CV:大川透
人物像
火星の独立国家「ヴァース帝国」に属する火星騎士の一人。爵位は伯爵。
「揚陸城」を有する事が出来る37家門の内の一人であり、専用のカタフラクト「ディオスクリア」を保有する。
同じ伯爵位のクルーテオとは友人の間柄にあり、また15年前の戦争の際、先兵として地球へ降下するも「ヘブンズ・フォール」の影響により孤立し、火星への帰還も叶わぬ状況の中でスレインの父親であるトロイヤード博士に助けられた過去を持つ。
地球との積極的な戦争を望む「強硬派」の筆頭であり、アセイラム・ヴァース・アリューシア暗殺事件の首謀者。
15年の沈黙を破り世界を戦争に追い立てた黒幕であり、目的の為には皇族や友人すらも利用し躊躇いも無く手にかける非情さを持つ。
界塚伊奈帆と同じく頭の回転が早く策士・策略家としての才覚に富み、少ない情報から明確に答えを導き出し行動に反映させる。
自らが黒幕であると悟らせないよう行動する慎重さを見せる一方で、敵である相手に自らの胸中を語り、その上で敵対するか否かを試す器量の大きさも持ち合わせている。
一方で、恩人の息子であるスレインに対しては、憎悪の対象たる皇族であるアセイラムに忠義を尽くす「敵」ではあるが、その忠義の深さから相応の敬意を評している。
戦争を望む強硬派にありながらも、祖国を率いる皇族に対する憎悪を胸中に抱えており、特に前皇帝ギルゼリアが地球との戦争に情勢を傾けた事、それによって引き起こされたヘブンズ・フォールで婚約者であるオルレイン子爵を喪った事が、強硬派で知られる彼を形作る要因となっている。
彼がアセイラム暗殺を銃爪に戦争を引き起こしたのも、地球を自らの領土としてその経済力を背景にアルドノアに依存した封建社会の打破を目論んでの事であり、志を同じくする人間を密偵として他の火星騎士の揚陸城に潜り込ませ(トリルランらも彼の息の掛かった人間である)、自らは黒幕として裏方に徹して彼らを利用して自らの目的を遂行した。
その影響力はヴァース帝国の重要施設たる月面基地を掌握している程であり、本国との連絡手段が限られる中、水面下で自らの計画を実現するべく15年の歳月をかけて根回しを続けてきた事が伺える。
一方、トロイヤード博士への恩義に報いる為、アセイラム生存を知ったスレインがクルーテオによって処刑されようとしてていた所を助け出し、自らの胸中を語り敵となるか味方となるかを本人の意思に委ね、解放。その後自らの居城をアセイラムの居るロシア基地へと突入させ、自ら先陣を切って基地を蹂躙するが、その最中アセイラムが自ら戦地に赴き、ザーツバルム城のアルドノアを停止させる企てを知り、それを阻止する為にアセイラムの命を狙うが、スレイプニールを駆る界塚伊奈帆によってディオスクリアの欠点を突かれ、またアセイラムによって揚陸城のアルドノアドライブを止められた事によって敗北。
それでもその場に居合わせたアセイラムに重症を負わせ、目的の一端を果たすことが出来たが、直後に激昂したスレインによる銃弾を受け、重症を追う。
その後、重症を負ったアセイラムを生かす為にヴァースに就く決意を固めたスレインから取引を持ち掛けられ、それに応じたことで生還を果たし、スレインを火星騎士に取り立てると共にアセイラムの腹違いの妹レムリナ・ヴァース・エンヴァースをアセイラムの影武者として利用し、戦争を継続させる。
火星騎士となったスレインに対して篤い信頼を置いており、いつ命を落とすやもしれない戦場に於いて、彼を養子として引き取る事で自らの後継者とした。
そして、再建造されたディオスクリアⅡに乗り再び戦場に立ち再度伊奈帆達の前に立ちふさがるが、戦争を引き起こしアセイラムの夢を挫いたザーツバルムをスレインが許す筈も無く、彼の仕掛けた罠によって弾丸の雨に晒され、スレインに「父」と呼ばれた事に笑みをこぼしながら彼の攻撃を甘んじて受け入れ、機体と運命を共にした。