概要
外なる神の一柱。「千匹の仔を孕みし森の黒山羊」、「狂気産む黒の山羊」、「黒き豊穣の女神」、「万物の母」などの異名を持つ。
豊穣・母神という性格を持っており、アスタルテなどの地球の様々な豊穣の女神の原型にして、ワルプルギスの夜に祭られる悪魔の原型ともなったとされる存在。
また、ヨグ=ソトースの妻であるという文献やハスターの妻であるという文献も存在する。
アザトースがナイアルラトホテップ、「無名の霧」と共に生み出された“闇”から出現した存在といわれており、その姿は“黒い雲の様に巨大”としか表記されていないため判然としないが、『呪術師(パパロイ)の指環』に登場する彼女を象った神像は“山羊のような生き物を表したものの、はっきりとした違和感・不自然さを持っており、何本かの触手があって、見誤りようのない冷笑的な、しかし人間的な感情を持った”姿だとされ、また、テーブルトークRPGでは“泡立ち爛れた雲のような肉塊で、のたうつ黒い触手、黒い蹄を持つ短い足、粘液を滴らす巨大な口を持つ”姿で表現されている。
女神ではあるが、男神としての側面をも持っており、マイノグーラと交わってティンダロスの猟犬たちを産み落とさせたともいわれている。
なお、人間の女性に化身することも可能とされるが、この姿に変身すると脳までも人間のそれと同じものになってしまい、思考レベルも人間と全く同じものになってしまうため、感情に振り回されがちになるという。
化身
・畝の後ろを歩くもの 豊穣の悪神
植物のような姿。「化身の木」と呼ばれる特別な木を通じて顕現する。この木は巨大でねじくれた、薄気味悪く見える枯れ木でなければいけない。
・パンの大神
シュブ=ニグラスの男性としての相。人間としての姿とサテュロスとしての姿を持つ。人間としての姿は若くてとてもハンサムで美しい。時に人間の女と交わり子を産ませる。犠牲者の女は完全に発狂してしまうが、不気味だが最も美しい子供を孕む。
この子らは人間として最高の美しさを持つ。また、対象者に狂気と自殺をもたらす能力を持つ。
パンの大神の真の姿を見たものは恐ろしさのあまり例外なく発狂するか即死する。
・ムーン=レンズの守護者
白い肉の柱と表現される姿。ゼリー状の頭部と巨大なくちばしを持つ。
犠牲者を気味の悪い変異を起こした姿に「再生」させ、自分の世話をさせる。