概要
衣谷遊の漫画作品。角川書店「コミックコンプ」、メディアワークス「電撃コミックガオ!」で連載されていた。
主人公ティカの戦いを描いたファンタジー漫画で、ティカが格闘技をたしなむため、格闘技によるバトルシーンが多い。
「コミックコンプ」で連載されていたときのタイトルは「エンジェルパラダイム」だったが、「電撃コミックガオ!」で連載再開されたときは「エンジェルアーム」と改題されている。
全7巻が刊行され、現在はe-booksで電子書籍が刊行されている。
登場人物
ティカ
主人公。育ての親である穏やかな老夫婦とともに、シバト王国王宮に仕えながら平和に暮らしていた。勝気な性格の少女。幼馴染のルアと共にサランに武術を習っていた。
グルジエフたちによって老夫婦を殺害され、自身もランネット兵を殺したことで、国を追われることになる。
実はグルジエフとヘルマの民の女性との間に生まれた子供で、グルジエフがティカを利用しようとしていることを知ったサランによって老夫婦に預けられて育てられた。
ルア
ティカの幼なじみの少年。幼い頃からティカと一緒にサランから武術を習っていた。ティカとは友達以上恋人未満といった関係。国を追われたティカを追って、一緒に旅に出る。戦いの最中にティカとは離れ離れになってしまうが、それでも探し続けて、物語最後でようやく再会を果たした。記憶喪失でさ迷っていたアネムを助けて面倒をみるなど、とても面倒見のいい性格。
サラン
ティカとルアの格闘技の師匠。二人からはとても慕われている。グルジェフとは知り合い。正体はカルス=ランドの次期女王であるセレーズ。とても理知的で穏やかな性格だが、言うべき時は言う毅然とした女性。
グルジエフ
聖ランネット帝国の魔導師。シャロヌの部下であり、彼の理想のために尽力する。朴念仁だが、女性には大変モテモテであり、シャロヌは仕事でグルジエフを独占しているため、グルジエフに会えない恨みつらみがすべてシャロヌのところに集まって困っている。
実はティカの父親。実年齢は28歳だが、外見がそれ以上に老けているのは時空を超えた反動によるものである。理想のために時空を超えてヘルマの民の世界に行くが、彼らから子供を奪っていくのはしのびないと思い、せめて自分の子供ならと思ったグルジエフはヘルマの民の女性と関係をもち子供(ティカ)をもうけてその子を連れ帰ることにした。グルジエフ自身、その女性にはすまないことをしたと今でも苦悩している。
スポーン
グルジエフの部下。見た目は普通の人間だが、聖ランネット帝国の殺人兵器。ティカの両親を殺害した実行犯だが、ティカと行動を共にして、ティカに好意を持ち、人間らしい感情が芽生えていく。アネムと戦い敗北し、死の間際ティカに彼女の両親を殺したことを謝りながら死んでいった。
ガドバイ
グルジエフの部下。見た目は普通の人間だが、聖ランネット帝国の殺人兵器。
ルチオ
グルジエフの部下。見た目は普通の人間だが、聖ランネット帝国の殺人兵器。
エルク
聖ランネット帝国の研究者。スポーンの死を目の当たりにして、自らの研究を悔いる。
アネム
聖ランネット帝国皇帝ファティマがティカに対して差し向けた刺客。外見は少年の姿をしている。強力な再生能力を持つ人間兵器として作り上げられ、一切の感情を持たない。しかし、ティカとの戦いを通じて初めて“恐怖”を感じて敗北。その後、記憶喪失状態でいたところをルアに助けられ、ルアと行動を共にすることで人間らしい感情を身に着けていく。やがて記憶を取り戻し、再びティカと対峙するが、人間らしい感情に目覚めて自分のやったことを理解したアネムは「やる気なんかない」と戦うことなくその場を去り、自らの力で自分自身を跡形もなく消滅させた。
シャロヌ
聖ランネット帝国の皇帝ファティマの弟。聖職者であり、「神の知恵を持つ」と評される。
ファティマ
聖ランネット帝国の皇帝。シャロヌの兄。
ヴァド
ラグムル帝国の第96皇子。「黒太子」と称される武人。
アルトゥン
ヴァドの兄。生まれつき特異な力持ち、それゆえに「一番偉い人間は何をやってもいい」と簡単に人を殺したり街を壊滅させたりする歪んだ思考の持ち主。それは肉親相手でも変わりなく、幼い頃は母親を惨殺した。そのことでヴァドからは激しく嫌悪されている。
余談
当時、誌面でグルジエフの年齢あて企画「グルちゃん年齢あてクイズ」が開催されたとき、実年齢をあてた読者はほぼいなく(20代と答えた読者が1名いた程度)、老けた外見から1000歳と大半から年寄り扱いされていた。
関連リンク
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