらわれ、映画がヒットした方が少女にとっても都合がいいこと、だからこそアクアに干渉していることを指摘される。
それでも威厳を保つべく、アクアの内面を言い当てつつそれっぽい言葉を並べて不干渉を貫こうとするが通じず、
アクア「実力無いので出来ませんごめんなさい って言えよ」
「はぁー?」
「出来るしなめんな」
アクアの挑発に乗り、アクアが捕まえてきた使えそうな子役として監督とルビーの前に姿を見せた。
「捕まってない 自分の意思」
13巻128話
子供時代のアクアとルビーを演じることになった。芸名として「ツクヨミ」を名乗った。
144話
ルビーに煽られて半ギレする。
145話
ついに撮影でも出番が回り、駄々をこねるルビーとやけに賢いアクアを演じて見せた。
下記(謎)への答え合わせ回でもあるため後述。
謎
唐突に表れたこの少女だが、いくつか謎が多い。
- 雨宮吾郎が星野アイのストーカーに殺されたことをなぜか知っている
- なぜ彼女が雨宮吾郎と星野アイを殺害した人物を知ってるのか
- なぜか彼女の周りには常にカラスが舞っている(アニメ1話でゴローが落命した際にもカラスが現れた)
このようにあまりにも謎が多く意味深であり、彼女からも目が離せない。
彼女の正体?
現時点では、親が存在し肉体は人間であること以外はほぼ明らかになっていない。
親については「普通の親とは言えない」と述べているが、どのように普通ではないのか不明。
ツクヨミという名も先のように芸名であり、本名は不明のままである。
感情の有無もほぼ描かれていなかったが、原作127話において焦る・煽られてキレかけるなど、存在はする模様。
彼女の正体候補として、以下のようなものが挙げられている。
- 天岩戸伝説に登場し、芸能をつかさどる神・アメノウズメ
- ゴローやさりなが暮らしていた高千穂は天岩戸に関連する土地である。
- 単行本12巻発売の時点では読者からは最も有力視されていたが、後の13巻において本人の口から「芸能は私の司るところじゃない」と否定の言葉が発せられている。
- 三貴子の一柱・月読尊
- 神の使い・八咫烏
- 初登場時のセリフ等から、「神そのもの」ではなく「神の言葉を伝えるだけの伝令」とみる説。
- 「登場の度に現れるカラスの群れも同じく『八咫烏』であり、彼女はその元締めなのでは?」、と考える読者も散見される。
- 145話(後述)にて、より八咫烏との関連付けが強くなったと言える。
- 言葉巧みに人心を操る悪魔・メフィストフェレス
- アニメのED主題歌も『メフィスト』である。
- ルビーを言葉巧みに闇堕ちさせている一方、アクアに対してはむしろ彼を慮る言動が見られるが……?
「私にとって君達はずっと生意気で可愛い子供のままなんだから」
145話、ダンス練習のシーンで、その正体は病院前でネットに引っかかっていた所をゴローとさりなに助けられたカラスであった、ということが判明する。
その後もゴローとさりなを見守ったり、さりなのお見舞いに紅葉を置いたりしている。
そして、カラスとしての寿命を終えて亡くなった後、現在の姿に転生したと思われる。
役職・霊格として八咫烏であるかどうか、もしくは、その他の超常的な存在としての能力を所有しているかどうか(カラスを従えることができる理由も、元カラスだからなのか、従える能力を持つ存在になったからなのか)は不明。
この出自が明かされてからは
『意味深で大事なことをはぐらかしはするが本心からアクア・ルビーの味方』
というのが一定の共通認識となっている。
ただ、真犯人とその共犯者に対する言及に整合性が微妙に取れない発言、その割にアクアがその時点ではツクヨミくらいしか認知しえない片寄ゆらの情報を口にしていたりと、不親切と親切の割合が安定しない描写が目立つ。
彼女の正体に関する考察で複数の神格に関する名前が上がっていること、双子への愛着は本心らしいこと、不安定な双子への肩入れを考慮すると
『神特有のルールに縛られた状態の中で双子に肩入れしている』
という考察も成り立つかもしれない。