プロフィール
人物
デギン公王の長男にして、ジオン公国の実質的最高指導者。
IQ240の天才で沈着冷静であるが、非情かつ高慢な性格。政治家としては演説での熱弁を始めとして正攻法を得意としている(このため父デギンに「腹芸を身につけろ」と注意を受けている)。一方で、その趣味は意外にも日本文化の影響を受けている(庭園の手入れや囲碁など)。
スペースノイドは選ばれた民であり、ジオン国民はその優良種であるという選民思想を持っている。それ故、一年戦争初期にはサイド3以外への毒ガス攻撃や地球連邦軍の本拠地ジャブロー破壊を目的とした「ブリティッシュ作戦」を実行し、地球圏総人口の半数を死に追いやった。
このような大量虐殺作戦の背景には、地球環境の保全には選ばれた民による支配が必要であり、増えすぎた人口は調節されなければならないという思想がある(この思想故に父デギンは彼を「ヒットラーの尻尾」と評している。)。
その思想は、後のティターンズ総帥であるジャミトフ・ハイマンに多大な影響を及ぼしている。
また、妹のキシリアとは政治的に競合する立場にあり、反目し合っていた。
もっとも、ギレンは自らの才能と政治思想に絶対の自信を持っており、キシリアなど歯牙にもかけていなかった。
一年戦争末期ア・バオア・クーにおいて連邦軍との最終決戦を目論むが、デギンは事態を憂慮し独断でグレート・デギンに座乗して連邦軍との和平交渉に赴く。
そして和平交渉が始まる前に事を決しようと、予定を大幅に前倒ししてソーラ・レイをゲル・ドルバ照準に最終設定し作戦時間21:05に発射を指令、レビル将軍や地球連邦軍艦隊もろとも父デギンまでも謀殺した。
ギレンが父を殺したと知ったキシリアにより、宇宙世紀0079年12月31日、「父殺しの男」としてア・バオア・クー攻略戦の作戦指揮中に射殺された。
この際もキシリアに無防備に背中を見せ、銃口を向けられても「冗談はよせ」と一笑に付していたが、その余裕の姿勢が仇となった。
これらの「お家騒動」は敗戦の要因の一つとなった。
死後…
反連邦を掲げる組織を中心に絶大な影響を与えている。特に彼の親衛隊隊長であった、エギーユ・デラーズ大佐は、宇宙世紀0081年に地球圏最大の残党軍勢力デラーズ・フリートを結成し、0083年に『星の屑作戦』を決行している。
さらに0088年の第一次ネオ・ジオン抗争においては、ネオ・ジオンの士官グレミー・トトが彼のクローンを名乗り、ハマーン・カーンに反旗を翻している。