概要
『宇宙戦艦ヤマト』に登場するガミラス帝国が有する主力艦艇で、その存在はポピュラーなタイプであると言える。劇中の多くでは、この駆逐型デストロイヤー艦が登場しているため、ガミラス軍の代表的な戦闘艦とも言えるだろう。
独特なフォルムをしており、鮫と爬虫類を意識したようなもので、まさに異星人が乗る戦闘艦らしいデザインである。特に目玉の様な部分が特徴的な印象で、これは後のガミラス艦艇に通じる部分でもある(全部が全部ではないが)。
オリジナルでの種別としては駆逐艦であるが、全長180mの巡洋艦という記述もみられた。どちらにしても艦の規模に見合わぬ重武装振りが目立つ。また、地球の沖田艦等の旧式戦闘艦では全く歯が立たない程の性能を有している。機動力もあり、巧みな艦隊運動を展開する事も出来る。
幅の広い活用範囲とともに、運用期間も長い艦艇であり、艦隊の護衛・哨戒・威力偵察など様々な任務をこなすことが出来る。さらにガミラス滅亡後からガルマン・ガミラス帝国建国後も運用されている、まさにベストセラーとも言うべき名艦であろう。
リメイク版は『デストリア級航宙重巡洋艦』を参照の事。
スペック
駆逐型デストロイヤー艦
- 全長、150m(又は72mあるいは180m)
- 全幅、70.2m
- 基準排水量、22,000t級
- 主機、1基
- 武装
- 大型ビーム砲×2門(又は大型魚雷発射管若しくは無しか?)
- 三連装ビーム砲塔×5基(甲板部に3基、艦底部に2基)
- 三連装ビーム砲郭×4基(両舷側部に2基づつ)
- 小型魚雷発射管×4門(両翼に2門づつ)
- 五連装エネルギー機関砲×2基
性能
ガミラス帝国の主力艦艇として長い期間を運用されている艦艇。駆逐艦あるいは巡洋艦に分類される物の、その武装と機動性の高さから、非常に使いやすい戦闘艦として評価されている模様。総合的に見るに駆逐型デストロイヤー艦は機動力と火力重視と見られる。
攻撃性能において、本艦はその規模に対して過剰思えるほどの武装を誇る。ビーム兵装中心であり、砲門数に加算すると27門という重武装。地球の艦艇(旧防衛軍艦艇)を一撃で葬り去ることも簡単である。
防御性能において、地球艦艇に対しては大いに有効だったが、同等のレベルを有する相手国の戦闘艦に対しては高い性能と言えない。さらにブラックタイガーの機銃掃射で撃沈されるケースもまれにあった。後のシリーズでは大半が一撃で粉砕されるケースが殆どで、特に暗黒星団帝国との戦闘では貫通され轟沈する場面も多い。
航行性能において、外洋型宇宙戦闘艦としての高い航洋性(あるいは航宙性)と機動力を有している。冥王星海戦でも、一列になって渦を巻くような見事な艦隊運動を展開していることが分かっている。
経歴
対地球
地球侵攻では地球艦隊に対して、強大な力の差を見せつけて活躍した。中にはユキカゼの魚雷で撃沈される艦艇も少なからず存在したが、それでも性能の差は埋めがたいものがあったと言える。とはいえヤマトの出現によって、優位な性能とは言い難くなり、ブラックタイガーに撃沈されるケースも出てきた。
ガミラス帝国滅亡後も、残存艦隊の主力として集結。デスラーと共にヤマトへの復讐戦に参加した。もっとも瞬間物質移送機による奇襲攻撃が中心だったために、それほど活躍してたわけでもない。殆どは身動きできない状態のヤマトを袋叩きにしただけであった。
対暗黒星団帝国
母国ガミラス星を荒らしていた暗黒星団帝国の採掘艦隊(第1艦隊)相手に奮闘。最初は奇襲攻撃で大打撃を上げており、その後の乱戦でも多くの暗黒星団帝国艦を撃沈している(反撃されて沈む艦もいたが)。
今度は後背から攻撃されて奇襲を受けてしまい、多数の撃沈艦を出してしまった。この展開においては、寧ろ指揮していたデスラー総統が防御戦闘に脆かったのが原因でもある。機動力と火力重視だったガミラス艦隊が、一転して防御側に回った途端に壊滅へと転がり落ちた。
イスカンダル防衛の為とはいえ、機動性を失った本級はイスカンダルに着水する頃には、10隻あるかないかの惨状だった。しかも着水したことで機動性はさらに落ち、暗黒星団帝国の艦載機部隊の空襲もあって数を減らしてしまい、最後はプレアデスの直接砲撃で轟沈、全滅した。
対ボラー連邦
再び残存ガミラス艦隊を構成していた。ボラー連邦を相手に奮戦した模様(明確な艦隊戦闘は無し)。建国後も使用が続いていた様子だが、流石に旧式化を考えていたのか、新型の駆逐艦を導入して最前線を退いている。
主に母国防衛部隊として配備されているようで、ボラー連邦のワープミサイル攻撃を阻止するために出撃。数隻の撃沈艦を出しつつも防衛の為に全力を尽くして戦い抜いた。
ゲーム版
デストロイヤー
デストロイヤー級巡洋艦(PS版『遥かなる星イスカンダル』)、駆逐巡洋艦(PS版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち)、D型デストロイヤーあるいは駆逐巡洋デストロイヤー級(PS2版『イスカンダルの追憶』と作品ごとに呼称が異なる。主砲がヤマトの副砲級の中口径砲であることは共通している。武装は作品を追うごとに主砲2基に始まって、主砲1基と上方迎撃ミサイルが追加、最終的には主砲が更に2基追加されている。
ハーゲル
PS2版『イスカンダルの追憶』にて登場する、ゲームオリジナルのガミラス艦艇。この艦は、マイクロブラックホールを作る為に超質量を捕獲する専用艦艇である。
その姿形は、駆逐型デストロイヤー艦を横に2隻繋げた様な双胴型艦艇で、その上面中央には元の艦橋は無く質量物質を鹵獲する為の大きな穴が開いている。ただし、元の艦橋が無い代わりに、櫓のような(三脚式のような)小さな骨組みに艦橋が乗っている。武装は連装ビーム砲塔を舷側に2基づつ8門備えている。
ゲーム中では縮退作業の為に途中参加する艦艇ではあるが、その後の任務でも参加可能。単なる補助艦艇とは言い難く、意外と高い防御装甲とそこそこの火力がある為、意外にも艦隊戦力の一員として活躍できる艦である。ただし、ミサイル兵装や対空兵装等は一切ないため、本当の砲艦扱いではあるが。
デスガーター
携帯ゲーム機ワンダースワンで発売されているが、その中にはデスガーターと呼ばれる艦艇が存在する。これはデストロイヤー艦を強化したような戦闘艦で、塗装は青色になっている。恐らくは親衛隊に所属しているのではと推察できるが、詳しい事は不明である。