概要
元レッドリボン軍の科学者である、ドクター・ゲロが作り出した人造人間の一体。
真っ白な肌を持つ肥満体の男性の姿をしており、帽子で隠れた頭部は赤みを帯びた透明なカバーで覆われた電子頭脳が見えている。両方の手の平には、エネルギー吸収用の赤いレンズ状の装置が埋め込まれている。
他には時折、装着しているイヤリングを指で弾き鳴らせる癖がある。
これまでの人造人間は、性格やパワー、制御系統に多大な問題を抱えていることが多かったが、この19号はその問題が完全に解消されており、ドクター・ゲロの唯一にして最初で最後の人造人間の成功例である。
機体性能
人間をベースとした17号と18号が、パワーを重視し過ぎたために完全な制御が不可能であったのに対し、19号はその問題点の打開策として、まず身体のパーツ全てを人工物で構成している。
そして、もう一つの課題である“パワーの抑制”というスタンスを踏まえ、動力源を「永久エネルギー炉(タイプ)」から「エネルギー吸収装置(タイプ)」に置き換えている。このために保有しているエネルギーは有限であり、相手の気功技を吸収する、または対象の身体を直接掴む事でエネルギーを定期的に奪わなければ、活動を継続出来ない欠点を抱えている。
そのために、17号や18号と比較すると総合的な戦闘能力は劣っている。
ただし、それらの恩恵から前述通り従順であり、安定性と制御面は17号と18号よりも格段に上である。外見や時折奇声を上げるなどイメージとは裏腹に知能レベルも高水準であり、ドクター・ゲロへの改造手術も彼が担当している。
また、上記の二体には無かったパワーレーダーが搭載されており、戦闘能力の高い対象の感知・索敵が可能である。(ただし、このシステムは同じく全人工型の16号にも搭載されている)
人格プログラム
一人称は「私」。普段は人工物(ロボット)特有の冷徹な振る舞いが目立つが、感情や表情の変化は比較的に多い。下記の項目のように、優勢になると余裕の笑みを浮かべる、ベジータに追い詰められた際は恐怖の表情を浮かべるなど人間と同じ感情を持つ。前述通り戦闘中に奇声を上げる事もあるが、普段は理知的で流暢に言葉を話す。
創造主であるドクター・ゲロに対しては非常に忠実。本編以外のゲームでの掛け合いにおいても、他の主従関係にあるキャラクター同士が決裂・謀反を起こすなどしている中、19号だけはこの従順な姿勢を貫いている。また、本編では関わりの無かった他の人造人間との掛け合いもあり、互いの存在を認知しているようである。
余談であるが、自分の容姿に関して多少の意識を持っている様子。
近年のゲーム作品でのチャオズとの掛け合いにおいて、彼に「お前……私と似ているな。真似をするな」と対抗意識?を露わにしている。文句は生みの親に言え。
こうして総合的に見ると、意外に人間味のある性格の持ち主である。
本編での動向など
人造人間20号と共に、地球の戦士たちの前に立ち塞がった。
最初は超サイヤ人化した孫悟空に圧倒されるも、悟空自身も19号に決定打を与えられずにいた。ところが、悟空がこの当時にウィルス性の心臓病を患い、戦闘中に発作が起こってしまった事で、次第に形勢を逆転させていく。
悟空のエネルギーを奪い、そしてトドメまであと一歩、というところでベジータが乱入。19号自身がベジータと戦う事を望んだため、そのまま彼と戦闘をする事となる。
しかし、超サイヤ人となったベジータの敵ではなく、最終的にベジータの新必殺技「ビッグ・バン・アタック」の餌食となり、頭部だけを残して破壊されてしまった。
後に『ドラゴンボールGT』において、ドクター・ゲロとドクター・ミューの二人が起こした騒動において復活(あの世で新たに製造されたと思われる)を果たしている。
しかし、悟天とトランクスの二人によって呆気無く破壊され、皮肉にも以前と同じく頭部だけが残された。
ゲームでの扱い
放送当時発売されたファミコンソフト『烈戦人造人間』で初出演。彼より後に登場するボス達には負けてもゲームオーバーにはならず進行するため、「負けてはいけない敵」という意味では彼がラスボスである。
放送終了後のゲームでも、人造人間20号を始めとした他の人造人間と共に参戦を果たしている。20号とは基礎が似通っているが、あちらがスピードに優れているのに対し、19号は見た目通りのパワータイプと対照的である。
また、十八番である「エネルギー吸収」が忠実に再現されており、相手の気功波やエネルギー弾を吸収し気力ゲージに変換、掴み技ではこれに加えて体力までも吸収するため、相手にとっては厄介な能力を持つキャラクターとして仕上がっている。
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