概要
コオロギ食とは、コオロギを食用に加工して食べること(昆虫食の一つ)である。
野生のコオロギの食用は東南アジアやアフリカ中南部で見られる。昆虫食のなかでは割とメジャーな部類で、「コオロギは未知の食材」というのは誤りである。
食用コオロギの養殖を行っている地域もあり、タイの東北地方では1998年から現在まで盛んに養殖が行われている。
SDGsという単語が注目されていた時期、「コオロギの食用」についても関心が高まっていった。
- 必要な水や餌が圧倒的に少ないので飼育が楽
- 約35日ぐらいで成虫になる成長の早さ
- 雑食性なので残ってしまった食品を食べさせることができる。
- たんぱく質の多さや、ビタミン・ミネラル・食物繊維などを含む栄養満点さ
コオロギ食にはこれらの長所があり、食糧問題への解決策として有用であるとしてマスメディアからは大いに注目されることとなる。
産業
その中でコオロギ食の大手として特に有名だったのが、徳島大学発のベンチャー企業「グリラス」。
徳島大学の基礎研究をベースにコオロギ食の社会実装を目指すフードテックスタートアップであり、このグリラスは新聞やテレビで取り上げられ、期待の産業として祀り上げられていた。
しかし2024年11月7日、この企業は徳島地裁に破産手続きを申し入れることになる。
実はこのコオロギ食、インターネット上ではかなり嫌われていた。
その動機は色々。
- コオロギを食することに生理的嫌悪感を訴える人
- コオロギは食べるのは危険であると信じる人
- マスメディアで過剰に注目を浴びたことから陰謀を疑う人
- SDGsを謳うならコオロギ食よりも絞った生乳を廃棄している方をなんとかすべきだと唱える人
- そもそもコオロギ食を推進することが本当に合理的でSDGsに有効的なのかと考える人
- 欧米の畜産業の儲けに響く(これは反菜食主義や反捕鯨にも共通する動機)
などである(ただし「コオロギ食が危険」という主張には明らかなデマも多い)。
特に2022年11月にグリラスが小松島西高校でコオロギ食を提供するとSNSを中心に炎上。当高校やグリラスは非難に晒され、その余波でグリラスは数々の商談が取り消されると、事業拡大もストップ。
投資話もなくなり、資金調達ができなくなったことで破産することなったのである。
で、味は?
よくいわれるのはエビのような風味があるということである。また、クセがないともされる。
外骨格はやわらかいので剥かずにそのまま食べることができ、サクッとした食感がある。
- ヨーロッパイエコオロギ:ナッツのような香り
- フタホシコオロギ:しっかりとした風味
- タイワンオオコオロギ:まろやかな旨味
そのため甲殻類アレルギーの人は絶対に食ってはならない。
どういうのがあるのか
クリケットパウダー(コオロギパウダー)
粉末状になっているので見た目だけならコオロギを使っているのかはわからない。
クセが少なく、エビのような味わいがある他、たんぱく質が豊富なのでプロテインとしても使うことができる。
コオロギせんべい
無印良品とグリラスの共同開発。
コオロギパウダーをせんべいに練り込み、コオロギそのものの味を活かすために余計な原材料は使わずにシンプルな配合がなされている。
エビのような香ばしい風味が特徴。
グリラスかぼちゃコロッケ
2022年11月に小松島西高校で作られたメニュー。
小松島西高校の食物科生徒が考案したかぼちゃコロッケである。
フタホシコオロギの粉末「グリラスパウダー」をコロッケに使われるひき肉の代わりとしている。
グリラスパウダーを加えた事でかぼちゃの甘さがより引き立ち、ひき肉を使用した場合よりも旨味を感じることができる。
実際には、希望者のみ実食することができていた。