概要
舟浮梅とはアークナイツのファウスト×メフィストのBLカップリング略称およびタグである。
大陸版タイトル:明日方舟から<舟>
ファウストの中国語表記:浮士德から<浮>
メフィストの中国語表記:梅菲斯特から<梅>
アークナイツは大陸版(中国語)・日本版(日本語)・グローバル版(英語)など多言語で展開されており、大陸版が他とは先行して展開されているため中国語表記タグが先行して作成された。
緒言
彼らの名(=コードネームの類)、ファウストとメフィストはゲーテの戯曲「ファウスト博士」に登場する錬金術師ファウストと誘惑の悪魔メフィストフェレスが元ネタとなっている。
戯曲ではファウストの魂を得るために悪の道へ落とそうと誘惑の悪魔メフィストは彼の様々な欲望(=望み)を叶えるために傅くのだが……アークナイツの彼らの関係性は一見その真逆でメフィストの望みを何でも叶えたいと傍に傅いているのはファウストである……ように見えて、実はファウストの一番の望みを叶えていたのはやはりメフィストのほうであったことが後に判明する。
関連タグ
ネタバレ注意
メインストーリー5章・6章にて2人の関係が判明するため以下ネタバレ注意
本編
5章 戦闘後シナリオ
「避けろ!」
「ファウスト、ファウスト! きっ傷が! だ、ダメだ、ダメだよ……ファウスト!」
チェンの赤霄・抜刀の斬撃からメフィストを庇うファウスト。
この直前にファウストはメフィストの名誉の死の発言を聞き、動揺をみせている。
アーミヤにファウストから混乱と悲しみの心を感じると指摘されているのは、おそらくメフィストの発言を聞くまでは、ファウストは2人で生きていくことが自分達の目的だったと信じていたため、復讐の果てに死んでもいいというメフィストの本音と絶望の深さを知り動揺したと考えられる。その状態でもメフィストの死は避けたいがため、ファウストは自分の身を挺して彼を庇う行動をする。
メフィストもそれまで敵も味方も他人は残虐に扱っていたのが一転、ファウストが怪我をすると大きく狼狽し、素とその二面性を見せる。
その後6章で無事な仲間すらゾンビのような狂化寄生兵に変えてしまうメフィストの残虐性に、数多の犠牲の上に自分達だけ幸せになるという安住の地は築けないとファウストは望みを諦めてしまうが、それでもメフィストを守るために自分を犠牲にする。
5章 戦闘後シナリオ
「飛べ!引き寄せる!」
「……わかった。」
龍門近衛局屋上展望デッキの戦闘にてレユニオンはロドスと近衛局の合同隊に敗北し撤退。
その敗走する際にタルラの裏切りに困惑し逃げ遅れかけるメフィストに一刻も早く脱出を促すファウストがかける言葉。
状況的に崩壊する近衛局ビルの高い場所から下へ飛び降りろと声をかけているのだが、
大陸版では「跳!我会拉往住你!」「……好」、
グローバル版では 「Jump! I'll hold on to you! 」「……Fine.」となっているため、
あたかも着地後に抱き止めているかの様子に(ファウストがメフィストを抱えて逃げている状況)ネタにされがち。
6章
6-6 過去を語るな
あの約束を、彼は覚えている
6章6節のサブタイトルと概要欄の表記。
6章までのシナリオを読むと一見、約束を覚えている彼=ファウストのことだと思えるのだが
7章まで読むと、約束を覚えている彼=メフィストのことでもあると考えられるようになる。
※彼らが<約束>をしているところは実は2箇所ある。ヒントは6-7の
「明日も歌を聴かせてあげるから」
「これからはお前が本当にやりたいことをやるんだ」
「俺が手伝ってやるから。こんなことはしないでくれ」
「僕……歌を……歌いたい」
つまり、
ファウストは共に生きることを約束とし、
メフィストはファウストにまた歌を聴かせることを約束していた。
ニュアンスは少し違うが彼等はお互いのために生きていたことがわかる。
8章
M8-8にて歌う者・メフィストの独白からメフィストの<大切な人>=タルラであり、
一方ファウストは<全然しゃべらない人>扱いであることから、
ファウストが言葉少なくなってから(彼の特性から考えて<気持ちを隠してしまっていた>とも言える)二人の意識にはすれ違いが発生しており、後の別れの要因になったと考えられる。(ファウスト→2人で一緒に生きること、メフィスト→また歌えるようになり歌を友人に聞かせること)
