概要
8号氏の描く『艦隊これくしょん』二次創作漫画の主人公である吹雪。
作中の艦娘は訓練学校の教育課程を経て任ぜられ同一の艦娘も複数存在するという設定で、各個に本名もあり基本的に元は普通の人間のようである。この吹雪は本名「上坂レンゲ」で実家に弟がおり、親友に同期の白雪がいる。
訓練学校を卒業した直後、何故か荒くれ者ばかりで構成された軍の汚れ仕事(変態提督の捕縛)を一手に引き受ける特殊な艦隊に配属されてしまった吹雪。
そこにいる『テンションの低いジャージ姿の金剛(27歳)』『ホストで多額の借金を作った龍驤(27歳)』『変な宗教に入って軍の予算を横領した扶桑』『提督の執務室を爆撃して多数の負傷者を出した瑞鶴』という荒くれ者と言うよりダメ人間な艦娘達(後に脳筋な長門が追加)に加え、長門以上の戦闘力を持つ提督クロノキという凄まじいメンバーに振り回され、苦労人の常識人という立場を確立していった。
そして、多くの読者も彼女がそうであると信じて疑わなかった。だが・・・
そんな事は無かった
彼女もまた一癖も二癖もある艦娘であった。
訓練学校時代、この吹雪は保健委員をしていたという。そして、同期の暁が腕を擦りむいた際に治療を依頼した所、早速吹雪は傷口を水道で洗浄し始めた。
ただし、蛇口の勢い全開で
当然、痛がる暁だったがさらに吹雪は物凄く染みる消毒液をどれだけ染みるかについて淡々と説明しながら笑顔で塗り込んだのである。
その他にも、読んでいる本の題が『世界の拷問』『人間の皮』と何やら穏やかでなかったり、怪獣映画の見所に「逃げ惑う民衆の姿」を挙げるなど、日常の中でも彼女の特異さが見て取れる。
ついに本性を現す吹雪
そして、ついにスク水を着て小学校を徘徊した提督の捕縛作戦にて、本性を現した。
件の提督宿 瑞夫(すく みずお)が使うスク水拳法に苦戦し艤装の大半を破壊されてしまうが、なんと彼の部下である卯月を人質に使って逆転してしまった。
提督曰く「あいつには善のタガが無いから手段を選ばずに行動できる」とのことである。
これ以後作者も彼女の邪悪さを隠さなくなり、キャプションで「最初から悪だ」と断言したり、子供の頃の夢は世界制服、趣味は拷問器具等の収集など剣呑な設定が明かされるようになる。
また、扶桑が信仰している邪神(ただし人間に対して害ある存在ではない)からも、「邪悪な魂の持ち主」と認定されている。
「現在に現れた邪悪の化身FUBUKI」とも呼ばれた。
尤も、本性が露になって以降も(同僚のダメさやブッとび過ぎた任務対象の鎮守府に関しての)常識人枠、ツッコミ役という立ち位置は基本的に変わらないあたりがこの艦隊の恐ろしいところである。
パワーアップする吹雪
そして、前述の宿 瑞夫戦で破損した艤装を新造し吹雪改黒へと改装された。
その姿はセーラー服が上下黒に変わり、手持ちの主砲は見た所なんと本来軽巡の武装である14cm単装砲で、他にも禍々しいデザインの剣やミサイルポッドなどを装備している。さらに黒いオーラを発しており夕立改二に匹敵、むしろそれ以上の威圧感と禍々しさを放っている。また、後に口のついた尻尾が生えている事が明らかとなった。戦闘力は700吹雪。
こうなったのは彼女の性質が普通の吹雪と異なるため通常の吹雪改の艤装を彼女につけても機能不全を起こしてしまうからである。研究機関曰く「スカルがデフォ、メタルに進化しても肌の色が青いやつで勇気の紋章を背負わない感じ」との事である。
しかも、なにやら改二に相当すると思われるマガツフブキなる形態も存在するようである。
彼女の適正
前述の通り、この世界の艦娘達は元人間であるが、艦種については適正で決まる。
だがこの吹雪の場合、本来適正が最も高かったのは戦艦なのだが、艦娘用のデータベースにその艦が存在しなかったので、二番目に適正の高かった駆逐艦吹雪となった。
この戦艦の正体については、彼女はメイン画像で着ているフード付きの黒いコートがお気に入りであること、そして改黒になってから口のついた尻尾が生えた事、さらに『作中に出てきた深海棲艦は全て他から流れてきたもので、この世界の深海棲艦に相当する人間は普通の人間だったり艦娘やってたりしている』と言及されていた事などから読者からは某超弩級重雷装航空巡洋戦艦ではないかと言われている。なお幼少期のあだ名は本名にちなんで「レっちゃん」だったという。
ちなみに尻尾は作者いわく「連装砲ちゃんあたりと同じ感じらしい」とのことで、自我を持っているような描写がある。吹雪は「悪魔ちゃん(仮)」と名付けた。
余談
作中において「邪悪な吹雪」というフレーズは劇中劇のノンフィクション特撮番組『カンコライダー駆逐艦』(ライダーを駆逐艦娘に置き換えた『仮面ライダー龍騎』のパロディ)内においてのみ登場する。
本来は生き残り形式の模擬戦「駆逐艦バトル」で優勝者の願いが叶えられるというゲーム感覚のゆるい企画だったが、参加者の本気とイレギュラーの介入でガチの戦争と化してしまっている。
参加者の1人で予知能力者の子日は「邪悪な吹雪が参加者を滅ぼす」という未来を見るが、参加者の吹雪(本編の吹雪とは同期だが訓練校が違い面識も無い)はその予知に反して真面目で優しい性格であり彼女らは戸惑う。
その一方で同期の駆逐艦娘を唆して駆逐艦バトルに乱入させたり、既に参加しているところを挑発し暴走させている「別の吹雪」の存在も示され、読者からはその正体を既に邪悪さの片鱗を覗かせていた本編の吹雪と目されていた。
そして、本編での本性発露と改造を経て投稿された(設定上の)番組32話にて、参加者の1人を闇討ちして資格を奪い、様々な暗躍の末に本格的に表に出てくる様子が描かれた。
長らく本編の彼女がそういった行動を取っている描写『だけ』は無かったが、本名や弟が初登場したエピソードの解説にて明確に同一人物とされた。