概要
『大同人物語』(だいどうじんものがたり)は、平野耕太による日本の漫画作品。
1996年に、『コミックガム』(ワニブックス)にて、創刊号より連載。未完である。
GUMコミックスで単行本が1巻のみ刊行された。
あらすじ
1994年冬季マンガマーケット。
高校生で同人作家の木之下(きのした)は、漫画研究サークルの委託販売元の手伝いとして、売り子をしていた。
その時、手伝っていた大手サークルの主催であるプロ作家から謂れの無い暴言を受け、怒りを感じた木之下は真っ向から反駁し、席を蹴る。
孤独と無力感に打ちひしがれていた帰り道、謎の同人ゴロ・明智(あけち)と運命の出会いを果たす。明智に「同人にならないか」と誘われた木之下はそれを受け、もう一人のメンバー・雑賀(ざいが)と共に同人誌を作ることとなる。
登場キャラクター
織田の補佐を勤める美少年。明智に「カマっぽいツラ」と揶揄される。性格はそれほどオカマっぽいわけではないが、織田には恋愛感情にも似た忠誠を捧げる。明智の著作を読んでいたり、実際に明智と面識がある事から、成立期の「黄金の夜明け」に関係しているようである。
木之下の同級生。木之下の原稿を手伝う。
- 丹羽
名前のみ登場。「黄金の夜明け」の影響下にある大手同人と見られ、柴田からライバル視されている。物語の冒頭で木之下が柴田とトラブルを起こし、明智に認知されるきっかけを作るなど、意外に重要な人物。性別や年齢等は不明。
- 義竜
織田に自分のサークルを奪われたサークル主宰者。作品が発表された1990年代中盤の当時ではまだ多く居た、自分では創作をしないタイプの「同人編集」である。織田によって作家を先に落とされ、自分のサークルの自治権と引き換えに、織田の参加に下るように脅迫されている。雑賀のコンタクトを受けた。劇中でのネームルールからすると、恐らく姓は斎藤であろう。
- 松永秀
マンガマーケット準備会執行部当落担当長。明智のマンガマーケット参加を阻もうとする織田の露骨な恫喝を受けるが、逆らえない。
- 柿崎来留津
景虎隊の構成員で、第1分隊「柿崎隊」隊長。過去(第2分隊長当時)に、マンガマーケット準備会のチビ官の理不尽な要求に晒されていた雑賀達の窮地を救う。雑賀が景虎に信頼感を抱くきっかけを作った。
- 宇佐美清
景虎隊第2分隊(現在)「宇佐美隊」隊長。
- 皇
名前のみ登場。マンガマーケットの主催者であり、最高責任者。