ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

ciwsの編集履歴

2014-07-02 15:20:48 バージョン

ciws

しーうす

現実の艦艇などに装備される近接防空システム(Close in Weapon System の略)。 「CIWS」と大文字表記するのが正しい。

目標物に向かって自動で弾幕を張ってくれる便利な兵器である。

弾幕を張り続けるとあっという間に弾切れになってしまうので、適切な濃度で弾幕を張れるバースト射撃まで出来、射界制限機構により搭載されている艦に当たらないよう射撃を行なえるおりこうさんである。


概要

レーダー、発射装置、給弾装置などをあわせた兵器システムの総称を指す。

機関砲ミサイルなどを用いて、自動で敵の航空機やミサイルを迎撃する防御兵器。

艦隊防空、個艦防空をすり抜けた航空機及びミサイルに対する最後の砦である。実際の脅威としては、対艦ミサイルを主に想定する。


主な機種としては米軍の20mm6銃身ガトリング砲バルカンを転用したファランクスが有名だが、20ミリ砲の射程の短さや威力不足に対する懸念の声も多く、近年では25mmや35mm口径の機関砲によるCIWSが試作されたり(開発中止)、ボフォース57mm砲などの大口径の機関砲をCIGS(Close in Gun System の略)として採用するなどしている。


この他にも、米軍のA-10攻撃機にも搭載されている30mm7銃身ガトリング砲・アヴェンジャーを転用したオランダゴールキーパーや、ロシアのGSh-6-30 30mmガトリング砲を搭載したAK-630、ミサイル・機関砲を混載して遠近からの脅威に対応可能な3M87 コールチクなど、様々なタイプが存在する。


因みに弾丸はCIWSに備え付けであり、搭載弾数は意外と少なく、殆どの機種が10秒程度で全弾を撃ち尽くしてしまう。

そもそも余程の事が無い限りは弾幕を長時間張り続けた所で何も利点はないので、通常は数十発程度のバースト射撃を行う。


機関砲の射程は1.49km(ファランクスCIWS)、2km(ゴールキーパーCIWS)、4km(AK-630(GSh-6-30)、DARDO(ボフォース40mm機関砲))程度と短く、この兵器が動き出すような状況は個艦防御の最終局面であり、ミサイルはもう自艦の直前(着弾まで数秒)まで迫っている危険な状態である為、CIWSが10秒以上射撃する段階で、その艦の運命は既に絶望的と言える。

これらに対する懸念から、近年では機関砲よりも射程が長く複数の目標に対処可能な21連装短距離対空ミサイルRAM(Rolling Airframe Missile)がドイツとの共同で開発されている。(ファランクスCIWSの機関砲を11連装RAM発射機に取り替えたSeaRAMというものもある)


CIWSの起源

1967年、哨戒中のイスラエル駆逐艦エイラートがエジプトのミサイル艇が放ったP-15対艦ミサイルにより撃沈されたことを契機として、対艦ミサイルに対する対抗策の開発が行われた。

しかし、対抗策といっても電子妨害といったソフトキルばかりで、機関砲によるハードキルはアメリカ以外では開発されていなかった。

更に既存艦への対抗策の搭載は予算化されないなどの理由で殆ど行われていなかった。


フォークランド紛争にてアルゼンチン海軍シュペルエタンダール攻撃機によって放たれたエグゾセ空対艦ミサイルの直撃によるイギリス海軍42型駆逐艦シェフィールドの撃沈を教訓に各国で開発・配備が本格化した。


余談ながら、通常爆弾による側面からの爆撃では薄い装甲の船殻に命中しても、爆発前に貫通する事が多く、逆にダメージが少なかった。


シェフィールドはアルミ製船殻であった故に被害が拡大したと言われているが、実際は鉄製であり、直撃したものの弾頭は不発であったエグゾセのロケットエンジンのブラストや調理用油への引火により艦内で火災が発生、ミサイルの直撃や火災によってダメージコントロールが不可能になった為に消火活動も上手くいかず、結果として上部構造物の多くが焼失するに至った。(十分に形状が残っており、消失といえるほどの損害ではなかった)


アルミ製構造物を一部に採用していたのは、同紛争で撃沈された21型フリゲートF170アンテロープであり、こちらは2発の1,000ポンド爆弾を被弾、不発だったものの乗員退避後に行われた処理中に信管除去失敗により爆弾は爆発し大破、沈没した。


アルミ製構造物が燃え落ちたという話の元はアメリカ海軍のベルナップ級ミサイル巡洋艦ベルナップ及びイギリス海軍の21型フリゲートF169HMSアマゾンと思われる。

ベルナップは1975年11月22日に空母ジョン・F・ケネディと衝突して火災が発生、弾薬類は回収されたために轟沈こそ無かったものの、上部構造物が燃え尽きてしまった。

HMSアマゾンは1977年に火災の際にアルミ製梯子が熱で溶解している。


近年では、2000年に起きた米海軍の駆逐艦コールに対するボートでの自爆攻撃のような既存の水上レーダーやCIWSでは対応しきれない事態が生じた事もあり、小型の水上目標への対応能力の追加と共にブローニングM2重機関銃などを使用した目視と人力による近接防御が再び行われるようになった。


Counter-RAM

C-RAM、Counter-Rocket, Artillery and-Mortar。

アメリカ陸軍が開発中のゲリラ等からの基地に対する攻撃がRAM(ロケット弾砲弾迫撃砲弾)である場合、自動で空中迎撃を行う兵器システム。

陸上版CIWSとも言える。

暫定的なLPWS(Land-based Phalanx Weapon System)としてファランクスを流用した地上車両搭載型がノースロップ・グラマン社との共同で開発されている。

流れ弾での地上への被害を減らす為に使用される20mm弾は自爆機能が搭載された弾体が採用された。


他にブッシュマスターIII 50mm機関砲を搭載したEAPS、エリコン35mmスカイシールド対空機関砲システムを流用したMANTIS(Modular, Automatic and Network capable Targeting and Interception System)(後に地対空ミサイルLFK NGも使用する予定)、ミサイルを搭載したイスラエルのアイアンドーム、スウェーデンのアブラハムなどがある。


関連タグ

兵器 軍艦 機関砲 ガトリング砲 ミサイル

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました