概要
『宇宙戦艦ヤマト』に登場するガミラス帝国が有する主力艦艇で、その存在はポピュラーなタイプであると言える。劇中の多くでは、この駆逐型デストロイヤー艦が登場しているため、ガミラス軍の代表的な戦闘艦とも言えるだろう。
独特なフォルムをしており、鮫と爬虫類を意識したようなもので、まさに異星人が乗る戦闘艦らしいデザインである。特に目玉の様な部分が特徴的な印象で、これは後のガミラス艦艇に通じる部分でもある(全部が全部ではないが)。
オリジナルでの種別としては駆逐艦であるが、駆逐艦とは思えぬ重武装振りが目立つ。また、地球の沖田艦等の旧式戦闘艦では全く歯が立たない程の性能を有している。機動力もあり、巧みな艦隊運動を展開する事も出来る。
幅の広い活用範囲とともに、運用期間も長い艦艇であり、艦隊の護衛・哨戒・威力偵察など様々な任務をこなすことが出来る。さらにガミラス滅亡後からガルマン・ガミラス帝国建国後も運用されている、まさにベストセラーとも言うべき名艦であろう。
リメイク版『宇宙戦艦ヤマト2199』では、デストリア級として艦級を与えられたと同時に重巡洋艦として再登場している。重厚感が増しており、全長も270mクラスと戦艦の域に入る大きさになった。この事から地球では戦艦として分類されている。艦隊の主力艦艇として配備されており、小規模クラスの部隊では旗艦として配備されることもある様子(木星の浮遊大陸基地の部隊が例)。
宇宙戦艦ヤマト
駆逐型デストロイヤー艦
- 全長、150m(又は72m)
- 全幅、70.2m
- 基準排水量、22,000t級
- 主機、1基
- 武装
・大型ビーム砲×2門(若しくは無しか?)
・三連装ビーム砲塔×5基(甲板部に3基、艦底部に2基)
・三連装ビーム砲郭×4基(両舷側部に2基づつ)
・小型魚雷発射管×4門(両翼に2門づつ)
・五連装エネルギー機関砲×2基
性能
ガミラス帝国の主力艦艇として長い期間を運用されている艦艇。駆逐艦に分類される物の、その武装と機動性の高さから、非常に使いやすい戦闘艦として評価されている模様。総合的に見るに駆逐型デストロイヤー艦は機動力と火力重視と見られる。
攻撃性能において、本艦は駆逐艦とは思えぬ武装を誇る。ビーム兵装中心であり、砲門数に加算すると27門という重武装。地球の艦艇(旧防衛軍艦艇)を一撃で葬り去ることも簡単である。
防御性能において、地球艦艇に対しては大いに有効だったが、同等のレベルを有する相手国の戦闘艦に対しては高い性能と言えない。さらにブラックタイガーの機銃掃射で撃沈されるケースもまれにあった。後のシリーズでは大半が一撃で粉砕されるケースが殆どで、特に暗黒星団帝国との戦闘では貫通され轟沈する場面も多い。
航行性能において、駆逐艦としての高い機動力を有している。冥王星海戦でも、一列になって渦を巻くような見事な艦隊運動を展開していることが分かっている。
経歴
対地球
地球侵攻では地球艦隊に対して、強大な力の差を見せつけて活躍した。中にはユキカゼの魚雷で撃沈される艦艇も少なからず存在したが、それでも性能の差は埋めがたいものがあったと言える。とはいえヤマトの出現によって、優位な性能とは言い難くなり、ブラックタイガーに撃沈されるケースも出てきた。
ガミラス帝国滅亡後も、残存艦隊の主力として集結。デスラーと共にヤマトへの復讐戦に参加した。もっとも瞬間物質移送機による奇襲攻撃が中心だったために、それほど活躍してたわけでもない。殆どは身動きできない状態のヤマトを袋叩きにしただけであった。
対暗黒星団帝国
母国ガミラス星を荒らしていた暗黒星団帝国の採掘艦隊(第1艦隊)相手に奮闘。最初は奇襲攻撃で大打撃を上げており、その後の乱戦でも多くの暗黒星団帝国艦を撃沈している(反撃されて沈む艦もいたが)。
今度は後背から攻撃されて奇襲を受けてしまい、多数の撃沈艦を出してしまった。この展開においては、寧ろ指揮していたデスラー総統が防御戦闘に脆かったのが原因でもある。機動力と火力重視だったガミラス艦隊が、一転して防御側に回った途端に壊滅へと転がり落ちた。
