概要
基本的に競技用でサーキットのみで使用されるが、マン島TT(ツーリストトロフィー)等の公道レースにも使用される。
(オリジナルの一体型フレームを持つクラウザー社製「ドマーニ(ドマニ)」という一般道を走れるモデルも存在する。)
通常のバイクに比べてマイナーなため、漫画やアニメの世界ではめったに出てこないが劇場版「ああっ女神さまっ」に登場。また、2017年秋アニメの「つうかあ」というこのニーラーを主題にした作品が放映されている。
語源
「ニーラー」の綴りは"kneeler"であり、"kneel"(跪く)から来ている。
通常のバイクのような着座姿勢ではなく、跪いた姿勢で操縦することからこのように呼ばれる。
パッセンジャー
基本的に一人で操縦する他のモータースポーツと違い、ドライバー(バイクで言うライダー)と呼ばれる人間とパッセンジャーと呼ばれる人間二人一組で競技を行う。
いわゆる「オモリ」の役割を担うのがパッセンジャー。
コーナリング時イン側に荷重移動し最適なトラクションを得るなど、様々な状況にあわせてパッセンジャーは姿勢を変えて対応する。
つまり、速く走りタイムを縮めるためには、ドライバーとパッセンジャーの息のあったコンビネーションが不可欠となる。
ニーラーは左右非対称で非常に不安定な乗り物であり、パッセンジャーを失ったまま走行すると、極度のアンダーステアを出したり横転する危険性がある。
クラス
2019年4月現在3つのクラスが存在する。
F1クラス
FIA規定では4ストローク1000cc、モノコックフレームを使用した事実上トップカテゴリー。
エンジン搭載位置はドライバー後方。
2017年FIAのサイドカーレースのレギュレーションが改定。
エンジンは4ストローク1000ccから4ストローク600ccエンジンに変更された。
2000年以前の規定では2ストローク500ccのエンジン
(市販GPレーサーTZ500ベースのエンジンやオリジナルクランクケースを使用したサイドカー専用に設計されたエンジンなど)を搭載していた。
現在日本で行われているレースでは4ストローク1300ccまでのエンジンが使用できる。
トップスピードは280km/hに達する。(※二人乗りである)
世界選手権で走っているニーラーはこのクラスになる。
F2クラス
FIA規定では4ストローク600cc、パイプフレームを使用したカテゴリーであり、
マン島TTで使用されているのはこのクラスである。
エンジンを抱え込むような、バイクに非常に近いレイアウトのニーラーである。
トップスピードは260km/hに達する。(※何度も言うようであるが二人乗りである)
マン島周回(一周約60km)参考タイムは20分。平均時速は180km/h。
2018年のマン島TTではIEGレーシングチーム(ベン・バーチャル/トム・バーチャル)
がサイドカークラスで初の19分切りを記録した。(18分59秒018)
F4クラス
現在日本でのみ存在するクラス。
レーシングカートを3輪にしたようなニーラーである。
搭載エンジンは2ストローク80ccエンジン及び4ストローク150ccエンジン。
現在でも2ストロークと、4ストロークの混走が見られるクラス。
主にミニバイクサーキットでレースが行われている。
劇場版「ああっ女神さまっ」で出てきた可愛いレーシングニーラーもこのカテゴリーである。
海外でもこのタイプのニーラーは見られるが「F4クラス」としてレースカテゴリになっているのは日本だけである。
F3クラス
厳密には存在しないクラスであるが、2ストローク250ccエンジン、もしくは
4ストローク400cc(450cc?)を使用したレーシングニーラー。
日本では実験的にF2クラスと混走していた。
現在では走行していない。
呼称
ニーラーはレーシングサイドカー、レーシングニーラーとも呼ばれている。