CV:加隈亜衣
主人公で、勝ち残ればあらゆる願いを叶える能力を手にする『夢限少女』の候補者であるセレクターの1人。使用デッキはホワイトホープ(白)、パートナーとなるルリグはタマ(タマヨリヒメ)。
転校を期に親元を離れて祖母とマンションの一室で暮らしているが、兄からもらったWIXOSSのデッキにタマ(昔飼っていた猫の名前から命名した)のカードが入っていたことでセレクター同士のバトルに身を投じることになった。
服装に無頓着とまでは行かないものの、視聴者から見ても外見は素朴というか明らかに地味。ただし伊緒奈を訪ねた際には撮影関係者から読者モデルと勘違いされており、容姿そのものは悪く無いと推察される。
そんな一見普通な子だがカードアニメの主人公らしくかなりとんがった性格。
…を通り越してその心の底には相当な異常性が隠されている。
常人に見える異常者(予備軍)、と言う点では、あの人やこの子とも共通してしまっている。彼らのような本当の人格破綻者にならなかったのはひとえに祖母の人格のおかげだろう。
…と思っていたら旧姓がマジで「タチバナ」だった。
(実際の漢字は橘の方と思われる)
本編前はぼっち気質で携帯も持っていなかった。また、いわゆる「良い子」ながら嫌いな相手には非常に辛辣な面も見せる。
infected
当初は同じ中学の紅林遊月らと異なり他のセレクターと異なり明確に叶えたい願いを持っていなかったため、半ば巻き込まれた形でバトルに参加していたがその過程で潜在的な闘争心を掻き立てられ「もっと強い相手と闘ってみたい」と言う衝動を抑え切れなくなって行く。一時はWIXOSSを通じて仲良くなった植村一衣の脱落とそのペナルティの過酷さに気を落とし、他のセレクターとの対戦を避けようとしていたが、最強のセレクターとして君臨する浦添伊緒奈に闘争本能を見抜かれてしまったこともあり他のセレクターに対する罪悪感を抱きながらもバトルをやめられない状態が続く。そして、ルリグになってしまったユヅキから夢限少女にまつわる真実を聞かされ「全てのルリグをカードから解放する」願いを賭けてバトルを継続することを決意した。
伊緒奈が建設中のビルを舞台に開催した「ファンの集い」では一衣との再戦を制し、決戦に臨むがタマはるう子が夢限少女となることを躊躇し誓約を打ち切って姿を消してしまう。そして、るう子が手にしたカードにはタマでなく「自分より強いセレクターのルリグになる」願いを成就させたイオナの姿があった。
spread
destructed
基本的な行動はTV版と変わらないが、白窓の部屋突入以後の行動が大きく変化。異なる結末を迎えることになった。また、幼少期の彼女の姿が描かれ、母親からの酷い扱いが明らかとなった。
ラスボスであるウリスの描写が深められたことで、繭とは別の意味でウリスとは対照的な存在となったといえる。
異常性
生粋の戦闘狂である。
こうなったのは幼少期の体験からくる「願いがない」というるう子の心の歪みが起因している。離婚して心労重なる母親に対する子供なりの気遣いとして「わがままを言わない良い子」として過ごした幼少期のるう子だったが、それが仇となり「何を考えているかわからない、怖い」と母親に捨てられてしまった。
その結果、自身の願いや欲望すらもわからない少女となってしまった。
そんな中で出会ったWIXOSSとセレクターバトルは、呪われた闇のゲームということを差し引いてなお彼女の欠落を埋めてしまう程の存在であった。
わかりやすい部分でも、
- 遊月と一衣が晶によって無残な敗北を喫し、その汚いやり方を聞かされてもバトルを望む(しかも表向きは晶と取り巻きの襲撃から必死に逃げているにも関わらず)。いざ彼女の挑発に乗ってオープンしてみれば対策万全のメタデッキを構築済であり「私をケチョンケチョンにするのをテメェ楽しんでたんじゃねーのかよ!!!」と絶叫されるまでに叩きのめした。
- ここまでならキレて容赦しなかっただけに思えたが続く7話、遊月を探して街じゅうを奔走していたにも関わらず、伊緒奈の誘惑に負けてオープン。気がつけば遊月なんて完全に忘れて戦いを楽しんでいた。バトル自体は水入りとなったが、否応なしに戦いへの衝動を自覚させられ愕然とした。バトル前の伊緒奈との会話は目を瞑って聞くと完全にアレである。
- そして明らかになったセレクターバトルの真実に思いつめて流石に自重すると思いきや衝動自体は抑えきれておらず、伊緒奈主催の大会では決勝で一衣とオープン。和解の末に笑顔で一衣に止めを刺した。なお一衣がるう子の犠牲になるのはこれが2回めである。
- 2期では相棒のタマを失い今度こそ意気消沈していたが、ユヅキにも指摘されている通り嫌な思いをしてまでもイオナを肌身離さず持ち歩いている。「タマを探す手がかり」という言葉は嘘ではないものの、イオナと和解した途端にルールにないレベル5グロウを成し遂げ、愉悦に満ちた笑顔で文緒を叩き潰した。
と明らかにこの呪いのゲームを楽しんでいる。
しかし、だからといってこの悪辣なゲームに良心の呵責を感じないほど理性のタガが外れているわけではなく、湧き上がる衝動と理性の狭間で苦悩する矛盾を抱えることになる。
母親・小湊深都子
るう子サイドにおけるだいたいこいつのせい。
不仲からの離婚はともかく、るう子の歪みの元凶の上に自分の母親(ばあちゃん)に子供二人を押し付けて出奔するという人として最低の行動をとった。
それにもかかわらずinfectedでは未練がましくるう子の自宅に電話をかけ、ばあちゃんに「お前は母親になれなかった」とまで言わせている。しかもセレクターバトルの真実を聞かされた直後という最悪のタイミングであり、立ち聞きしたるう子の決断に悪い意味で影響を与えている。
危うく彼女のようになる所だったが、セレクターバトルのからくりを考えれば、犠牲者が一人増えただけになっていた可能性のほうが高いだろう。
さらに劇場版では離婚直後(直前)の母親本人が登場。
やさぐれていたとは言え、幼いるう子の前で「二人がいるから新しくやり直すことも(できない)」とまで吐き捨てている。
あんなばあちゃんから生まれた子がなぜこんな人間のクズとなってしまったのかは明らかにされていないが、父親からは結婚に反対されていたようである。
少なくとも別れた旦那、るう子の父はこの人ではないだろう。ちゃんと更生したしね。