九能校長
くのうこうちょう
概要
九能帯刀と九能小太刀の父親であり、乱馬たちが通う風林館高校の校長。
フルネームは不明。
後述する事情から妙な(勘違い)アメリカナイズをされているヒトであり、息子である帯刀は「タッチィ」、娘の小太刀は「コッチィ」と呼ぶ(小太刀はアニメのみ)。
人物
3年に渡るアメリカ(ハワイ)視察から帰ってきた風林館高校の校長。常時サングラスを掛けてアロハシャツに短パンとサンダルを着用する服装、小麦色の日焼け肌、ルー語めいた喋りに「HAHAHA」という英語調の笑いなど、重度のハワイかぶれと化している。
その言動は教育者とは程遠く、日々生徒の嫌がる校則を考えている。
中でも男子は丸坊主頭、女子はオカッパという頭髪規定に並々ならぬ執着を持っており、特に男子丸坊主にこだわったため、長髪の転入生である乱馬に目を付け、頭髪規定制定の企みを潰されてなお彼を丸坊主にしようと虎視眈々狙っている。
また、坊主オカッパを撤回したかと思えば男子のちょんまげ頭と女子の日本髪を提案し、これに激怒した乱馬や他の男子達に全身包帯まみれになるまで袋叩きにされた後、天道あかねが呆れながら見つめる中で「まだどつきが足りない」と息子の帯刀にとどめを刺されそうになった。
アニメ版ではガチギレした乱馬に追いかけまわされるというオチで、この一部始終をあかねと共に見届けていた久遠寺右京は呆れるあまり「まだどつきが足らんかったかな?」と発言している。
この校則廃案の経緯から、生徒の先頭に立っていた乱馬と帯刀の事を「風林館高校において随一かつ史上最悪の問題児」と認識し、二人の打倒を図って策を弄したり、二ノ宮ひな子のような問題児教育(という名の超苛烈な矯正指導)で知られる教師をスカウトしたりしている。
自身の「指導」も生徒相手に土下座を強いたり爆弾を投げたりと過激だが、持ち物検査や遅刻を取り締まるなど、生活指導としての内容そのものは校長が正しい場面も多い。
また、こんな人物だがあかねのカナヅチを克服させてあげたいと思うなど、教育者らいい一面も見せている。しかし白鳥もどきの珍妙なスーツを着せる等の特訓をさせても結局あかねは泳げるようにならず、最後に浮き輪を差し出したが原作ではそれでもダメで嘆いていた。
平成アニメ版では、全身に浮き輪を装備させ何とか建前上は泳がせることに成功している。
同じ高校に通う息子の帯刀とは教師と生徒という関係以上に強烈な不仲。これは嫌がる帯刀を幼い頃から幾度となく問答無用の力ずくで丸坊主にし続けるという児童虐待も同然の事をし続けていたため。
相応に優秀な上で思い込みが激しく自己中心的な帯刀が問題児なのも事実だが、それ以上に傍迷惑な父親の暴挙とも言える校則制定についてはさすがに見過ごせず、取り消すようタイマン勝負を挑むこともあった。娘の小太刀は別の女子校に通い、長らく顔を合わせていないこともあって原作では「親子」としての関係を見せたことが一度もない。アニメ版ではその父を思う小太刀のシーンが追加されていた。
帯刀の回想などでわずかに登場した「ハワイかぶれする前の姿」はサングラスだけ同じで日焼けしておらず、裃にチョンマゲのコテコテな侍装束で笑い声も「葉葉葉葉」という、これはこれで勘違い日本みたいなものだった。
そのため帯刀は校長の帰国時に自分の父だと全く気付かず、知ってなお「我が父がこんな色黒の異国かぶれなわけがない!」と混乱&拒否して即座には現実を受け入れられなかった。
親子の割に帯刀とも小太刀ともあまり似ていないが、作者の高橋留美子によると、まず九能校長というキャラクターが考案されたが、「校長という立場にはすでに学園で生徒の中で高い地位にある帯刀の存在が対抗してくるため、帯刀の関係者の方が良いという理由から親子にした」とのこと。そのため、顔が似ている似ていないはどうでもよかったらしい。
ちなみに、普段はサングラスと陽気な表情なので分り難いが、素顔かつ真顔になればそれなりに渋い顔立ちをしている。
能力
パワー | ★☆☆☆☆ |
---|---|
スピード | ★★☆☆☆ |
テクニック | ★★★★★ |
頭脳 | ★★★★★ |
ハート | ★★★★★ |
スタミナ | ★☆☆☆☆ |
能力設定(5段階評価)はワイド版18巻で登場。パワー評価は低いがハート、テクニック、頭脳に秀でた策略家タイプ。
本職は教育者だが、作者に「強い」と明言されているキャラの一人。
息子の帯刀や娘の小太刀同様に常人を凌駕する身体能力を誇り、手動のバリカンを武器とする九能流超高速バリカン術の使い手。
その技量は髪を刈るのみならず、目にもとまらぬ速さでバリカンを振るい木刀をバラバラの細切りにする武器破壊技「九能流・木刀ささら崩し」さえ可能にする。
息子の帯刀にとっては、幼少期の強制坊主頭を嫌でも思い出させるとともに愛用の武器を無惨に破壊してくるという、精神的にも戦法的にも相性最悪の技。
あくまで教師であり、修行している様子もないが、格闘能力は曲者ぞろいの生徒達を上回っている。12巻の遅刻合戦ではトイレのブラシで乱馬と決闘、ギリギリで敗北を喫したもののほぼ完全に互角であった。この時点の乱馬は火中天津甘栗拳会得後で、爆砕点穴修行前の良牙を瞬殺できるレベルだったのだから、武道が本職ではないにもかかわらずこの結果は驚異的である。
ワイド版4巻のインタビューでも「なぜか強いおっさん」として名前が挙げられており、高橋留美子からは「なんなんでしょうかあれは。ハワイに何かあるんですかね?」とコメントされているほか、強い理由は「校長ですから」との事。
そりゃあ、るーみっくわーるどの教師は、なんかやたらと無駄にバイタリティが溢れ返っている人が多く、先生何やってんすか状態になりがちではあるし、そんな連中を束ねる校長という立場にまで出世するには、この程度の強さを身に着けているのが当たり前なのかもしれないが…。
ファンの間では、同じるーみっく校長であるこちらのかたをちったぁ見習って欲しいという声も(こっちはこっちで別ベクトルの問題を抱えているが)。