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「その声は、我が友、李徴子ではないか?」


概要編集

陳郡の観察御史であり、この作品の主人公であり、彼が再会した再会した旧友が語る半生と心境を袁傪が聞くという読者の視点に一番近い位置にいる人物でもある。

役人としての階級が高いのか部下を持てる地位にある一方で、それなりに詩を評価できる鋭い感性を持つ。


ある時勅命を奉じて嶺南に使いし、途中商於の宿に泊まるのだが、次の早朝まだ暗い中出発しようとしたら人喰い虎が出没するから白昼まで待つよう駅吏から忠告されるも他勢だからと退けて出発してしまう。


しかし彼らの前に虎が姿を表すもなぜか叢に引き返してしまった。そしてあぶなかったと人語で呟き、そしてその声は彼と同年に進士の第に登るも行方不明になった旧友李徴のものだった。

やはりこの虎は李徴の成れの果ての姿であった。再会した彼からなぜ行方不明になったのかを、そして彼の無念であった未発表に詩の数々を書き留めることを引き受けると共に、彼が吐露した深い悲しみを知る。


そして人の理性が再び消滅した姿を李徴から見せられ袁傪の元から姿を消すのであった…


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