アブ(鳴潮)
あぶ
「 これから危ないって感じた時は、大人しく我の後ろに下がるといい。やる時はちゃんとやるからな 」
(cv. 井澤詩織)
『鳴潮』第一章・第六幕で描かれた北落野原での戦いにおいて、漂泊者の音痕から出現した音骸と推測される存在。初期に実装されていたストーリーの最終盤にて突然登場し、特に説明もなく消えてしまったために、第七幕が公開されるまで謎に満ちたキャラクターであった。
原語版では「阿布」、英語版では「Abby」と表記される。
ベージュの体毛を持つ身長30cmほどの子犬のような外見をしており、額と瞳には音痕が刻まれている。右眼はオレンジ、左眼は青のオッドアイ。自在に宙を舞い、大抵は漂泊者と視線が合う高さで浮いている。
一人称は「我」で人語を話し、妙に自信家で小生意気。
最上位クラスの残像・鳴式が放つ莫大な周波数エナジーでさえも吞み込んでしまう底無しの胃袋の持ち主で、常にお腹を空かせており、人間の食事もよく食べるグルメ。慢性的なエネルギー不足のためか普段は漂泊者の音痕で眠っており、目を覚ましてもあまり長いあいだ外に出ていられない。
本編序章において雲陵谷に現れた無冠者を吸収したものの正体であり、当時はまだ寝ぼけ半分だったのか、アブ本人の記憶も明確に姿を現した北落野原での“召喚”を起点としている。
華胥研究院での検査を経て「漂泊者を宿主とする音骸」に近い性質を持つ事が明らかになっており、漂泊者から離れた単独行動はできないらしい。音痕にいる間は熟睡しているため、漂泊者のプライバシーを脅かす心配はないとの事。
二人揃って記憶喪失であるにもかかわらず楽観的で、「自分は強いのだから漂泊者を守ってやらねば」というスタンス。
後にまみえた歳主・角からは、少なくとも漂泊者の意志によって二人の共存関係が始まったはず、と言及されている。
命名
当初は「ちびっ子」と呼ばれていたものの、自分にだけ名前が無いのはいやだと主張して命名を要求。注文の多さに「文句ばっかり… / 這也不行那也不行, 不不不的…(あれもダメ、これもダメ)」とぼやいた漂白者が「不」を本人の個性と捉え、同音異字の「布」を持ってきて即興で名付けたもの。アブ本人は覇気があって特別ですごく強い感じにアレンジしようとブツブツ言っていたものの、最終的にはシンプルさを認めて快諾した。