斯の世に降りし天人、乾坤を指掌に宿し、その身に音骸を納める。
一気凝化、生まれし盤古、天地を覆い、経緯相応を以て、四方を照らす。
而して瑝瓏史は始まり、初めて庭州を分かつ。
プロフィール
概要
『鳴潮』の主人公。英訳は「Rover」。キャラクターデザインは開発期間中に何度か調整されており、投稿作品の中には初期のデザインで描かれたものもある。
ゲーム開始時に性別を選択できるが、以降の変更は(今のところ)不可能。テキスト形式の選択肢では設定したプレイヤーネーム(最大12文字)で名乗る事もできるほか、テキスト限定ではあるものの名前で呼んでもらえたりする。
人物
瑝瓏の関外・今州の僻地で行き倒れていた記憶喪失の共鳴者で、黒髪に金色の瞳、右手の甲に音痕を持つ迅刀使いの若者。その出で立ちは瑝瓏風の装束とは異なるらしく、「さすらう旅人か、異国からの里帰りでは?」と考えた秧秧の言葉からなんとなく決まった仮の呼び名が「漂泊者」である。
共鳴者の必需品であるデバイスはどの国にも当てはまらない独特のデザイン。デバイスで吸収しきれない強力な音骸をその身に直接吸収できてしまう異質な能力の持ち主で、検査結果を分析した白芷の推測では体内に“空間や生物に類する何か”を有しているらしい。
今州の令尹(最高執政官)を務める今汐の導きもあって、己の出自を確かめるべく各地を巡る事になるが、時に推理めいた察しの良さを発揮してプレイヤーを置き去りにしたまま話を進めてしまう一面がある。
会話中の選択肢はキャラ付けが薄めのシンプルな日本語訳が目立つため、口調としてはややぶっきらぼうに見えるものの、やり取りの内容次第では拗ねたりはしゃいだりするなど、それなりに情緒豊か。端正な顔立ちで人懐っこい笑みを浮かべるため、アバターというよりも一人のキャラクターとして愛好しているプレイヤーは少なくない。
ボイスは戦闘や探索で聞けるほか、潮汐任務(メインストーリー)や連星任務(キャラストーリー)等の要所でもそこそこ喋るようになる。
今州が設置された当時の記録には、近しい特徴を持つ共鳴者に関する記述が複数存在しているようだが……?
呼び名
御者 / Arbiter
Ver1.1「春雷明かす乗霄の暗雲」より。
今州の歳主・角との対面に際して使われた呼び名。今州の万事万物を司る導き手である角をして“かつての主”と称する存在であり、角に様々な知識を授け、共に設置した今州における文明の守護者としての役割を命じたという。
角の能力を研究するために乗霄山へ滞在していた稷廷のスタッフが山中に残した当時の研究資料には、外界よりも遅く流れる時間の影響を受けない「異人 / peculiar visitor」と呼ばれる人物の記録があり、残像潮との戦いで角が負傷した経緯や、その後遺症とも言える「時の秘法」の欠落を補うために、研究者との交流を経て人造共鳴物・遡流器の開発を手助けした旨も記されている。
また、歳主の降臨後に乗霄山へ平然と出入りしていた人物については瑝覧類書にも記載があるという。
角の言では、御者は自分自身を「文明に介入し、選択と結末を見届ける」存在として位置付けていたらしく、ある稷廷スタッフの記録では「まるで傍観者のよう」「異人の謙虚さと善意は、あらかじめ用意されていた道に我々を適応させるためのもの」とまで考察されていた。
群星の調律者 / Astral Modulator
Ver1.3「岸の最果てまで」より。
ブラックショア諸島に悲鳴の観測機関を立ち上げた張本人。指導者として組織運営に携わる傍ら、悲鳴や海蝕現象の現場で対処行動を先導したり、関連する事象の調査・技術の研究開発などに奔走していたようで、面識を持つ職員はごく一部だったという。黒海岸での活動時期に関連するエピソードでは「20年前に消息を絶った」と語られており、元より謎めいた人物像もあって、職員の間では伝説のように語り継がれている。
悲鳴の解析のために無数の犠牲者が残響として囚われ続ける現行のテティスシステムの在り方を変えようと、補佐役を務めていたショアキーパーにさえ口止めをして全てを捨て去り、“漂泊者”として流浪しながら、新たな視点を携えて黒海岸へ至る道を選んだ。
現在の黒海岸には“新入りの花持ち”として加わっているが、ショアキーパーの信頼の証とも言える最高権限や、重度のシステム異常を修正へ導いた実績から一目置かれ、込み入った案件への助力を請われる事も。