概要
「默读(默讀、黙読)」は中国の小説家・Priestによる犯罪サスペンスBL小説で、晋江文学城にて連載されていた。
2016年6月から2017年1月にかけて連載され、全話184章で本編180章と番外4章からなる。
ラジオドラマやドラマの他、アニメの制作が予定されている。
2023年8月1日からプレアデスプレスより『黙読 The Light in the Night』というタイトルで日本語版小説が連載開始。
あらすじ
急速な開発によって東西での経済格差が広がりつつある街・燕城市で、一人のアルバイト青年が殺害された。
駱聞舟は公安の同僚たちと捜査に乗り出すが、「犯罪」に天才的な才能を持つ知り合いである費渡が事件関係者と関りがあることがわかる。
二人は連続で起きる凶悪事件の捜査の中で、背後にある犯罪組織、警察の腐敗、また謎の人物『朗誦者』の正体に迫っていく。
※猟奇殺人や児童の性的搾取などの犯罪描写あり。
主役カップリング
骆闻舟×费渡(舟渡)
「俺はずっとお前のその目つきが忘れられなかった」
「目を合わせてずっと見つめるのは、普通キスしてほしいって意味だってあなたは知らないの?」
元々は同じ人物のことを好きだった恋敵カップル。
駱聞舟が新人の頃に担当した事件の際、遺族で当時中学生だった費渡と出会った。
反発し合っていた二人は事件の調査で共に危機を乗り越える中で、お互いがかけがえのない存在となっていく。
登場人物
- 费渡(費渡、フェイ・ドゥ)
金属フレームの眼鏡がトレードマークのプレイボーイ。
事故で植物状態になった父親に代わって費グループの経営を引き継いだ。
7年前に母親が自殺した事件の際に駱聞舟たちと知り合う。
兄のように慕っている陶然のことが好きで、同じように陶然を好きな駱聞舟をライバル視している。
- 骆闻舟(駱聞舟、ルオ・ウェンジョウ)
燕城市公安総局の刑偵隊隊長で、周囲からは「駱隊(隊長)」と呼ばれている。
口は悪いが面倒見の良い性格。
同性愛者で長年の友人である陶然に片思いをしている。費渡とは犬猿の仲。
一锅(一鍋、イーグオ)という名前の猫を飼っている。
刑偵隊
- 陶然(タオ・ラン)
刑偵隊副隊長で、駱聞舟の親友。
穏やかな人柄で、費渡が中学生の頃から弟のように気にかけている。
二人から想いを寄せられていることには気付いておらず、お見合いで再会した同級生といい雰囲気になる。
- 郎乔(郎喬、ラン・チャオ)
刑偵隊の女性メンバー。物怖じしない性格。
おしゃべりで食べることが好き。余計なことを言ってはよく駱聞舟を怒らせている。
- 肖海洋(シャオ・ハイヤン)
公安分局の新入りの青年。
真面目で調査に熱心だが、コミュニケーションが苦手で思い込みが強い面がある。
費渡の関係者
- 张东来(張東来、チャン・ドンライ)
資産家の息子。費渡の悪友で、公安総局局長の甥でもある。
燕城市で起きた殺人事件の容疑者となる。
- 白倩(バイ・チェン)
費渡のカウンセラー。
何年も費渡を担当しているが、全く本心が見えないと感じている。
- 苗(ミャオ)
費渡の秘書。
その他の警察関係者
- 張春久(チャン・チュンジョウ)
燕城市公安局(市局)の老局長。
- 陸有良(ルー・ユウリャン)
市局の副局長。
各事件の登場人物
「各巻の事件」の項目に記載。
各巻の事件
有名文学作品の登場人物がタイトルとなっており、各事件を象徴している。
一巻 于连(ジュリアン)
スタンダール作「赤と黒」より
あらすじ
