概要
E・P・バーグランド氏が執筆したクトゥルフ神話『Wings in the Night』にて、初めてその存在が触れられた旧支配者の女神にして邪神の一柱。
這い寄る混沌ことニャルラトホテップの従姉妹とされているが、その出自については謎に包まれており、理由は今現在の所不明ではあるが、従兄弟同様、旧神からの封印を免れた存在ではあるため、その身は自由であるが、ニャルラトホテップと違って旧支配者の使者として暗躍していないため、その名はあまり知られておらず、ナイングトーヴの大図書館に所蔵されている『オキマーの啓二書』という本で僅かに触れられているのみであり、今のところ人間の知りうる範囲では、行動原理も含めて不可解な存在であるらしい。
人類とはあまり関わらないため、普段は人類が生活している物質次元とは異なる異界の闇の次元に存在しており、光を嫌う。そんな彼女と関わりたいと思うなら、従兄弟同様、契約を結べば良いとされる。
こちらの世界に顕現する際はエキゾチックな姿の愛らしい女性の姿を採る事もあるが、本性を現すと、背中にコウモリのような翼を持つギリシャ神話に登場するゴルゴンのような女性の姿(睥睨する非人間的な眼、触手が巻くが如き髪、あらゆる永遠を内包する口と表現される、男の心を虚ろな石に変えてしまうという容姿らしい)に変貌し、契約者の命を奪うという。
また、ティンダロスの猟犬は彼女の落とし仔たちの落とし仔的な存在に当たるとされ、シュブ=ニグラスと交わり、地獄の猟犬の別名を持つヘルハウンズと呼ばれる、角度の制約を受けないティンダロスの猟犬によく似た性質を持つ落とし仔たちを数多く生み落しており、彼女が行動する際、彼等は共に現れ、又、彼等の中から生まれた個体が後にティンダロスの猟犬たちの祖となったとされている。
旧支配者たちの中では珍しく、その心情や精神的な面についても触れられており、彼女自身は人間に近い精神の持ち主だという。食事をとる必要性はないが、偶然口にした人間の生命力が余りにも美味だったため病み付きになったとされる。
つまり彼女にとっての人間は、最高の嗜好品であると同時に近しい価値観を持つ者たちであるため、ある意味かなり危険な存在ともいえる。
なお、従兄弟を外なる神の使者とする設定があるためか、彼女も外なる神と考えられることがある。ただし、現状彼女を外なる神と分類した設定は見られないため注意(というよりも彼女が登場した作品においてはそもそも外なる神というグループ分けすらなく、全員旧支配者でまとめられている)。
別名
- 影の女悪魔
- ナイアルラトホテップの闇の従姉妹