概要
魚鱗癬とは、国指定の難病。
魚の鱗のように皮膚の表面が硬くなり、剥がれ落ちる病気。
遺伝子異常による皮膚表面角質の形成障害が原因と考えられており、特にケラチン1や10の遺伝子異常に起因することが示唆されている。夏は特に体温調節が難しく、根本的な治療法はまだ見つかっていない。日本においては、厚生労働省の定める小児慢性特定疾病の対象に先天性魚鱗癬が含まれている。伝染性は全くないが、外見の印象が強い症状であるため、差別・偏見の問題がある。また、50%の確率で子供に遺伝するらしく、魚鱗癬の患者が結婚することはかなり珍しいとのこと。それほどまでに普通の人生を送るには社会的な高い壁が存在しているといえる。
種類も様々あり、水疱型と非水疱型、尋常性、伴性遺伝性尋常性、先天性、後天性、葉状、道化師様などがある。
水疱型と非水疱型は、国も小児慢性特定疾患研究事業に認定しており、18歳未満、治療継続の場合は20歳未満まで、医療費補助を受けることができた。その後、小児慢性特定疾病対策事業へと変遷し、皮膚疾患のカテゴリとして先天性魚鱗癬が全般的に含まれるようになった。令和元年(2019年)7月5日現在、治療助成の対象となる疾病の程度としては、「感染の治療で抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬等の投与が必要となる場合」と規定されている。