重要無形文化財、世界無形遺産でもある。
概要
名称の由来は、「傾く」(かたむく)の古語にあたる「傾く」(かぶく)の連用形を名詞化した「かぶき」だといわれている。
戦国時代の終わり頃から江戸時代の初頭にかけて京や江戸で流行した、派手な衣装や一風変った異形を好んだり、常軌を逸脱した行動に走ることを指した語で、特にそうした者たちのことを「かぶき者」(「傾奇者」)とも言った。
そうした「かぶき者」独特の装いを取り入れた「かぶき踊り」が、今日に連なる伝統芸能「かぶき」の語源となっている。
この「かぶき」に「歌い舞う芸妓」の意から「歌舞妓」と当て、さらに後に芸妓に連なる「妓」の字に代わって伎楽に連なる「伎」の字を用いた「歌舞伎」が使われるようになった。
現在のように「歌舞伎」の表記に落ち着いたのは明治になってからのことである。
歌舞伎に由来する語
差金
蝶や鳥などを舞台上で表現する場合に、小道具で創り、長い棒にさして動かす。
この小道具一式を差金と呼ぶ。
陰で舞台を操る意味から転じて、陰で人をそそのかし操ることを意味するようになった。
黒子(くろこ)
表には出ないものの、なくてはならない存在。
ただし「黒子」「くろこ」は共に誤用が定着した慣用で、正しい表記は「黒衣」読みは「くろご」らしい。
歌舞伎の黒幕は通常夜を表すために用いるが、人形浄瑠璃の黒幕は舞台を操る者をその陰に隠すために用いる。
そこから歌舞伎でも、舞台裏から影響力を行使して舞台を操る興行主・投資者などのことを「黒幕」と呼ぶようになった。
また、武家政権の「幕府」や相撲の「幕内」のように、「幕」には立ち入りがたい場や地位の者を表す語が多いため、裏で操る人の中でも、特に権力者の意味が強くなり、「政界の黒幕」などと用いられるようになったと考えられる。
現在の意味は、表面に出ず、裏で計画をしたり指図をする人のこと。
一座を構成する配役の番付の上で、思慮分別をわきまえた貫禄のある役を務める立役の看板役者を「一枚目」、美男で人気が高い若衆役を務める役者を「二枚目」、面白おかしい役を務める道外方を「三枚目」に掲げていたことが語源。
幕切れ・大詰
それぞれの場(幕)の終わりに引き幕が閉まることを幕切れ、江戸歌舞伎の一番目の最後の幕を大詰と言った。
名優と呼ばれる歌舞伎役者の収入は1000両を超えたことから、転じて素晴らしく活躍した人の意味がある。
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