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概要

歌舞伎を演じる役者。現在の日本では一般に「伝統芸能の歌舞伎」として知られる、松竹によって運営される「大歌舞伎」においては男性のみである。ただし前進座などその他の分派劇団によって上演される歌舞伎では女性が舞台に立つケースがある。

歌舞伎役者になるには、親が役者である家庭に産まれた者が幼い頃から訓練を受けるケースも多いが、役者の家柄以外でも国立劇場の研修生などを経由してなるコースもある。

歌舞伎役者家系に産まれた者は3歳頃より始めるケースが多い。先んじて本名で「初御目見得」を行って舞台上で挨拶(ここでは演技はしない)をし、あらためて研鑽を積んだあと子役として演じられるレベルになってから「初舞台」として役柄を与えられるのが一般的。

役者の名は「名跡」として何代も受け継がれる。

必ずしも歌舞伎のみの仕事をしているわけではなく、一般のTVドラマや演劇、バラエティ番組などでのタレント活動も並行して行っている者も少なからずいる。なお、かつて時代劇映画が流行った時代においては、歌舞伎界を離脱し専属役者として転ずる例が多かった。代表例に市川雷蔵嵐寛寿郎萬屋錦之介(初代中村錦之助)など。俳優の家系図を調べてみると実は先祖に歌舞伎役者が、という例は枚挙に暇がない。

主な歌舞伎役者

実在する役者

主な屋号代表的な名跡
成田屋市川團十郎/市川団十郎 市川海老蔵
高島屋市川左團次
高麗屋松本幸四郎 市川染五郎 市川高麗蔵
音羽屋尾上菊五郎 尾上菊之助 尾上松緑
澤瀉屋市川猿之助 市川段四郎 市川亀治郎 市川中車
成駒屋(江戸)中村歌右衛門 中村芝翫 中村福助
高砂屋中村梅玉
山城屋坂田藤十郎
成駒家(上方)中村鴈治郎 中村翫雀 中村扇雀
播磨屋中村吉右衛門 中村歌六 中村又五郎
萬屋中村時蔵 中村獅童 中村錦之助
中村屋中村勘三郎 中村勘九郎 中村勘太郎 中村七之助
京屋中村雀右衛門 中村芝雀
松嶋屋片岡仁左衛門 片岡我當 片岡孝太郎 片岡愛之助
大和屋坂東玉三郎 坂東三津五郎 坂東巳之助
紀伊國屋澤村田之助 澤村宗十郎

○○郎、○之助、○右衛門といった名前は、初代となる役者やその縁者の本名など、本来的に名前として一般的なものが多い。一方「松緑」「芝翫」などの本来の日本人名にあまり見られないような名前は、役者の俳号(役者名とは別に市井で名乗るために使った役者個人の愛称)からきているものが多い。

梨園

数世代を経て、役者同士の家系が閨閥関係を築き、歌舞伎界の上層部は皆親戚、というような状態が多い。また閨閥関係者が出世街道の大半を占めるなどの独特の力関係も加味して、縁者が多い歌舞伎役者上層部とその家族ネットワークは、古代中国の宮廷音楽家養成所からとった「梨園」と呼ばれる。

このような血縁関係者に後継者が生まれない場合、多くは親戚の歌舞伎役者や舞踊の家系などから養子を取るが、稀に一般家庭出身でも優れた弟子であるなら起用することもある。

この時抜擢される後継者の立場によって、特に後継に定められない「部屋子」、芸の上でのみ養子となるが戸籍関係の発生しない「芸養子」、実際に戸籍上の養子となる「養子」、当該役者の死後に遺言で名跡を継ぐ「位牌養子」などに分けられる。

明治期の9代目市川團十郎以来、歌舞伎界は大衆演劇から日本を代表する古典芸術演劇へと発展を遂げた。一方この過程でますます強固になった梨園の力もあり、門閥外のものが今日の歌舞伎界で出世することは大変難しい。しかしこうして養子となったものが歌舞伎界を代表する名優、大幹部として君臨する例が無い訳でもない(例:坂東玉三郎)。

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