鵜飼杜夫の探偵事務所がある「黎明ビル」の管理人をしている妙齢の美女。24歳。戸村流平がいない場合は彼女の視点で探偵サイドが語られる。本人曰く大金持ちのお嬢様で、黎明ビルのほか親から譲り受けたいくつかの不動産の管理をしている。以前は別の場所に居を構えていたが、『密室に向かって撃て』にて鵜飼が家賃を長期滞納していることに業を煮やし、鵜飼探偵事務所のすぐ上の階に越してきた。
初対面こそ物腰は丁寧だが、ある程度気心が知れると遠慮なく歯に衣着せぬ物言いをし、怒った際に繰り出される鉄拳は凄まじい威力を誇る。所有車はベンツ(ただし野ざらし)。鵜飼の無神経な軽口の第一の被害者であり、家賃滞納にいつも頭を悩ませており、仕事を選ぶ彼に滞納を盾に発破をかける。また、大家であることをいいことに度々事務所に遊びに行って寛いでいるので依頼の請け負う際に助手や弟子、経理担当と語ることが多く、そのまま仕事を手伝うこともしばしば。しかし、鵜飼の探偵としての全功績を目の当たりにしており、彼を名探偵と思っている数少ない人物の一人。家事は不得意。鵜飼とは何だかんだで気遣ったり、また鵜飼に女性の影があったら尾行するなどよくわからない微妙な関係。