運転手「お客さん、亀に乗って竜宮城へ行く話、知ってます?」
サクラ「今その気分を味わっとる」
運転手「亀に乗ってったのが太郎だけでなく、村人全員だったらどうだったでしょうねぇ。全員が竜宮城へ行ってそして揃って村へ帰ってきたとしたら、それでもやっぱり数百年の歳月が経っていたことになるんでしょうかねぇ。村人が誰一人気付かなかったとしても?」
サクラ「…何の話をしとる?」
概要
押井守監督作品『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』とは、高橋留美子原作の漫画『うる星やつら』の劇場版オリジナル長編アニメーションの第2作である。
1984年2月11日に東宝系で公開。
押井の出世作であり、のちのアニメーション業界全体にも多大な影響を与えた。
所謂「ループもの」アニメの先駆けとなった作品である。
あらすじ
学園祭を翌日に控えた友引高校は、生徒達が連日泊まり込みで準備を行い、大騒ぎのさなかにあった。
諸星あたる達のクラスの担任教師である温泉マークは、生徒指導に疲れ果てノイローゼとなり、保健医のサクラの助言から一旦学校を離れ、自宅のアパートへと帰ることになる。
その後、サクラが手違いに気づき温泉マークの自宅を訪ねると、彼の部屋はカビやキノコが繁殖し、まるで何年も時間が経過したかのような、ホコリまみれの酷い有り様になっていた。
温泉マークは「学園祭の前日」が毎日繰り返されているのではないか?という奇妙な感覚にとらわれていることを告げ、まるで自分が浦島太郎になった様だと言う。
サクラは温泉マークの話をにわかに信じられなかったが、高校に戻った際に目にしたある光景に既視感を覚え、温泉マークの直感に共感。
彼と共に「学園祭の前日を繰り返し続ける世界」からの脱出の糸口を探し始めるが…。
評価
本格的なSFアニメとして当時各界から非常に高い評価を獲得し、押井の名を世に知らしめた傑作ではあるが、あまりに押井守の作家性が色濃く反映されているため、原作者の高橋留美子は「これは押井さんの作品。私の作品じゃありません」として「うる星やつら」としては否定的な見解を示している。
また諸星あたるが「それを言っちゃダメだろ」と多くのうる星ファンが疑問に思う、とある本音を吐露するシーンがあり、その点を批判する声もあった。