これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは。
あらすじ
玻璃ヶ浦という町で海底鉱物資源開発の説明会が開催されることになり、湯川学はその説明会に参加するために玻璃ヶ浦へ赴く。現地へ向かう列車で湯川は柄崎恭平という少年に出会う。恭平の親戚が旅館『緑岩荘』を営んでいるということを知った湯川は、その旅館に宿泊することになる。
そんな中、説明会の参加者の1人で、湯川と同じ旅館に宿泊していた元警察官:塚原正次という男性が転落死するという事件が起きる。当初はただの事故だと思われていたが、塚原の後輩である多々良の依頼によって草薙、内海が調査を行った結果、この男性が何者かに殺害された後に死体が遺棄された可能性が濃厚となり、さらに事件の裏に16年前の別の殺人事件が絡んでいることがわかってきた。
一方、湯川もこの事件が殺人であることを見抜き、「ある人物の人生が捻じ曲げられる」ことを防ぐために独自に捜査に乗り出していくのだった。
登場人物
配役は実写版におけるものを記載。
主人公
演 - 福山雅治
帝都大学第13物理学教室に所属する物理学者。海底鉱物資源開発の説明会に出席するために玻璃ヶ浦を訪れ、事件に巻き込まれる。
子供の相手は苦手としているが、柄崎恭平は彼をして「偏屈」と言わしめる性格であったためか、いつの間にか打ち解けて交流するようになる。
柄崎家
柄崎恭平
演 - 山﨑光
小学5年生。親戚である川畑家の旅館に預けられることになり、玻璃ヶ浦を訪れる。
両親が仕事で忙しいためあまり構ってもらえないことが多く、そうしたためか大人に対してどこか冷めた感情を抱いている。玻璃ヶ浦へ向かう途中の列車の中で湯川と出会い、交流を持つ。
柄崎敬一
演 - 田中哲司
恭平の父。妻の由里と共に大阪でブティックを経営しており、多忙な日々を送っている。
川畑家
川畑成美
演 - 杏
環境活動家。15年前に玻璃ヶ浦に移り住んで、海の美しさに魅せられて依頼、地元の海洋環境を守るために活動している。
恭平の従兄弟に当たり、恭平からは親子ほどの年齢差があるにも関わらず「成美ちゃん」と呼ばれている。
川畑重治
演 - 前田吟
成美の父。元々は東京でサラリーマンとして働いていたが、父親の後を継いで旅館を経営している。
太りすぎて膝を壊しており、歩くのには杖が欠かせない。
川畑節子
演 - 風吹ジュン
旧姓:柄崎。成美の母で、柄崎啓一の腹違いの姉(=恭平の伯母)にあたる。
54歳だが、実年齢より若く見える。
警察関係者
警視庁
演 - 北村一輝
湯川の大学時代の同期。湯川と共に数々の難事件を解決してきた。
今回は多々良の依頼により、湯川とは殆ど別行動をとりながら、殺害された塚原正次の生前の足取りを追う。
(演 - 柴咲コウ)
草薙の部下。草薙と共に東京で操作を行う。
実写版ではアメリカに研修に向かうことになり、後述する岸谷美砂に役割を譲る形で物語から退場しているため、登場していない。
演 - 吉高由里子
ドラマ版第2期における湯川の相棒で、実写版オリジナルの登場人物。
原作における内海に相当する役割を演ずると見られる。
多々良
警視庁捜査一課の管理官。「瞬間湯沸かし器」の異名をとるほど短気な性格。
殺害された塚原正次の後輩で、塚原が殺害されたことを聞きつけ、玻璃ヶ浦を訪れる。しかし、事故死と断定した地元警察の捜査結果に疑問を抱き、草薙に操作を依頼する。
県警
西口剛
玻璃警察署に勤務する巡査。成美とは高校時代の同級生であり、事件に巻き込まれた彼女の身を案じている。
その他
塚原正次
演 - 塩見三省
元警視庁捜査一課の刑事。現役時代は「名刑事」と呼ばれていた。
多々良管理官の先輩で、恩人でもある。
海洋鉱物資源開発の説明会に出席するために玻璃ヶ浦を訪れていたが、会期中に転落死しているのを発見される。
説明会に出席する前に、近隣の別荘地を見て回っていたり、説明会の申し込み用紙を居住地から遠く離れた町から投函していたり、さらに川畑成美のことを知っているかのような素振りを見せていたりと、生前の彼の行動には謎めいたものが多い。
仙波英俊
演 - 白竜
16年前に東京で起きたホステス殺害事件の容疑者。
塚原が身柄を拘束し、取調べを行った。その後、懲役8年の実刑判決が確定している。
かつて玻璃ヶ浦の東玻璃という地域に住まいを持ち、妻と住んでいたが、先立たれている。
出所後の足取りは途絶えており、現在消息不明。
三宅伸子
演 - 西田尚美
16年前のホステス殺害事件の被害者。
仙波と金銭を巡ってトラブルになり、口論の末刺殺されたということになっているが…。
用語
玻璃ヶ浦(はりがうら)
美しい海を誇る町。かつては大勢の観光客で賑わっていたが、レジャーの多様化の影響を受けて観光客が激減し、かつての活気を失っていた。そんな中、沖合数十キロ、水深800mのの地点に豊富な海底資源が眠っていることが判明、街の活気を取り戻すために開発を進めるのか、美しい海を汚してまで海底資源を採掘する必要性があるのか、活発な議論が起こっている。
具体的にどの県に属しているかは不明だが、東海道・山陽新幹線から在来線に乗り継いでようやくたどり着ける場所にある模様。なお、実写版の撮影は静岡県で行われた。
DESMEC(デスメック)
海洋資源の開発を手がけている企業。今回玻璃ヶ浦で開催された説明会の主催者。
調査船を持っており、湯川はこの調査船に搭載する、鉱物を超音波で探査する装置の監修を勤めている。
緑岩荘(ろくがんそう)
川畑一家の経営する別荘。重治の父の代から続いている。
観光客の減少により、経営は非常に厳しいものになっている。