全国の水瓶座の皆様を慟哭させた展開
自然な流れで言えば水瓶座を継ぐのは先代の正統な弟子である氷河であることが予想された。
さらに氷河は21話で初登場した際クレジットが意味ありげな「謎の男」表記だったことで黄金としての再登場へより期待が高まっていたがその影もなく、水瓶座の黄金聖衣は敵の手に渡っていた。
満身創痍・五感喪失の紫龍さえ天秤座の聖衣を守っていたのに氷河は一体なにをしているのかという疑問も噴出している。
水瓶座聖衣は時計座の白銀聖闘士・時貞が直前にメディアに命令されて着用しているという、どうにも付け焼き刃感満載の様相であった。
時貞が黄金聖闘士になることは予想されていたが、栄斗の仇敵であることや「時間」という特殊能力から師弟や氷の闘気の水瓶座とはイメージが結び付き難かったため驚きをもって迎えられた。
自称も”時と永遠を司る水瓶座”とされ、氷の闘気をもつ水瓶座のイメージは完全に無くなっている(水瓶座が自宮を離れフライングして天秤宮に現れるという部分だけは原作と共通しているが)。
また水瓶座の黄金聖衣は「強い自我を持つ」とされ、黒い怨霊じみた髑髏のようなモヤ(しかも喋る)がかかった謎の呪いのアイテムと化し着用者を操っていた。
「聖衣が認めるまで聖衣の僕とならなければならない」らしいが、もちろん原作や派生でも水瓶座関連にそんな曰く付きのエピソードはない。
公式サイトの時貞の説明によるとあのドクロはメディアによるもので、小宇宙を燃やす程自我を失う曰くつきのものらしい(本編だと時貞自身が闇の力に頼らないと身が持たないと発言している)。
登場直後時貞は栄斗との因縁の対決……かと思いきや、天秤座の玄武と闘うことになり、結果は完膚なきまでの大惨敗。
栄斗との決着は一歩遅れた40話まで持ち越しとなり、結果としてΩ黄金4人目の退場者となってしまった(尚、玄武との戦闘後(41話の時点)では聖衣の自我に従うことなく自らの意志で戦闘を行っている)。
しかしそうまでして時間を操ることにこだわった理由について語られることなく時貞は死亡してしまい、更には死の間際に芳臣の名前を呟くなどここに来て多くの謎がほのめかされることになった。
人気のある水瓶座が、まさかの蟹座とカースト最下位を争う事態になっている現状だが、どうやらまだまだひと波乱ありそうである。
なお、現在NDでは水瓶座の黄金聖闘士は未登場である。
現状の話の進行速度からして登場が何年先になるか不明なため、こちらの展開次第ではさらなる波乱も予見される。
『Ω覚醒編』
なんと十二宮の戦いから生還しており、第二シーズン『Ω覚醒編』において刻闘士陣営についた事が判明(というか4thOPでも一瞬だが刻衣《クロノテクター》を纏った時貞の姿が見られる)
パラス城の迷宮において、因縁の相手である栄斗、そして次代の水瓶座の資格を持つ氷河と対峙した。
刻の神サターンから直接「時の狭間」にて、力を与えられ、栄斗への復讐を果たすために立ちはだかったのだが・・・なんと前述に記載した黄金聖闘士を志した理由は、一切語られずに終わった。
時貞は自分が「戦いの発端となった」と発言しており、サターン降臨にも何らかの関与をしたような素振りを見せていたのだが、これもその後に一切触れられることはなく、謎だけを残して退場してしまう結果となった。
ちなみに時貞役の速水奨さんは、旧作版星矢で海馬(シーホース)のバイアンを演じている。
(さらに言えば同じく刻闘士であるエウロパの声を担当している二又一成さんは、スキュラのイオ)そして死を司る神ヒュプノスを演じている。)
黄金魂
星座カースト制度が時貞に下げられた中、黄金魂において、水瓶座の地位を築いたカミュの行動は視聴者に新たな衝撃を与えた。
かつて修行中の過失で友人スルトの妹の命を奪い、蘇った命を彼のために費やすと言う決意の元、神闘士エイクシュニルのスルトに協力し、神闘士サイドについていた。
実はスパイとして潜入している、妹の死はスルトの罠や冤罪など彼をフォローする予想も打ち立てられたが、本当に裏切ってかつての仲間を全力で迎え撃ち、結果としてミロ(親友)とシュラ(慟哭トリオだった戦友)の2人が倒れる要因となってしまう。
最後はスルトの闇の深さに彼を止める決意をしスルトを倒すものの、かつての仲間を倒しながらスルトの悪辣さから倒すなど一貫しない態度と犠牲が原因で他の黄金聖闘士の株が上がっている中唯一株を下げてしまった。
なお、一人称の違いによるキャラの違和感も上記の記述の理由に当てはまってしまったものと思われる。(一人称(原作・OVA)では「私」なのだが、登場直後からスルトへの想いを断ち切るまでは「俺」となっていた)
戦犯あるいは敵になるなら(聖闘士としてではなくカミュ一個人の都合なので)せめて聖衣を脱げ、と言う辛辣な評価すらある。(←おそらく蟹座の彼と同じく「聖衣に見放されていなくてはおかしい」ということなのであろう)