概要
革命機ヴァルヴレイヴに登場する霊長兵器。
霊長兵器の名称は「あらゆる兵器の概念を破りその頂点に立つ霊長類的存在」であるとして名付けられている。
ジオールが大規模な軍隊を持てないという理由から、単機で艦隊に匹敵する戦力を手に入れるべく情報原子「ルーン」から得られた情報を元にジオールスフィア モジュール77で開発・研究が行われていた。
無尽蔵の原動機関「レイヴ」を搭載し、世界を一変させる力があると言われ、訓練されていないパイロットであっても敵部隊を殲滅出来るだけの性能を有する(小説では操縦方法が脳に送り込まれる描写が存在し、それによって予備知識が無い者でも操縦が可能となる)。
設計者は病的なまでに几帳面な人間であるとされ(貴生川タクミによると「トキシマ」なる人物が関わっているとされる)、コックピットのマーキングやモニターグラフィックのフォントは全てゴシック体に統一されている。
時縞ハルトが乗る1号機の他に、3号機、4号機、5号機、6号機が存在しており(2号機は不明)、内骨格(プリメートフレーム)に異なる名称が設定されている。また、3~6号機の原動機関はミラーレイヴと呼ばれるレイヴのコピーである。
特徴的な頭部の角やウイングの透明部位は「センシズ・ナーヴ」と呼ばれる高精度センサーとなっており、近接戦闘用の武装も「クリア・フォッシル」と呼ばれる透明材質で形成されている。
また、四肢の末端からは硬質残光と呼ばれる硬質化する光を発し、その性質から推進力としてのみならず攻撃や防御も可能とする。
側頭部に備わった「バリアブル・バルカン」、手甲部の対人用レーザー「ハンド・レイ」、両脇に格納されている小型の鎌「フォルド・シックル」を各機共通の固定武装とする他、各機体ごとに専用に開発された特能装備を持つ。
起動するには「ニンゲンヤメマスカ?」との問いに答える必要があり、その質問に「YES」と答えるとモニターに免責事項が表示され、コックピットシート後部からアームが伸び、そこから「何か」がパイロットに注入される。これによってパイロットの登録が行われると同時にパイロットはマギウスと呼ばれる不死の身体に作り変えられる。
しかし免責事項の内容は明らかに搭乗者の人権を無視した内容であり、「機関」なる組織との契約という正規の方法でこの機体のパイロットになるということは「機関」の命令に逆らえず、生殺与奪権を握られるという意味では実験動物に近い扱いを受けるも同義である(免責事項についてはニンゲンヤメマスカ?を参照)。
加えて適性を持たない人間が搭乗すると、たとえ軍で正規の訓練を受けたエースパイロットであっても命の保証は無い。
また、パイロット登録時には機体のカラーリングが変化する。
なお、この機体は、5機の完成体以外にも、製造中(もしくは製造中止)と思われる機体が7機確認されているが、それらは大型ポッドの中で生物のごとく生成されると言う、機械らしからぬ方法で製造されていた。
欠点として、機体の稼働に伴い熱が溜まり、モニターに表示されているメーターの数値が100を超えると稼働できなくなるという点がある。ただし、冷却用装備を用いたり水を浴びせる事で稼働時間を延長させる事が出来る。
また、1号機は一定条件を満たすとメーター上限が666となり、それを超えると常識を逸した攻撃が可能となる。
備考
ジオールのダイソンスフィアにあったモジュール77の大人の住人と港湾職員、並びに七海リオン以外の咲森学園の教師陣は全員ジオール軍の軍属で、言わばモジュール77と咲森学園自体がヴァルヴレイヴの開発拠点であった事がエルエルフの調査や貴生川タクミの説明で判明し、ヴァルヴレイヴの直接の開発主体がジオールだった事が確定した。
しかし、ドルシア軍のカイン大佐は、ヴァルヴレイヴを「二機」ではなく「二人」と称するなど、関わりを匂わせる様な言動を見せてる事から、ドルシアのごく一部の者もヴァルヴレイヴの開発に関与している可能性がある。
機体データ
機体名 | 形式番号 | 全高 | 重量 | PF名称 | 基本色 | パイロット |
ヴァルヴレイヴI | RM-011 | 22.6m | 19.9t | 火人(ヒト) | 赤 | 時縞ハルト |
ヴァルヴレイヴIII | RM-031 | 26.3m | 27.1t | 火神鳴(ヒカミナリ) | 黄 | 山田ライゾウ |
ヴァルヴレイヴIV | RM-047 | 24.4m | 24.0t | 火ノ輪(ヒノワ) | 緑 | 流木野サキ |
ヴァルヴレイヴV | RM-056 | 24.5m | 25.2t | 火打羽(ヒウチバ) | 青 | 犬塚キューマ |
ヴァルヴレイヴVI | RM-069 | 19.9m | 22.6t | 火遊(ヒアソビ) | 紫 | 連坊小路アキラ |
余談
デザインは監督の松尾衡氏、デザイナーの石渡マコト氏、そしてメカニカルコーディネーターとして招かれた関西リョウジ氏によって吟味されたギミック・アイデアを盛り込み完成している。特に松尾監督は「人型である事」にこだわりを持っており、火神鳴や火ノ輪の特能装備も、手や足の延長線上になる装備として設定されている。
また、企画段階ではロボットに無人のオプションユニットを装備して機能を変化させるという方向でデザインされていたとの事。
硬質残光については「メカやエフェクトが3DCGで描かれる事から絵的に硬い印象になる可能性がある」という事からエフェクト自体を物理的に存在する物にしてしまえばいいという逆転の発想から生まれた。
放送開始以前はカラーリングや武装などの面から銀河機攻隊マジェスティックプリンスの主役メカAHSMB(アッシュ)と混同される事も多かったが、放送開始後は演出・ギミックによる差別化によってそのような意見は少なくなっている。ただし、共通のフレームに専用装備を施しそれに特化したメカとするという方向性は同じである。