Adobe Photoshop Elements(アドビ フォトショップエレメンツ)は、Adobe Systems社が開発・販売しているプロ・ハイエンド向けのAdobe Photoshop(アドビ・フォトショップ)を一般ユーザ向けとして作り直した廉価な製品である。イラスト制作でWindowsユーザーはSAIと併用することが多い。(SAIにはMacintosh版がないため、Painter Essentialsを使うか単体で使うことが多い)
概要
本製品の源流は、スキャナやペンタブレットに同梱されていたソフトウェアであるPhotoshop LE (Limited Edition)にさかのぼる。1999年11月にPhotoshop 5.0をベースとしたLEがパッケージ版[1]としては初めて登場した。
そして2001年、Photoshop LEシリーズをリニューアルする形で、Photoshop Elements (1.0)が登場した。 単なる機能限定版ではないという位置づけからLEに代わり、新たなシリーズ名を与えられたとされる。
バージョン2.0時代には、Windows版限定で撮影した写真を整理するためのソフトウェアであるAdobe Photoshop Album(アドビ・フォトショップ・アルバム)が登場し、Elementsとの連携を意識した設計がされていた。
バージョン3.0以降は、Photoshop Albumの機能が「写真整理モード」として統合された。ただし、アプリケーション上はAlbum時代からの流れで別のものとなっている。 また、Elementsシリーズのラインナップが拡充され、動画編集ソフトAdobe Premire Elements(アドビ・プレミア・エレメンツ)がシリーズ加わり、同梱パッケージが提供されるようになった(Windows版のみ)。
現在では、Premire Elementsと共に、1年おきにバージョンアップを重ねており、Photoshop CSシリーズの新機能を随時取り入れられるようになっている。
Photoshopと比較すると、主に「トーンカーブ」「マスク」「パス」などの機能が制限されているが、安価でPhotoshopエンジンを積んだ自動補正が出来る点などが好評である。イラスト等を作成する場合Web上での発表や紙に印刷するための用途に使用する場合は問題ないが、カラーデータ入稿に必須であるCMYKカラーに対応していないため、データ入稿の際には上位バージョンのPhotoshop CSシリーズあるいは他の画像描画用ソフトを別途用意する必要がある。また、1世代前のバージョンが各種のデジタルカメラやスキャナ、ペンタブレットなどの付属ソフトウェアとして同梱されている場合がある。
現在、写真整理モードは「Elements Organizer」(エレメンツ・オーガナイザー)という機能として搭載されている。Elements 8ではこの機能がWindows版のみに搭載されており、Mac版には搭載されておらず、代わりに同社のメディアデータ管理ソフト「Bridge CS4」(ブリッジ CS4)が同梱されていた。Elements 9 ではMac版にも搭載されている。