概要
三国志に登場する英雄。劉備・関羽と義兄弟の契りを結び、乱世を終わらせるために戦う。
その人柄は単純で怒りっぽく、奔放で無類の酒好き。まさに絵に描いたような筋肉馬鹿であるが、それを気にしてか兵法を学ぼうとしたり、策で曹操軍を足止めしたりするなど、関羽にはバランス面で劣るものの優秀な武将である。
その武力は義兄の関羽に匹敵するとも言われ（関羽は曹操に一時降ってた際、曹操に対し自分より張飛の方が強いと述べている）、長板の戦いではたった一人で曹操軍の侵攻を食い止めたほど。主に戦場でその力を発揮し、劉備もよく連れて行ったり（逆に言うと留守番を任せ難い）した。
かなりの酒豪であると同時にかなり酒癖が悪く、酔って部下を殴るなど部下たちからは余り人気がなく、これが原因で失敗する事も少なくなかった。逆に目上や上官を敬う術を知っており、位の高い将軍などからは評判が良かったようだ。
その最後は義兄弟である関羽の仇討のために独断専行で呉に戦をしかけようとし、部下の裏切りによって戦わずに討ち取られた。
これが劉備の復讐心に拍車をかけたのだ。
「愛すべき馬鹿」として民衆には人気で、三国志演義の原型となった三国志平話では主人公格の扱いを受けている。
ただ、おかげで演義や平話では本来は劉備や関羽がやらかした事件を張飛がやった事にされてたりと結構貧乏くじを引かされてもいる。
蜀漢五虎大将軍の一人であり、右将軍(後に車騎将軍)。
余談
しかし史書を紐解くと、演義とは少し違った意外な「知将」張飛の姿が垣間見える。有名な「長阪の戦い」では、演義とは違い橋を焼き落とした後に護衛の２０騎に弩を構えさせたとある。
この時、曹操は自ら先行軍として騎兵５千を率いて劉備軍を追撃した。三日三晩の強行軍で昼夜問わず追いかけているため、この時率いていたのが軽装騎兵である事はほぼ間違いない。
持っている弓は精々が軽弓や馬上弓であり、川を挟んだ状態で射程距離の長い弩兵に相対する事は自殺行為以外の何者でもない。それが寡兵である事など敵である曹操に知りようも無く、彼は本隊が来るまでは劉備の追撃を諦めざるを得なかったのである。
つまるところ、長阪の張飛の名場面は一世一代の大ハッタリだったのだ。
長期的な戦略を構築する能力こそ無いものの、その場に応じて臨機応変に戦術を組み立てる事ができる。案外、彼はそんな武将だったのかもしれない。
登場作品ごとの張飛
蒼天航路における張飛
他の演義系作品に比べて変態化されたキャラが多い中で、割と他の創作作品に近い造形や性格であり（元がネタキャラに近いせいもあるが）、むしろ奇人めいた劉備や関羽に対しツッコミを入れる常識人めいた場面も多く見られる。物語は関羽が死んで、直後に主人公曹操が死ぬ場面で終わっているので、最後は死んだことが簡潔に書かれているだけである。
名前は正史にならって「益徳」だが、作内の世界内の講談で「翼徳」と呼ばれていることが民衆の会話で語られている。
コーエー三国志シリーズなどのSLGにおける張飛
数値的には全体的に武力は高いが、知力は低い典型的な猛将として描かれている。呂布と比べると武力に関しては必ず劣るが（呂布が武力100なら、張飛は99～98前後）、関羽とは互角かそれ以上の数値がついている。作品によっては、前述した戦果をふまえて知力値が高い場合もある。
劉備に対しての義理は固いので、少なくとも呂布よりは安心して使える。
『真・三國無双』シリーズ
声優：掛川裕彦
武器：蛇矛
非常に豪胆な性格をした豪傑。無類の酒好きであり、その上短気である。
多少喧嘩早い所はあるが、曲がったことは嫌いな一本筋を通す好漢。
字は翼徳。五虎大将軍の一人として名を連ねる。
「桃園の誓い」で劉備・関羽と義兄弟となり、各地を転戦することとなる。
「長坂の戦い」では、長坂橋の上で一人仁王立ちをし、大喝して曹魏百万の兵を退ける。
また『4』では、娘・星彩が登場して、子煩悩な姿も表した。
容姿は、勇ましい口髭と短めの顎鬚を生やしており、筋骨隆々とした大男。
衣装はシリーズごとに多少異なるが、基本的には上半身は袈裟掛けのような
衣服で右側を露出させることが多く、頭部には頭巾のようなものを
着用している。そして手には立派な蛇矛を携えている。
『2』・『3』では、右上半身を露出させ肩当てをした衣服をしている。
また『3』では、右腰辺りの瓢箪を付けている。
『4』・『5』では、右上半身の露出はなくなり、胸当てを着用するようになった。
また『5』では、それまで頭巾姿から一転にして、髪を束ねて
ドレッドヘアーのような髪型になった。
無双OROCHIでは『年頃の娘を持つ猛将』繋がりで本多忠勝との親交がある。
『三国伝』
こちらを参照
『一騎当千』
こちらを参照
『恋姫†無双』シリーズ
こちらを参照
