「男一匹グレンラガン」及び「男シリーズ」とは、天元突破グレンラガンで脚本を務めた中島かずき氏書き下ろしシナリオによるドラマCDにて語られる、現代日本を舞台としたグレンラガンの番外編エピソードである。
また、月刊ヒ-ローズにて2013年9月号~2017年7月号まで連載された「天元突破グレンラガン」シリーズは、このドラマCDを原作とした内容である為、共に本項にて解説する。
概要
このシリーズの初出はグレンラガンのDVD第5巻の限定特典として付属していた「男一匹グレンラガン」、その後も劇場版紅蓮篇限定版DVDに続編である「男どアホウ!グレンラガン」、同螺巌篇に最終回「男組だよ!グレンラガン」が付属。さらにコンプリートボックス版で、本シリーズの後日談である真の完結編「男の条件!グレンラガン」が同梱されている。
その内容は、原作アニメ版で圧倒的存在感を放っていた御存知みんなのアニキ「カミナ」が、現代日本を舞台にグレンラガンを駆り、ロージェノム率いるテッペリン財団を相手に大暴れするというもの。
グレンラガンの公式で初めての”カミナとニアが同じ時に存在している物語”であり、中島かずき氏曰くそれが裏テーマだったとか。
ハチャメチャながらもシリアスでストイックだった原作と比べてストーリー全体の空気は明るく・・・というかかなり軽くなっており、よりコメディ調が強く荒唐無稽さにさらに磨きがかかっている。
最早公式パロディと言ってもいいレベルでやらかし満載の本シリーズだが、驚くのはカミナ達が現代日本という舞台に違和感無しで馴染みまくってる事。
またパロディでありながらも、グレンラガンの作品コンセプトである『ロボットアニメの王道ど真ん中を突っ切る』スタンスは少しも揺らいでおらず、要所要所で本編さながらの熱いドラマを見せてくれる。
本シリーズの存在があってか、元々カミナがコテコテのバンカラスタイルなキャラだった事もあってか、数あるグレンラガンのコミカライズ作品の中にも学園が舞台になっているものがいくつかある。
中でも月刊ヒ-ローズにて連載された「天元突破グレンラガン」シリーズは、中島かずき氏直々の監修の元このドラマCDを下敷きにしており、pixivユーザーでもある漫画家"ののやまさき"氏が漫画執筆を担当。原作アニメ版を思い出させる独自展開や演出も加えられている。
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余談だが、原作では多元宇宙という平行世界観があり、
これは「宇宙とは曖昧さそのものであり、認識する事で初めて実体を持つ」という、グレンラガンの世界独自の量子宇宙論に基づく考え方だ。
意味が分からずボケ顔になっているそこの大グレン団員諸君にも分かるように言えば、
要は”思いつく可能性の数だけ平行宇宙が存在する”という事である。
グレンラガンのスピンオフ作品であるパラレルワークスシリーズ(通称グレパラ)も、この多元宇宙の設定を土台とした文字通りパラレルワールドを描いたものという裏設定がある。
とするならば、この男シリーズもまた単なる番外編やパロディではなく、
「多元宇宙のどこかで繰り広げられていた、もう一つのグレンラガンの物語」
だったのかもしれない・・・。
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あらすじ
現代日本の某県某市、大紅蓮学園高等部に通う高校2年生"神野神名〔カミナ〕"は、ひょんな事から亡き父の残したガンメン"グレン"を見つけ、同時に巨大企業"テッペリン財団"がガンメンによる日本の武力制圧を企んでいる事を知る。父の遺志を継ぎ日本の平和を守る事を決意した神名は、弟分の"堀田志門〔シモン〕"や幼馴染の"宇津和庸子〔ヨーコ〕"、実はテッペリン財団に対抗する為の秘密基地だった大紅蓮学園の理事長"ニア=テッペリン"達と共に、テッペリン財団の侵略に立ち向かう!