アルバイト青年が殺害される事件が起きたが、燕城では重要な国際会議が開催中のため公安分局は隠ぺいを試みる。
しかし現場写真がインターネットに出回り、公安は対応を迫られることに。
登場人物
- 張婷:張東来の妹。
- 劉:張東来の代理人の弁護士。
- 趙浩昌:弁護士。張婷の彼氏。
- 王洪亮:花市公安分局(分局)の分局長。
- 黄敬廉:分局の刑事隊隊長。
- 何忠義:被害者の18歳の青年。
- 馬小偉:何忠義のルームメイトの青年。
- 馮年哥(?):何忠義が探していた人物。
- 王秀娟:何忠義の母親。
- 陳振:駱聞舟が接触した違法タクシーの運転手。
- 陳媛:陳振の双子の姉。
- 崔穎:陳媛の学生時代の友人。
- 呉雪春:娯楽施設・鴻福大観のキャスト。
二巻 亨伯特·亨伯特(ハンバート・ハンバート)
ナボコフ作「ロリータ(小説)」より
あらすじ
児童と引率の教師を乗せたバスがバスジャックされ、犯人の隙をついて助けを呼びに行った少女は失踪した。
少女の行方を探す中で、20数年前に起きた連続女児誘拐殺人事件との共通点が浮かび上がる。
登場人物
- 常寧:陶然の同級生で、お見合い相手の女性。
- 張雨晨(晨晨):常寧の従妹。
- 楊正鋒:駱聞舟らが師匠と呼んでいた刑事。故人。
- 呉広川:20年前の連続誘拐事件の容疑者。
- 菲菲:連続誘拐事件の被害者の少女。
- 郭恒:菲菲の父親で、呉広川を刺殺した。
- 蘇篠嵐:連続誘拐事件で唯一救助された被害者の少女。
- 許文超:呉広川の誘拐現場を目撃した少年。現在はフリーのカメラマン。
- 韓疆:ジャックされたバスの運転手。
- 胡玲玲:バスに乗っていた引率の教師。
- 曲桐:バスジャック事件後に行方不明になった女子児童。
- 蘇落盞:晨晨に話しかけてきた少女。
- 潘雲騰:費渡のカウンセラー・白倩の夫。
三巻 麦克白(マクベス)
シェイクスピア作「マクベス」より
華僑資産家が大型トラックに追突され、トラックの運転手もろとも死亡した。
交通事故に見えるが、費渡の友人でもある被害者の息子は父親は殺されたのだと主張していた。
四巻 韦尔霍文斯基(ヴェルホーヴェンスキー)
ドストエフスキー作「悪霊」より
有名進学校の男子生徒が、逃亡中の凶悪通り魔に惨殺された。
事件当時一緒にいた女子生徒は無事だったものの、何が起きたかを一切口にしようとはしなかった。
五巻 埃德蒙·唐泰斯(エドモン・ダンテス)
デュマ作「モンテクリスト伯」より
一連の事件を調べていく中で、凶悪犯罪、警察内部の疑惑、黒幕の存在、そして費渡の過去が交差する。
費渡と駱聞舟は『朗誦者』の正体に迫る。
原作小説、メディアミックス
小説
- 晋江文学城
- 默读广播剧完结番外
- 簡体字版書籍(百花洲文藝出版社)※限定番外あり
- 韓国語版電子書籍(만월(Fullmoon)出版)※現在は配信終了。
- タイ語版書籍(SENSE BOOK)が今後発売予定(2021年10月現在)
- 日本語版書籍(プレアデスプレス)が2023年8月から連載開始
ラジオドラマ
猫耳FMにて第五季まで配信。完結済み。
ドラマ
「光·渊 Justice in the dark」というタイトルで2023年2月から优酷で配信。第1話
ただし、一部の設定変更や大幅な登場人物名の改変がある。
8話まで配信された状態で更新されていなかったが、2023年7月に配信停止となった。优酷国際版ではまだ視聴可。
キャスト
- 裴溯(ペイ・スー):张新成
- 骆为昭(ルオ・ウェイジャオ):付辛博
アニメ
「默读者」というタイトルで制作中。予告編PV