概要
TV版
『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』『宇宙戦艦ヤマト2』に登場したガトランティス帝国の高速中型空母をリデザインしたもの。形式名称はナスカ級宇宙中型空母とされている。
ロケット型の艦体上部に、楕円を乗せた様な独特のフォルムや、甲板先端に複眼状センサーの様なものが印象的である。円形ビーム砲塔や連装ビーム砲塔を搭載しており、空母ながらも攻撃的な印象はオリジナルと変わらない。ただし、艦橋だけは左右逆になっている。
TV版のゲストメカとして、出渕裕総監督と宮武一貴氏がデザインを手掛けている。ただし、ククルカン級襲撃型駆逐艦やラスコー級突撃型巡洋艦と同じく、3DCGではなく手描き状で出演した。
劇場版
ガトランティスの主力空母で、形式名称はナスカ級打撃型航宙母艦と改められた。デザインも改められており、細かい武装の設定や甲板のカタパルト設定、搭載機数の設定、ディテールアップ、全長の再設定が施されている。
打撃型と名を示す通り、ビーム砲塔のみならず、魚雷発射管やミサイル発射管をも備えるなど空母でありながらも重武装を誇る。そのため、ガミラスの主力空母ガイペロン級多層式航宙母艦よりも打撃力は高い。さらに輪胴速射砲塔を多数装備する事によって、対空迎撃網を厚くしている。またカタパルトが2基設置された事で、艦載機も2機同時に発艦が可能である。
劇場版
ナスカ級宇宙中型空母
- 全長:490m
- 全幅:不明
- 主機:不明
- 乗員:不明
- 武装
・八連装円形ビーム砲塔×3基(主砲)
・二連装速射砲塔×2基(副砲)
・八連装高射輪胴砲塔×18基(対空)
- 艦載機:甲殻攻撃機 デスバテーター
性能
攻撃性能において、詳細な設定はなされていないが、画面上確認できるだけでも円形ビーム砲塔が3基と、連装ビーム砲塔2基があり、小さな速射砲塔も多数確認できるなど、空母としての攻撃力は高い。艦載機の搭載規模は不明のままであった。
防御性能において、装甲は貧弱と言える模様。メルトリア級航宙巡洋戦艦の砲撃を2発受けて轟沈している。
航行性能において、劇中からするに機動性は高いようではない。
経歴
小マゼランへ侵攻していた艦隊に配属されていた。劇中では本級が1隻のみであることからして、偵察や前衛としての役目であったと考えられる。度々侵入してはガミラスに圧力をかけ続けていたよう出るが、エルク・ドメル中将の第6空間機甲師団が現れてからは一変した。
当艦隊指揮官に問題があったと思われるが、自分の位置を見抜かれミサイル飽和攻撃を受けてしまうなど、対応が完全に後手後手であった。さらにはフォムト・バーガー少佐の第7戦闘団の突撃を防ぐ事が出来ずに艦隊を分断され、本艦も直上からの砲撃で轟沈している。
劇場版
ナスカ級打撃型航宙母艦『キスカ』
- 全長 334m
- 全幅 不明
- 主機 不明
- 乗員 不明
- 武装
・八連装速射輪胴砲塔×3基(主砲)
・二連装速射砲塔×2基(副砲)
・八連装高射輪胴砲塔×18基(対空)
・ミサイル発射管×8門
・魚雷発射管×2門
- 艦載機数:24機
- 艦載機:甲殻攻撃機 デスバテーター
- 艦長:イスラ・パラカス
性能
攻撃性能において、ガミラスの主力空母であるガイペロン級に比べると、対艦兵装と対空兵装の充実性は遥かにナスカ級が勝っている。ガトランティス人の思想が色濃く反映されている証拠であるが、その一方で艦載機は24機とかなり限られている。この点においては、ガイペロン級の57機に大きく劣っている。
防御性能において、装甲はそこそこの厚みはある模様。クリム・メルヒの爆撃を受けて機能を停止下こそすれ、爆沈した描写はない。また対空火器がガミラス艦艇に比して多く、対空防御力が高い。対艦ミサイルを叩き落とすことに成功している。
航行性能において、機動性は低いと見られる。
経歴
グタバ(小マゼラン)方面に配属された空母でキスカという名の空母が登場している。艦長はイスラ・パラカス。本艦1隻とラスコー級3隻、ククルカン級5隻の計9隻と共に前衛打撃群を構成している。指揮官ゴラン・ダガームの命令を受け、ヤマトに先制攻撃を仕掛ける。しかし、ヤマトの三式弾や爆雷投射機によって多数が撃墜されている。
小説版では、2隻以上のナスカ級が登場しており、初戦においてヤマトとの距離を縮めすぎた為に、発艦直前の艦載機をショックカノンで狙撃されてしまい、艦載機の爆発と衝撃によって甲板が使用不能に陥ってしまった。
惑星シャンブロウでは、側面攻撃を仕掛けようとしたものの、ヤマトの艦載機隊とガミラスの艦載機隊が氷塊リングから奇襲を仕掛けてきたため、被害を受けてしまう。濃密な弾幕によって対艦ミサイルを迎撃するなど、奮闘を続けたもののキスカも補助エンジン部から火災を起こしてしまう。
トドメにクリム・メルヒの急降下爆撃によって4発のミサイルを甲板に受けてしまい、爆炎を笠を引き起こしてしまった模様。なお撃沈の明確な描写はないが、艦首部の複眼センサー物が光を失った事から、艦の機能を停止したと考えるのが妥当だと思われる。
小説版では、前衛艦隊の後方にいて距離を一定にしていたが、氷塊に交じって襲撃してきた艦載機隊の攻撃を受けて、やはり飛行甲板を破壊されている。撃沈したと明確に描写されていないものの、爆撃後に残されたのがククルカン級数隻のみ、ということから、撃沈された可能性が高い。