概要
「ジュエルペット」アニメシリーズ史上前代未聞・掟破りの、なんとジュエルペットが人間に変身してしまう作品。実は過去のシリーズにも一部のジュエルペットが人間化(例:ディアン→アンディ・サマエル)した事はあったが、それ自体を話のメインに添えるのは今回が初。言っておくが擬人化などと言う生やさしいものではない。人間そのものに変身するのである。大事なことなので2回言いました。
今までのシリーズ同様テレビ東京系列全6局で放送される。ただ、放送日時はテレビ東京は土曜朝9:30-10:00だが、テレビ大阪は同じ土曜でも2時間30分繰り上げ、テレビ愛知など計4局では約1日遅れで放送される。
また、アニメ製作会社が第1作からアニメ製作を担当していたスタジオコメットからスタジオディーンに変更された。
ジュエルペットのアニメシリーズの多くは30分1話のフォーマットだが、本作は『ジュエルペットサンシャイン』以来のAパート、Bパートの二本立て構成である。
また、番組の最後にはルビーが様々なものと追いかけっこするおまけアニメ「ジュエルペット逃亡中!」が挿入されるが、これは玩具のジュエルウォッチの「逃走中ゲーム!」と連動するギミックがある。
ジュエルペットが人間の姿に変身するためなのか、ペット側のレギュラーキャラが5人もいるのに、人間側のレギュラーキャラがわずか3人しかいない。これはジュエルペットのアニメシリーズ中では最小で、それまで少なかった『ジュエルペットきら☆デコッ!』を下回るが、人間界を舞台にしている分人間のゲストキャラは他のシリーズと大差なくこちらが普通に多い。
さらにレギュラーのペット以外でも各話単位でゲストとしてジュエルペットが出てくることも多く、その場合はそのゲストペットをメインに扱った話となる。
そういうわけもあって、毎回の物語はジュエルペット側視点で進むことが多い。
しかも従来のシリーズよりもペットキャラクターたちがやたらハイテンションな性格をしており、かなり重い設定(後述)にもかかわらず作風としては基本的にスラップスティックなギャグ展開が主体。テンション重視なため投げっぱなしなオチになることもままある。
このあたりで『ジュエルペットサンシャイン』の後継作との評価もあるが、人間側キャラが3人しかいないおかげで、人間側キャラがあまり空気にならずに物語をすすめることができている。
世界観
本作は第1作以来の人間界での物語となる。人間界の概念が復活したのは第4作以来で現実の国の名前とかも登場している。更にペットの魔法使用時の掛け声であるジュエルフラッシュが復活した。
しかし本作は「人間界でジュエルペットの存在が認知されている」という今までのシリーズとは少し異なる世界ともなっている。
本作の人間界でははるか古代にジュエルランドと繋がりがあったようで、ジュエルペットの存在は「魔法使いの弟子である宝石の精霊たち」として世界中の民話や伝説で語り継がれている。
しかし、つい最近まではジュエルペットが実在するなんて誰も本気で信じてはいなかった。
その状況が一変したのは本作開始よりも数年前のこと。ジュエル城が天空から人間界に落下してきたのだ。伝説の果てに忘れられていた天空の魔法の国「ジュエルランド」が、人間界とつながりを持ち始めたのである。この事件以降、人々はジュエルペットや魔法の存在を認めざるを得なくなった。
だが、このジュエル城は人間界で完全な実体化ができておらず、いわば「姿だけ見える蜃気楼」のような存在であった。人々は最初こそ大興奮してジュエル城に入ろうとしたが、何をしても干渉できず、逆にジュエル城の側もただそこにあるだけで人間界に対して何か干渉するわけでもなかった。
人々はそのうちに飽きてしまい、今やジュエル城は街の風景に溶け込み、誰もそれを気にせずに過ごしている。
実は、ジュエル城がジュエルランドから人間界に落下してきたのも、実体化ができていないのも、こんなふうに人間たちの「魔法の力を信じる心」がなくなりかけているからであった。
このままではジュエル城はいつしか完全に消えて無くなってしまうだろう。いや、ジュエルランド全体が同じようになるのも時間の問題である。
ジュエル城を天空に戻し、ジュエルランドを救うためには、人々が魔法の力を信じる心を取り戻さなくてはならない。
