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主に素粒子物理学において標準模型のエネルギースケール(=~10^12eV)と一般相対論によって示唆される量子重力のエネルギースケールであるプランクスケール(=10^27eV)の15桁に及ぶ階層性の理論的理由付けのために考えられた歪曲した余剰次元空間を仮定した場合の時空構造である。

標準模型の粒子である電子や光子が余剰次元空間に伝播できると仮定した場合、余剰次元空間が無限遠方まで広がっているならば空間に存在する電子や光子の粒子密度はべき乗則に従って元いた座標から半径rに対しr^n(nは空間次元の値、3次元空間では3)に反比例して薄まるが、現代の実験物理で検証可能な領域において電子や光子の粒子密度の振る舞いはr^3に反比例する。このため少なくとも現代の実験で検証可能な領域では粒子は3次元空間上で振る舞う時空構造が実現していなければ実験結果を説明できない。

余剰次元空間が存在すると仮定した場合、これを満たす構造の空間は現在の実験で検証不可能なほど小さな範囲に"コンパクト化"されていなければならない、すなわち余剰次元空間の方向に一定距離進むと元いた空間に戻るループ構造である。さらにこの構造を時空に導入しただけではフェルミオンの持つカイラル対称性を保障できなくなるため、余剰次元方向の空間は+方向への座標と-方向への座標が同一の空間でなければならない(オービフォールド)。

この構造の時空では時空の持つ対称性が破れていることが許される2つの領域が存在する、すなわち5次元時空である場合は余剰次元空間の方向座標x5に対しx5=0とx5=2rの点である。x5=0の領域は標準模型のエネルギースケールの物理が実現している領域、TeVブレーンと呼ばれ、x5=rの領域には量子重力の物理が実現している領域、プランクブレーンが存在すると考えられ、二つの典型的エネルギースケールは余剰次元空間方向の歪曲によって説明されるとされている。

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