登場キャラクター
カミナ
ご存知みんなのアニキ。作中のフルネームは「神野 神名(カミノ カミナ)」
原作ではシモンや仲間達を気合と根性でリードし、その死後もなお大グレン団を支え続ける導き役として活躍したが、本シリーズでは主役に抜擢された。
西海一の大番長を志す大紅蓮学園高等部2年生。
原作と変わらず勢い任せで気が短く喧嘩っ早いが、裏表の無い正直者かつ一度信じた相手は何が何でも信じ抜く漢気溢れる性格ゆえ、学園の生徒達や近所の人々からも親しまれている愛すべき人垂らし。
原作では刺青だった上半身の模様がTシャツの柄に変わっている事を除けば、ほぼ何も変わっていない。
カミナ自身も知らなかったのだが、彼の父神野 丈(カミノ ジョー)はテッペリン財団で半人型ロボット"ガンメン"を研究開発していた技術者であり、財団の日本制圧プロジェクトに対抗する為に密かにグレンを開発していた。
シモン
原作では主人公を務めたカミナの弟分。
作中のフルネームは「堀田志門(ホッタ シモン)」
大紅蓮学園中等部2年生で営繕部部長。
原作同様若干気弱で振り回されやすいが芯は強く、真面目さと正義感の強さ、咄嗟の冷静さはカミナにも引けを取らない熱血漢。
テッペリン財団の侵略の事は既に知っており、カミナがグレンを見つけるまでは単身ラガンを駆って戦いに身を投じていた。
また営繕部とは、大紅蓮学園の校舎の修繕や管理を行う部であり、部員はシモンのみ。
その為テッペリン財団のガンメンが現れたり、校舎に偽装してある要塞ガンメン"ダイグレン"が出撃する度に壊れた校舎を一人で建て直しているという、本シリーズ髄一の苦労人である。
原作でカミナと一緒だった頃、すなわち第1部のシモンと比べると割と自発的で、カミナ相手にも
少し生意気な発言が出たり、ニアの事になると途端に熱くなる等、どちらかと言えば第2部のシモンがモチーフになっている模様。
彼の父(以下:堀田博士)もまた元テッペリン財団の技術者で、カミナの父(以下:神野博士)の助手でもあった。
ラガンも堀田博士が開発したものであり、グレンラガンは云わば神野博士との合作である。
ヨーコ
カミナの同級生で幼馴染。
作中のフルネームは「宇津和庸子(ウツワ ヨーコ)」
容姿端麗、才色兼備、文武両道、
趣味は部活の掛け持ちで、所属する部の全てで部長を務める等、
ツッコミ所が無いのがツッコミ所というレベルの超優等生。
エアライフル部に所属している為、原作でぶっ放していたあのライフルも完備。
その腕を買われ戦闘時にはダイグレンの砲手を務める。
ブラにホットパンツというトンデモファッションだった原作とは違い白いセーラー服に身を包んでおり、露出度は下がって・・・いるのかコレ???
こちらの世界でも相変わらず良識人ゆえツッコミ担当であり、やはりカミナに想いを寄せている為
顔真っ赤でツンデレ発言をする場面も(カワイイ)。
カミナと仲むつまじく幼馴染漫才をする様は微笑ましくもあり、原作を知っているとどこか感慨深いものがある・・・。
余談だが姿形こそ原作1~2部のヨーコとほぼ同じだが、実はこっそり年齢設定が変わっている可能性がある。
(原作:14歳=シモンと同い年 男シリーズ:カミナの幼馴染&同級生=17歳)
ニア
若干14歳の大紅蓮学園の理事長。
作中のフルネームは「ニア=テッペリン」
テッペリン財団の首領「ロージェノム=テッペリン」の娘でありながら、日本制圧プロジェクトに反対し財団から離反、対抗手段として、共に財団を裏切った神野博士と堀田博士にグレンラガンと要塞ガンメン"ダイグレン"を開発させた。
自由と平和を愛する心優しい性格で、原作同様浮世離れした空気感を持つ純粋天然ボケ系お嬢様。
その天然っぷりはカミナですら振り回される場面があるほど。
だが自分の意志を貫く強さも持ち合わせ、間違っていると思ったものにはたとえ父親だろうと毅然と立ち向かう。
ちなみに原作ではシモンの相棒だったブタモグラのブータは、本シリーズでは彼女のペットとして登場する。
ヴィラル
テッペリン財団のガンメン乗りであり、日本制圧プロジェクトゼネラルマネージャー。
作中のフルネームは「ヴィラル=サスーン」
サラサラのお洒落なダメージヘアをなびかせ、大紅蓮学園とグレンラガンを破壊せんと挑んで来てはやられる懲りないヤツ。
髪の長さから第3部のヴィラルがモチーフと思われ、苗字の元ネタは恐らくかの有名な化粧品会社ヴィ○ルサスーン。
原作でもカミナやシモンのライバルとして登場したものの彼らの成長に遅れをとり差が開いていく事に苦悩していたが、こちらの世界では何か妙に開き直っている感があり変な所で根性が座っている。
また歯の鋭さや腕の太さは原作そのままだが、こちらの世界では獣人ではなくれっきとした人間である。
乗機は原作でも愛機だったカスタムガンメン「エンキ」であるが、グレンラガンに負ける度に自己修復機能や無人機×100の同時制御といった魔改造をして再び現れる。
ロシウ
テッペリン財団の日本制圧プロジェクトリーダー。
作中のフルネームは「ロシウ=デコイ」
彼も原作第3部の大人になったロシウがモチーフとなっており、立ち位置もまさかの悪役ポジ。シモンのサポート役ではなくヴィラルの相方として登場し、大紅蓮学園を潰す為に暗躍する。
冷静沈着で頭もキレる悪の参謀・・・だった筈が、事あるごとにヴィラルにデコをイジられては発狂する為、不憫にも本シリーズ一のギャグ要員と化してしまっている。
ヴィ「そう落ち込むなよ、ロ シ ウゥ!」ノシ☆
ロ「慰 め な が ら デ コ を 叩 く な ぁ っ !!!!###」
ロージェノム
テッペリン財団の総帥であり、ニアの父親。
フルネーム「ロージェノム=テッペリン」
原作ではアンチスパイラルに挑むも敗れ、人類の滅亡を免れるために敢えて圧政を敷いて人間を弾圧していたが、こちらではそういった大義は無くただ圧倒的な力のみによる支配を企む純度100%の悪役。
クロニア
ロージェノムと共に日本制圧を目論むニアの双子の妹。
男シリーズオリジナルのキャラクターであり、外見こそニアとそっくりだが目つきや暗い言動から察するに中身は第3部の”メッセンジャーニア”である。