オンリー・ユー

　長々と書いたこのお話もこの章で完結です。 　そもそものきっかけは「エルを再びあたるに会わせてあげたい」というだけのものだったのですが、それをどうやって物語として組み立てていけばいいのかと言う事で、かなり悩みました。 　当時、もしくは最近映画「オンリー・ユー」をご覧になって、あの作品のあちこちに消化不良を感じた方々が、私の書いた作品を読んでほんの少しでも癒される様でしたら、とても嬉しい限りです。 　ちなみにこれは２００４年～２００５年の年末の間に書いた作品で、今の私にはもうその当時の情熱を再現させる力もありませんし、きっとアイデアも浮かばない事でしょう。 　本当にその当時の私だったからこそ書けた作品です。悔しい話ですけどね。

ご注意：この章の中で弁天とパーマのエピソードがあります。この二人の関係は「アナザーランド」という話の延長線で書いていますので、ぜひそちらの小説もお読み頂ければ幸いです。

私は「うる星やつら」の劇場版「オンリー・ユー」が好きです。そして、そこに登場するエル星の女王エルが大好きです。 でもその話でのエルは諸星あたるに振られて悲しみの涙を流したまま舞台を去りました。 悪人らしい悪人が登場しない「うる星やつら」という作品の中で、唯一と言っても良い位救い様が無い結末を迎えたエルを何とか幸せな展開で物語を締めてあげる事が出来ないかと思い、出来上がったのがこの作品です。 私個人としては「オンリー・ユー」の後日談として読んで頂ければ幸いです。 映画公開から21年後の2004年の作品です。