概要
メスティン(Mess-tin)は英語で飯盒を意味するが、現在日本で「メスティン」といえばスウェーデンのトランギア社の「折り畳み式の取手付食器」の事がほとんどである。
形状はメイン画像を見てもらえれば一目瞭然だが、取っ手の付いた深皿状の本体と蓋(裏返して皿としても使用される)で構成されている。
ルーツとしては第二次世界大戦ごろから一部の軍隊で使用されていたメスパン(ミートパン)と思われる。
一般に市販されている飯盒が小さくても4合炊きなのに対し、レギュラーサイズのメスティンは1.5~2合(ラージサイズでも3号)炊きな為コンパクトであり、その分パッキングに有利となる(特にソロキャンプ)。
ただし基本的に飯盒のようなコーティングをされていないので強すぎる熱源で使用すると破損しやすい(トランギアでも「過度な強火は避けてください」と注意を呼び掛けている)。その為、火力調整の難しい焚火での調理に使用するには慣れが必要。火力調整のしやすいガス器具や、それほど火力の無いアルコールストーブや固形燃料を使用するのが無難。
またアルコールストーブや固形燃料はご飯を炊く際に燃料が燃え尽きるまで放置する「ほったらかし炊飯」をしやすい利点がある。
ただあくまで「食器(皿)」であって(これは飯盒も飯盒と同じだが)調理に使われるのは日本以外ではあまり行われておらず、使用するとしても基本的に「お湯を沸かす」「スープを温める」「レトルト食品を湯煎する」程度の様である。が、トランギア社公認のメスティンを使った料理のレシピ本が発売されているなど変化がある模様。
長らくトランギア社の寡占状態で入手困難な時期が続いていたが、現在ではホームセンターやドン・キホーテ、果てはDAISOやキャン・ドゥなどの100均ショップまで取り扱う様になり、更にレギュラーより小型な1合炊きのメスティンも発売されている。