イリューシンはセルゲイ・ウラジーミロヴィチ・イリユーシンによって設立されたロシア連邦の航空機メーカーで、S・V・イリユーシン記念航空複合体というのが正式名称である。
旧ソ連時代にはS・V・イリユーシン記念試作設計局と呼ばれており、そのせいか日本ではイリユーシン設計局の通称で知られている。
1933年に設立されたイリューシン設計局は、戦闘機、爆撃機、輸送機といったさまざまな機種の製作や開発に取り組むことでソ連の航空機技術の発展させ、第二次世界大戦時にはDB-3や、対地攻撃機(シュトゥルモヴィーク)ことIl-2などの機体を生み出し、ソ連軍の勝利に大きな貢献をした。
戦後は旅客機や輸送機の開発が中心になり、Il-14やIl-76といったロシアを代表するような航空機を数多く作りだしてきた。
ソ連崩壊後
ソ連崩壊後はS・V・イリユーシン記念航空複合体となり、これまで設計局の下で航空機を製作してきたヴォロネジ航空機製造合同(VASO)と共にイリューシン会社を設立。現在はロシア空軍やアエロフロートを始めとする旧共産圏の国々に航空機を提供している。
主な機種
※()内はNATOコードネーム
旅客機
Il-12(コーク)
Il-62(クラシック) ソ連初の本格的長距離ジェットだが、実を言うと… おや?こんな時間に(ry
Il-96 Il-86を改良した現在の主力生産機
攻撃機
Il-2 シュトゥルモヴィークの愛称で有名な攻撃機
Il-10(ビースト) Il-2の後継ぎ。朝鮮戦争等で使用された
Il-40(ブローニー)
爆撃機
Il-4 ソ連軍爆撃機の代表。 元々DB-3と呼ばれてたが、命名規則の変更によりIl-4となった
Il-28(ビーグル)
輸送機
Il-76(キャンディッド) Il-2同様イリューシンを代表する航空機。数多くの派生型が存在する
Il-106 Il-76の後継ぎになるはずだったが、経済危機の影響でなかったことに
余談
- 日本語の文献ではイリューシンと表記されることが多いが、ロシア語的にはイリユーシンと表記するのが正しい。ちなみにИльюшинと書いてイリューシンと読むのはウクライナ語である。
- イリユーシン製の航空機は頭にIlの文字がつくが、フォントによっては大文字のIと小文字のlが同じように見えてしまうので、Iℓと表記されることがある。
外部リンク
イリューシンHP(ロシア語)