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著作権非親告罪化

ちょさくけんひしんこくざいか

著作権非親告罪化とは著作権侵害の処罰を非親告罪とする動きである。
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始めに

この内容は現在進行形の内容であるため、記述内容が最新であるとは限らない。また、本記事は日本での法律について扱う。

概要

 現在の日本においては著作権侵害の処罰は基本的には親告罪、すなわち「被害者が告訴を行う事で初めて公訴する事が出来る」罪のことを指す。一方の非親告罪とは「被害者が告訴を行わずとも第三者の告発や警察の捜査により公訴することが出来る」罪のことを指す。
 よって現状では著作権の侵害を第三者、すなわち著作権者と権利侵害者以外の人物が発見したり、警察などの捜査機関が発見したりした場合であったとしても、被害者であるとされる作者出版社などが加害者を告訴しない限りは公訴される事は出来ず、刑事責任を問うことは出来ない
 これが非親告罪となった場合、逆に被害者が告訴する気が無くとも第三者や警察などは告訴により公訴提起を行う事が可能となる。
 これは「海賊版などを発見した際に早期摘発を行う事が可能となり著作権者の保護に繋がる」という意見もあるものの、「著作者等の意向を無視した刑事罰の実行が専横する」「ファンアートでさえ制限されpixiv等の創作サイトが丸ごとリアル作者は命知らず(夢の国チキンレース)状態になる」あるいは「警察による別件逮捕」などの可能性があるという否定的意見もある。
例外として引用における出所の不明示は非親告罪にあたる。

国外の状況

 現状の日本では著作権は親告罪であるが、他にはドイツオーストリアベトナムなどが親告罪を採用しているといわれ、大韓民国2006年まではすべて親告罪(一部は非親告罪となっている)であった。
 逆に言ってしまえば、外国においてはは著作権の刑事罰は非親告罪であることの方が多いものの、これは英米法の概念に親告罪というものが存在しないことが影響しているといわれ、また諸外国においては刑事罰となりうる著作権侵害の範囲が決定されており、商業的な面において違反した( 海賊版や無許可の二次創作出版など )のみにおいて刑事罰が適用される場合も多く、著作権侵害の刑事罰に制限をかけていない日本国の法律などとは異なるということもあげられる( この反例として中華人民共和国が存在するがお察しください )。

経緯

 平成19年に文化審議会( 文部科学省および文化庁管轄の審議会 )の著作権分科会に於いて「知的創造サイクルの推進方策(案)」においてこれが議題となった。この時は案の上では非親告罪化するとされたが、結局のところは影響が大であるためそのための検討を行うのが適当という結論に落ち着いた。
 その後、平成23年に日米経済調和対話に於いてアメリカ合衆国から著作権の非親告罪化が要求された他、TPPに於けるアメリカの要求内容にも著作権の非親告罪化( これは商業的規模の著作権侵害であった )が含まれており、争点の一つになっている。

二次創作等との関係

 pixivなどの創作系サイトもそうではあるが、インターネット上では著作物をモチーフとした創作物、二次創作三次創作と呼ばれるものは数多く存在する。これについては法律上はほとんどがアウトであるが、一部の公式公認を出している、あるいは一定の規約の元で許可を出している作品を除けば、著作権者が把握していない、あるいは告訴が面倒などという理由で黙認しているが現状である( 例:ダイナミックプロダクション関連、永井豪石川賢などの作品は二次創作は個人には許可を出さず禁止しており、発覚の場合は法的措置をとることが明言されている。参照:ダイナミック・グループ また、小学館は本気で他社雑誌の読者投稿欄にクレームをつけた経歴がある)。
 つまり作者に許可を取らない、あるいは許可を出さない作品等の二次創作等は現在の日本の法律では限りなくアウトに近いセーフではなく完全に違法状態( 実例 )であり、著作権者がNGを出せば間違いなくアウトになるという点である。
 しかしながら、これが非親告罪になった場合は、現状が違法であるため、第三者が告発、あるいは警察が告発を行うことになる。その場合二次創作の作者は刑事罰を受けることになる。
 なお、日本にはパロディを行う権利を保証する法律が無く( この権利は表現の自由に含まれるという意見がある )、また裁判所頭が固いため判例はそれを肯定するものは存在しない。
 さらにフェアユース、すなわち著作権侵害の主張に対する抗弁事由の一つであり、一定の基準を満たせば公正な利用として認められるという考え方もアメリカ等と異なり、これを認める判例も存在しない。
 これらを踏まえると、現状のまま著作権に対する違反を非親告化すると著作権者の許諾を受けないファンアートや二次創作はすべて刑事罰の対象となってしまう。
 これは言ってしまえば日本における二次創作という文化を衰退させる危険性を孕んでいる事を意味する。

二次創作の黙認

 作者側のこの状況の黙認の理由は一概には言えないものの、理由のひとつとしては「二次創作というものが一次創作物の知名度向上、延いては人気、売り上げ向上に貢献している」可能性のためと思われる。
 同時に二次創作によって生み出されている経済効果も決してバカには出来ない。そして何よりも、敷居の低い二次創作で腕を磨くことがクリエイターとして世に出る切っ掛けになり得る(例:出渕裕)という若手育成の意味合いが大きい。
 それを考えるならば非親告により厳しく罰せられてしまえば、創作の業界全体に打撃を与えかねないし、新たなクリエイター誕生の機会が削がれてしまう危険性もある。

別件逮捕

 また、他にも別件逮捕に用いられる危険性などが指摘される。すなわち「何かをやらかしている可能性のある人物」を軽微なこの罪状で逮捕、取調べの間に本命である犯罪の尋問等を行う、ということを行うことも可能となる。
 これも本来著作権の刑事罰の範囲が決定していないために発生する問題である。

関連タグ

法律 著作権 TPP 同人マーク
二次創作 ファンアート
赤松健 山田太郎

外部リンク

wikipedia:日本の著作権法における非親告罪化
ipfbiz:【TPP】著作権非親告罪化 現状の解説まとめと、諸外国と他法域の比較から検討

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