サーシャとイーノは2人で飢えかけていたところをタルラに鉱山で発見され、レユニオンに保護された。暫くしてイーノはタルラに懐いたが、サーシャはタルラにやや反抗的な態度をとり続けており、なかなか心をゆるさなかった。(この時点でタルラに黒蛇が憑いていたことに本能的に気づいていた可能性もある)
メフィストの<大切な人>が恋心なのか、単純な憧れなのかは不明だが、6章でもメフィストとタルラが2人でいる様子をファウストは裏で見張っていたこともあり、もしかするとファウストはメフィストの彼女への好意に気づいておりタルラに焼き餅を焼いたり、ライバル視していたかもしれない。
そうすると本来は抵抗手段以外で他人を傷つけることを嫌っていたり、最初は弓を撃つのが下手であったファウストが幹部になるほどまでに強くなった並々ならぬ努力の理由がうかがい知れる。
また、メフィストが眠りにつくM8-8は強襲ステージクリアでインテリアのパネル「ファウスト」が入手できる。
サブタイトル<夢からの「覚醒」>は 大陸版では<苏醒 浮出梦乡>と表記されるため、さりげなくファウスト(浮士德)の浮の字が入る仕様となっている。
彼らの関係性と最期
過去受けた凄惨な虐待から感染者となり失った歌をもう一度歌いたいと望むも叶わず、やがて生きることに絶望しレユニオンの中で名誉の死を望んで復讐心に狂い始めたメフィスト。
大切なメフィストと2人で生きようと安心して暮らせる場所をみつけるために自らオリジニウム原石を飲み込んで感染者にまでなり、彼の望みを叶える為だけにレユニオン幹部になるほど強くなったファウスト。
龍門近衛局での戦闘でロドスに追い詰められてから初めてメフィストの絶望の深さに気づき
自分の望み(=メフィストに生きて欲しい、2人で生きていく)に彼を付き合せてしまったと
考えたファウストはそれでも自分はメフィストには生きていて欲しいと彼を逃がすために自らの命を捨ててしまう。
ファウストの理想の内容は具体的に語られることはなかったが、おそらくストリートチルドレンだった彼は家族を得る(=仲の良いメフィストと幸せに2人で暮らす)ことだったと推測される。
また、彼の迷彩アーツは自分自身は隠せず、他人を隠すことのみという特性からも、自己犠牲の精神やメフィストを理不尽な暴力から隠してやりたかった気持ちが窺える。
言葉数が少なくなった後、タルラに依存するようになったメフィストに対してずっと自分の本当の気持ちを隠していたのかもしれない。
メフィストも2人で生きていく約束した当時は虐待により心身が衰弱し、自らの選択はしたくない、できなくなっていた上に鉱石病による性格の変貌やもう一度歌うことへの諦めがあったとはいえ、ファウストを喪うと精神が死亡してしまう(※1)ほどなので、
2人で共に生きることはファウストの一方的な思いや相互依存というだけではなく、彼に再び歌を聴かせてあげることとして、彼にとっての大事な約束だったのかもしれない。
お互いにとって真に大事な友や家族ともいえる間柄であったと思われる。
※1
メインストーリー文中で何度もメフィストは死んだと語られているが、一応メフィストの体は死んではいない。
おそらく<メフィストの精神>はファウストと共に死んだが「イーノは生きている」という暗示とも考えられる。
余談
ファウストのボウガンを回収してくれたロドスのオペレーター、グレースロートがある意味で鎮魂を祈ってくれるグレートヒェンであるという見方もできる。メフィストの本名イーノ(中国語表記:伊诺)はギリシャ神話の白い女神/海の女神レウコテアーと同じ字で、彼女は発狂後子殺しのエピソードが有名であり、戯曲ファウストのヒロイン、グレートヒェンも発狂して子殺しをしており糸をつむぐグレートヒェンの唄からもメフィストとの共通項が暗示されている。
VIGILOイベント
グローバル版では2022年2月17日に実装されたオムニバスストーリー系イベント
「VIGILO -我が眼に映るまま-」ではシナリオは無いもののステージVI-5で再び
ファウスト&メフィストはBOSSを担当。メインステージ5‐10よりも強い連携を見せる。
なおこのステージでファウストとメフィストだけを残すとハート型の軌跡で去っていく。