私に足りないのは、慈悲や同情や許しの心。理性じゃない
演者:ユマ・サーマン
概要
本作の主人公。
世界最強の暗殺集団「DiVAS」のメンバーで、コードネームは「ブラックマンバ」。
地上最強最悪の武道家パイ・メイに師事して中国拳法を修め、日本刀を初めとした武器の扱いに長けた凄腕の殺し屋。
妊娠を機に引退を決意するが、リーダーの「スネークチャーマー」ことビルの不興をかう。そして結婚式のリハーサルを開いていた教会で、ビルと彼に率いられた4人の殺し屋によって制裁を受けた。
婚約者である夫と参列者全員は殺害され、壮絶なリンチの末に頭に銃弾を撃ち込まれ、昏睡状態に陥る。
通報を受けて駆けつけた警官に生存を確認され、病院に運ばれるも意識は回復せず、また胎児は失われた。
その後「カリフォルニア・マウンテン・スネーク」ことエル・ドライバーが毒殺しに来たが、直前でビルの電話が入り「眠っている間に殺すのは殺し屋の沽券に関わる」という理由で殺害は中止となる。
以後は4年もの間昏睡状態が続いていたが、意識がないのを良い事に、病院職員バックの小遣い稼ぎとして、本人ならびに不特定多数の男からの性的暴行を受けていた。
しかし蚊に刺された事で覚醒し、両手の指紋の形を見て、自分がどれくらい昏睡していたのかを錯乱しながらも理解。自分を犯そうと来た男とバックを殺害して車椅子で脱走し、バックの愛車「プッシーワゴン」で脱出。
麻痺していた両足を自己暗示によって動かせるようになると、復讐を開始する。
本名は「ベアトリクス・キドー」。
「ザ・ブライド」は瀕死状態で発見された時に身元不明だった為、便宜上つけられた呼び名である。
本名が判明するのは『Vol.2』から。『vol.1』時点では伏字表記&ノイズになっており、観客の想像を搔き立てる演出としている。
『Vol.2』冒頭ではビルが彼女と対話する際に姓を呼んでおり、航空券にはフルネームが明記されている。
『vol.1』
物語の時系列は前後して描かれている。
復讐の第二弾として、引退して「ジーニー・ベル」と名を変え、医者の妻として平和に暮らしていた「コッパーヘッド」ことヴァニータ・グリーンの自宅を訪れ、戦闘となる。
ヴァニータの娘ニッキーの帰宅によりいったん戦闘は中断されたが、騙し討ちで銃を撃とうとしたヴァニータをナイフで殺害。これを目撃してしまったニッキーに謝罪し、「大きくなってまだ許せなかったら、貴方が来るのを待っている」と告げ、立ち去る。
これより前、復讐の第一弾として、日本のヤクザの親分となった「コットンマウス」ことオーレン石井を狙う。
来日して沖縄のマズい寿司屋を訪れ、店主としてふるまう伝説の刀鍛冶・服部半蔵に依頼して最高傑作の刀を入手すると、東京の料亭「青葉屋」を訪れていたオーレンを強襲。
配下の「クレイジー88」、用心棒のゴーゴー夕張、更にはオーレンを殺害。No.2の座にあったソフィ・ファタールを拷問した末に情報を引き出し、更にはビルへの見せしめとして病院へ送り込んだ。
瀕死のソフィに対し、面会に来たビルは問いかける。
「彼女は娘が生きていると知っているのか?」
『Vol.2』
復讐の第三弾として、カリフォルニア州パサディナへと降り立つ。
そこでDiVAS唯一の男性にしてビルの弟「サイドワインダー」ことバドの居場所を突き止めて襲うが、岩塩の弾を込めたショットガンで撃たれ、麻酔をかけられた上で生き埋めにされてしまう。
暗殺業から遠のいてすっかり落ちぶれたバドは、服部半蔵の刀をエル・ドライバーに売りつけようとしたが、エルの裏切りに会い死亡。
辛くも脱出に成功したベアトリクスは立ち去ろうとしたエルと鉢合わせて戦闘になり、激闘の末にエルの左目を抉って盲目にした。狂乱して暴れまわるエルを放置して復讐の第四弾を果たし、彼女はメキシコへと向かう。
遂にビルとの再会を果たすベアトリクス。
しかし彼の傍らにいたのは、死んだと思っていた娘だった。
B・Bと名づけられたその少女は、実はビルとの間にもうけた子だった。
ベアトリクスは、かつて妊娠初期の任務中、ターゲットが雇った殺し屋に襲われた。
妊娠しているから助けてほしいと懇願した彼女に対し、殺し屋は「おめでとう」と告げて銃を下ろし、その場を立ち去った。
この出来事をきっかけに、生まれてくる我が子を殺し屋の世界から遠ざけて育てる為に引退を決意。偽装結婚によって一般人になろうとしたが、これを裏切りと見なしたビルが彼女を襲撃したというのが真相だった。
対話を果たし、それでも「復讐」を遂げる為、ベアトリクスはビルと対決する。
秘術「五点掌爆心拳」により致命傷を負ったビルは、最後に「愛している」と告げ、静かに倒れ伏した。
B・Bと共にその場を去ったベアトリクス。その行方は、誰も知らない……。