概要
不死身の殺人鬼が潜む屋敷へ迷い込んだ美少女ジェニファーを館から脱出させるシネマティックアドベンチャーゲーム。
同社より発売された沈没船脱出ゲーム「セプテントリオン」に端を発するパニックソフトシリーズの完結編。
特徴的なのは、カーソルで画面内のオブジェをクリックする事で対象物を調査したり、
キャラクターを移動させたりするなど、キャラクターの行動は全て間接的な指示によって成立する事である。
特定の場所に差し掛かったり、トラップとなる対象物をクリックする事で、不死身の殺人鬼シザーマンが出現し、追われる状態となる。
画面内のアイテムや回避ポイントを使って完璧にやり過ごさない限り終われ続ける事になり、最悪の場合、殺されてゲームオーバーとなってしまう。
シザーマンに追いつかれたり、トラップや怪奇現象に襲われるとカーソルが点滅状態となり、この間にボタンを連打する事で危機を回避する事が可能。(ただし、閉所でシザーマンに襲われた場合は無条件で殺されてしまう)
これは連打せずにはいられない(RENDA・SEZUNIHA・IRARENAI)の頭文字をとって「RSIシステム」と名づけられた、特徴的かつ、本作を象徴するシステムである。
フラグ立てのヒントや手に入れたアイテムの使用法などの情報がゲーム中では詳しくは示されないため、詰まりやすく、難易度は高い。
ストーリー
舞台となるのは、北欧はノルウェー。
幼くして両親と離れ離れになり孤児院で育った少女ジェニファーと3人の友人たちは、ある日、新たな養育先となるバロウズ屋敷へ、引率の教師メアリーと共に向かっていた。
新たな暮らしへの希望を胸いっぱいに膨らませるジェニファー。
……しかし、彼女たちは知る由もなかった。
そこが、かつて「時計塔屋敷」と呼ばれていた事、そして身も凍るような恐怖が、待ち受けている事を……。
キャラクター
- ジェニファー・シンプソン
主人公。美しい顔立ちに豊かな黒髪の長髪を持つ美少女。
幼くして母が蒸発し、産婦人科医だった父親も行方不明となってしまったため、グラニット孤児院で育った。
忍び寄る殺人鬼に対し、消極的な対処法しか取れないものの、育ちゆえか逆境には強く、精神的にはタフ。
- アン
4人の中で最も年長の少女。そのせいか、気が強く常に自分が一番でいたがるタイプ。殺され方が最も多彩。小説版によれば彼女は捨て子らしく、姓が無いのもその為である。
- ローラ・ハリントン
内気で物静かな少女。いつもアンと一緒にいる。
- ロッテ
4人の中で唯一ズボンを履き、ボーイッシュな雰囲気を感じさせるジェニファーの一番の親友。アンと同じく捨て子として孤児院に引き取られる。
バロウズ屋敷の秘密を暴こうと、単身行動するが……
- メアリー
ジェニファーたちを引率してきたグラニット孤児院の女教師。
ヒステリックな性格で、生徒たちからは煙たがられている。
- シザーマン
バロウズ屋敷に潜む殺人鬼。身の丈よりも大きいハサミを用いて孤児院の少女達を惨殺していく。ネタバレを含む為、詳細はシザーマンの項を参照。
バロウズ屋敷の当主だが、ある人物によって幽閉され、虐待を受け続けていた為に発狂状態に陥っている。
その他
ゴシックホラーを基調とした世界観は、
映画監督ダリオ・アルジェント監督の有名作「フェノミナ」のオマージュである。
主人公ジェニファーは、名前は勿論、顔の造形もそのまま主演女優のジェニファー・コネリーをモデルにしている。
関連作品
SFC版にいくつかの新要素を加えたプレイステーション版「The First Fear」や、プレイステーション版を基にしたワンダースワン版、SFC版の移植となるWINDOWS版がリリース。
また、近年ではWiiのバーチャルコンソールでSFC版が配信、PSP/PS3のゲームアーカイブスではPS版がそれぞれヒューマンから版権を引き継いだサンソフトから配信されている。
1996年にはプレイステーションで続編の「クロックタワー2(セカンド)」が発売され、それに付随して小説版とラジオドラマがリリースされた。ラジオドラマ内ではボイスドラマも放映され、CDでは未収録分・予告を収録している。
シリーズ関連作として、1998年に外伝的位置づけとなる「ゴーストヘッド」がプレイステーション用ソフトとして発売、ヒューマン倒産後の2002年に、サンソフトとカプコンが共同開発し、イベントシーンのムービーの監督として深作欣二を迎え、ゲームシステムと設定を一新したナンバリングタイトル「クロックタワー3」がPS2用ソフトとして発売された。