強くてニューゲームとは、公式チートの一つである。
概要
ゲーム進行途中(ほとんどの場合はクリア時点)のセーブデータの一部を引き継いで、最初からゲームをやり直すシステム。引き継ぎデータは所持金やアイテム、レベルなどがある。
これによりRPGの進行がかなり楽になり、演出やシナリオにより集中することが出来る。
「強くてニューゲーム」という名前がクロノトリガーのものであることから、一般に「最初にこのシステムを導入したゲームはクロノトリガー(1995年発売)」と思われがちである。
しかし、クロノトリガー以前のゲームにも「強くてニューゲーム」と同様のシステムを搭載したゲームは存在している(下記参照)。
「強くてニューゲームという名前で選択機能を持たせた最初のゲーム」という点で言えば、原点は確かにクロノトリガーで間違いない。
このシステムが採用されている作品は、ほとんどの場合マルチエンディング方式が採用されていたり、条件によってシナリオが分岐したりするなど、周回プレイを前提にした構成である(クロノトリガーもマルチエンディングである)。
クロノトリガー以前の「強くてニューゲーム」と同様のシステム
リンクの冒険(1987年発売)
2週目以降はレベルと魔法が引き継がれた状態でスタートする。国内産家庭用ゲームにおける「強くてニューゲーム」は事実上このゲームが初となる。
凄ノ王伝説(1989年発売)
クリア後のエンディングで、経験値とお金が最高の状態で2周目が始まるパスワードを見る事ができる。
限定的な強くてニューゲーム
クリア状態をそっくりそのままではないが、一部のデータを引き継げるというものも多い。完全な「強くて~」ではないが、1周目に比べるとゲーム進行がかなり楽になる。
例えばレベルは引き継ぐ事が出来ないが、アイテムは引き継ぐ事が出来るというケースがある。逆に、アイテムは引き継げないがレベルは引き継げるというケースは少ないように思われる。
また、2周目以降は経験値(とお金)の入手量が増える作品も存在する。
アプリ版ロマンシングサガ2のように、ゲームをクリアしていなくても任意の時点で強くてニューゲームが行えるというものも存在する。
稀に、この要素を前提にした難易度でゲームバランスを組んでいる例もある。ダークソウルシリーズのように、周回したら敵が強くなったり数がワンサカ増えたりする、KAIDO-峠の伝説-(ちなみにこれはレースゲームである)のように初心者救済システム(敗北が多いと次のボス戦で勝利するまで敵車の強さが下がるなど)が効かないなど。
創作ものの俗語としての「強くてニューゲーム」
転じて、ストーリーに登場するキャラクターが「ストーリーの中盤~終盤の記憶・経験・手に入れた力等を習得した状態で、ストーリーの序盤やある重要な分岐点まで戻る」ことを「強くてニューゲーム」と言うこともある。
こうする事で助けられず死なせてしまった仲間を助けたり、悲劇的な結末を回避するよう行動しハッピーエンドへ持って行けるある種の作品救済創作である。
原典は、地上波アニメで事実上の打ち切り・旧劇場版で事実上バッドエンドというアレな結末しか迎えられなかった新世紀エヴァンゲリオンの主人公碇シンジを、最終話までの記憶や使徒の力等を所持した状態で第一話まで時間を遡らせる「スーパーシンジ」というジャンルが草分けとされる。
しかし、この手の二次創作は創作者にそれなりの腕と原作への理解がないと最強になったキャラが暴れ回るだけになってしまう危険性も含んでいる。現に稚拙な描写からそうなってしまった作品はオナニー創作と切って捨てられてしまう。
そして一人二人の人物が結末を知ったからといって、大きな物事の流れを変えるには限界があるため(世界全体の滅亡を主人公だけで食い止めるなど)、個人の愛と原作理解との間で適度な妥協も必要になる、上級者向けのジャンルである。
また、オール・ユー・ニード・イズ・キル等、ゲーム以外にも「能力の引き継ぎ」が重要な要素となる作品も存在する。
強くてニューゲームが可能な作品の一例
テイルズ オブシリーズ全般
首都高バトル等一部の元気製レースゲーム(※レースゲーム)
スーパーロボット大戦シリーズ