イスカンダル防衛の為とはいえ、機動性を失った本級はイスカンダルに着水する頃には、10隻あるかないかの惨状だった。しかも着水したことで機動性はさらに落ち、暗黒星団帝国の艦載機部隊の空襲もあって数を減らしてしまい、最後はプレアデスの直接砲撃で轟沈、全滅した。
対ボラー連邦
再び残存ガミラス艦隊を構成していた。ボラー連邦を相手に奮戦した模様(明確な艦隊戦闘は無し)。建国後も使用が続いていた様子だが、流石に旧式化を考えていたのか、新型の駆逐艦を導入して最前線を退いている。
主に母国防衛部隊として配備されているようで、ボラー連邦のワープミサイル攻撃を阻止するために出撃。数隻の撃沈艦を出しつつも防衛の為に全力を尽くして戦い抜いた。
宇宙戦艦ヤマト2199
デストリア級航宙重巡洋艦(二等航宙装甲艦)
全長、270m
全幅、63m
全高、68m
主機、ゲシュタム・ドライブ×1基
武装
・330㎜三連装陽電子ビーム砲塔×4基(艦上3基、艦底1基)
・280㎜三連装陽電子カノン砲×4基(両舷)
・魚雷発射管×4門(艦首下面)
性能
ガミラス帝国の重巡洋艦であり、分類上は二等航宙装甲艦と呼ばれている。地球からは戦艦として分類されるほどの規模で、その攻撃力は地球艦隊にとっても恐るべきものであろう。
攻撃性能において、本艦はオリジナル版よりも1基減って8基のビーム砲塔を有しているが、重巡クラスにしてはやはり重武装である事には変わりはない。一撃で地球の村雨型宇宙巡洋艦や磯風型宇宙突撃駆逐艦を撃破できるだけの火力を誇っている。
防御性能において、国連宇宙海軍の地球艦艇には有効的だったが、ヤマトに対しては貧弱な防御になってしまった感がある。とはいえ、口径が48㎝と凶悪的な大きさなので、受け止められるとも思えない。また、味方艦の砲撃による誤射でもあっさり沈んでいる事が多い。
航行性能において、重巡クラスといえども高度な機動性能を有している。
経歴
ガミラス航宙艦隊の主力として活躍している。冥王星海戦では7隻登場し、国連宇宙海軍最後の第1艦隊に対してに猛威を振るい、壊滅に追いやった。はたまた小マゼランでも、ガトランティス帝国相手に機動性を生かした戦闘で奮戦し、撃退するのに一躍買っている。
だが、ヤマトが登場してからと言うもの、ビーム兵器が通じにくくなり、さらには凶悪極まるショックカノンの応酬によって一撃で撃破される艦が続出している。特に木星の補給基地にて遭遇した際には、侮っていたこともあって艦が真っ二つにされてしまった。
その後のカレル163海戦でも、艦首のど真ん中に付きたてられたり大きく抉られたりと、その威力の違いをまざまざと見せつけられている。とはいえ、巡洋艦対戦艦との戦いである。これで真っ当に撃ちあえと言うのが無理であろう。
親衛隊の艦隊にも多数配備されていた。ガミラス帝星を防衛するうえでヤマトを追撃、都市上空で砲撃戦を行うという暴挙に出た。しかし勢い止まらぬヤマトに対して、進路先に回り込み自らが壁になると言う行為に出たものの、某海賊船のような体当たり攻撃によって撃破されている。
カラーリング
デストリヤ級こと、オリジナル版デストロイヤー艦はモスグリーン系統の配色が一般的であるが、制作当時において迷彩柄も検討されていたという。しかし作画作業の手間暇のかかる理由等で廃止された模様。
それを2199においては、発達したアニメーション技術により、迷彩柄のデストリヤ級を登場させる事に成功している。また、親衛隊バージョンとして、青色のカラーリングをしたデストリヤ級が出てきているのも、リメイク版の特徴の一つと言えるだろう。
ゲーム版
デスガーター
携帯ゲーム機ワンダースワンで発売されているが、その中にはデスガーターと呼ばれる艦艇が存在する。これはデストロイヤー艦を強化したような戦闘艦で、塗装は青色になっている。恐らくは親衛隊に所属しているのではと推察できるが、詳しい事は不明である。