概要
勝利を司る軍神。名前は「障害を打ち破る者」を意味し、語義・語源的にはインドラの別名「ヴリトラハン」と同一である。
しかしゾロアスター教ではインドラは悪魔アンダルとしてダエーワの一員に加えられた。
ヒンドゥー教におけるヴィシュヌのように十の変化身をもち、開祖ゾロアスターの前でも十の姿を顕したという。
変化身の内訳は、風、雄牛、馬、ラクダ、野イノシシ、若者、大鴉、雄羊、山羊、人間(若者でない成人男性か)である。
軍神として戦場でミスラ(ミフル)を先導する際にも、イノシシの形態をとるといい、古代美術の題材となった。
別名のバフラーム(バハラーム、ベフラム)はペルシャや中央アジアがイスラム教化された後も男性名として使われている。