その使命を受けたジュエルペットたちが、人間たちに魔法の力を認めさせるために修行へとやってきたのである。
人間たちはそんなジュエルペットたちを一応は受け入れているが、魔力の弱い人間界ではペットたちの魔法は大体は役立たずなので、魔法の素晴らしさを認めるようなことにはなかなか繋がっていない。
だが、そんな中でも魔法の力は無限であってほしいと子供時代の夢を失わずに成長した者たちもいる。主人公であるあいりもそんな一人である。
彼女は探偵事務所の娘であり、ジュエルランドからやってきたジュエルペット達とともに様々な事件を解決していく。
そして、その人間界での行動はいつしかジュエルランドを救うことにつながる、という流れである。これは『ジュエルペットきら☆デコッ!』のジュエルランドでの行動が人間界を救う事の逆バージョンと言う事になる。
あらすじ
インターネットが世界をつなぎ、社会を豊かにするイノベーションが日々行われている現代世界。
科学文明が支配するこの時代に、魔法の力による奇跡など誰も必要としなくなっていた。
数年前にジュエルペットや魔法の存在が実証されたにも関わらず、今や人間界の人々はそれらを「世界に何も変化を与えない無価値なもの」という形で受け入れたという歪な状況となっている。
そんな寂しい時代であっても、ジュエルペットたちは人間たちに魔法の素晴らしさを認めさせるべく、己の存在意義をかけて人間界で魔法修行を続けている。
そんなある日、ルビー・ラブラ・ラリマー・ルナの4匹のペットが雲母あいりという探偵事務所の娘と出会う。あいりは何の変哲もないごく普通の少女であるのだが、彼女が父からもらったという不思議なペンダントに触れることでペットたちは人間の姿にマジカルチェンジできることが判明。しかも人間に変身してる間のみ、ペットたちの魔法は素晴らしい成果を収めるのだ。
そんなわけで、あいりは好む好まざるをかかわらず、否応なくジュエルペットたちの魔法修行に巻き込まれることになってしまった。
マジカルチェンジについて
人やペットのなんらかの想いにマジカルストーンが反応することでペット達は人間の姿へマジカルチェンジする。今作で復活したジュエルフラッシュはこの変身後の姿で使用する魔法である。
マジカルチェンジはレギュラーペットだけでなくゲストとして登場するペットでも可能である。
だが、ゲストとして登場したからといって確定でマジカルチェンジするわけでもない。
それどころか、レギュラーペットも含めて誰もマジカルチェンジせずに終わる回すらあるため、販促アニメにありがちな変身ノルマは無い様子である。
なお、公式の謳い文句では「ジュエルペットがカワイイ魔法少女に大変身!」なため、放映が始まったばかりの頃は「雄ペットはどうなるのか」ということについて若干の議論が大きいお友達の中ではあったりした。それを逆手にとって、次回予告のナレーションでルビーが「人間界に来てから男の子のジュエルペットをみかけないね」と問いかけて、ラリマーが「それは大人の事情だから」と返したことがある。
しかしこれはあくまでネタであり、実際はちゃんと雄ペットも出てくる。
本作初の雄ペットとしてキングが登場した時は、普通におっさんの姿にマジカルチェンジしている。更にエンジェラは人間ですらないバイク形態へとマジカルチェンジしたりしている。
登場キャラクター
今作では人間とペットのパートナー関係という設定が存在していない。人間キャラとペットキャラはそれぞれ独立した存在として扱われる。ただ、例外的にルーアのみは福王子ローラと明確なパートナー関係がある。
また、過去シリーズではルビー、ガーネット、サフィーの三匹が「御三家ペット」としてどの作品でもレギュラーキャラクター扱いとなっていたが、今作では御三家のうちルビー以外はゲストもしくは準レギュラー扱いである。
人間キャラ
ジュエルペット
きらら探偵事務所の居候
福王子家の居候
その他
関連タグ
天体のメソッド・・・本編が始まる7年前に出現し背景扱いを受ける存在があると言う共通点を持つアニメ。本作のゲストキャラを演じた声優がこの作品のレギュラーキャラを演じている。
ハピネスチャージプリキュア!・・・こちらは人間界でプリキュア・及び妖精の存在が認知されているというシリーズのお約束を破った破天荒な設定のアニメ。