「どうして、貴女は私が作ったルリグを庇うの?私は、誰からも愛されなかった… 誰にも名前を呼んでもらえず、誰も抱きしめくれず、誰も…。」
「繭は、また始められる?繭は、誰かに抱きしめてもらえる?」
CV:種田梨沙
概要
アニメ『selector』シリーズでセレクターに選ばれた少女同士がTCG『WIXOSS』を使ってバトルを繰り広げる「夢限少女」システムの中心人物。
人物
容姿
ブロンド色のゆねったロングヘアーに小柄で華奢な体型、色白の美少女。肩が露出し、袖に開口部のある白い袖のドレスを着用している。
性格
良く言えば明るく社交的、悪く言えば短気な性格と言える。担当声優の種田女史は繭の人物像について「善悪の区別がつかない子供」と放映終了後のインタビューで語っている。
経歴
理由は明かされていないが(ベッドの脇に置かれた薬など体が弱かったと見られる描写はある)、物心付いた時からある洋館の天窓が付いた部屋に半ば軟禁同然の状態で育てられる。家族の描写もなくたまに食事や薬、そして本や遊び道具を届ける養育係がいたことだけがわかっている。
繭にとって「外の世界」の存在は本で得た知識しか無く、実際に外の世界へ出歩く自由は与えられていないため見たことの無い外の世界に対する憧憬の念だけを募らせていた。そんなある日、繭は養育係が持ち込んだ遊び道具の中に(本来ならば対戦相手がいなければ出来るはずもない)TCG『WIXOSS』を見つける。1人(いわゆるプロキシ状態)でWIXOSSのカードを回している内にルールを覚え、やがて空想の中の話し相手として純真な心を持った「シロ」(後のタマ)と邪悪で嫉妬深い「クロ」と言う2体の「カードの少女」──後のルリグ(LRIG=“girl”の逆さ読み)を創り出す。
シロは繭の手許に留め置かれたが、クロは繭に命じられるままWIXOSSのカードを通じて自由に繭が行くことの出来ない外の世界へ出入りして他のWIXOSSプレイヤー同士を「勝ち続けて夢限少女になれば願いが叶う」と言って闘わせる。しかし「夢限少女」は繭が創り出した都市伝説であって3敗した者は願いが反転して一生叶わなくなり、勝った者はルリグと入れ替わってカードに閉じ込められるため別のセレクターをバトルに誘い込んでその体を乗っ取らなければ再び「外の世界」へ出られなくなると言う勝者無きシステムであった。
いつしかゲームマスターとして元からいた部屋とも異なる「白窓の部屋」に居座るようになった繭は公正中立でもなんでもなく、ただ自分には無い自由を外の世界で謳歌する少女たちがそれぞれの願いを賭けて争い、混乱し、絶望する様子を眺めて楽しんでいるが、時に自分の思い通りにならなさそうな雰囲気を感じ取るとルリグに介入して状況をさらなる混乱に陥し入れようともする。特に外伝『peeping analyze』でルリグとなった後に他のセレクターの元へ行くことを拒んでいたピルルクの心を折るためかつてセレクターだったピルルク=水嶋清衣がルリグのリメンバに託した願いを、清衣の体を手に入れたリメンバが“叶える”瞬間を見せ付けたのが典型例である。そうした理由で、本放送中は「クソ運営」「キュゥべえの方が先払いする分まだマシ」だなんだと散々な言われようだった。
終盤はウリスから指名を受けてセレクターとなり「白窓の部屋」で小湊るう子とイオナ改めユキを迎え撃つが、プレイヤーとの実戦経験が皆無だったため対戦は終始るう子ペースで進行し、視聴者からはラスボス(笑)認定されてしまう。
(例を挙げるのであればアタックせずターン終了という戦法。相手のエナを貯めさせない戦法で繭はアタックしないるう子に調子を狂わされた。)
実は彼女は運営では無く一参加者に過ぎない?
視聴者からは、ルールやシステム、白窓の部屋に至るまで全てを生み出した張本人として扱われる事が多いが、実際は彼女が一からこれらを生み出したとは作中では一度も明言されてはおらず
彼女の過去に触れた話においても「新しい遊びを始めた」としか表現されていない。
ルールについては嘘を混ぜて他者に話す事はあっても、既存のルールを変えた事は一度も無く、それはルールの逆手を取られて彼女にとって激怒する程の不利益な状態になっても同様であり、彼女自身もセレクターバトルのルールには抗えない描写が多々見られる。
他には白窓の部屋に常時居座ったり超常現象を起こすといった描写もあるが、
白窓の部屋にとどまる事は劇場版のハナレもやっている為本人の意思さえあれば可能であり、超常現象についても繭のいなくなった空間でウリスとハナレが起こしている為、繭にしかできないというものでもない。
現時点で彼女のみが行使できると判断できるのは夢限少女を任意のセレクターの元に送る事のみである。
その為、他の一般のセレクターバトル参戦者よりは優遇こそされてはいるものの、主催者側というよりはセレクターバトルの参戦者の一人という立場として見る方が妥当とも言える。
それを証明するように『Lostorage』では彼女が消えても最悪なバトルが行われていたことから元凶は他にいることが判明、繭もまた元凶の犠牲者に過ぎなかったのだ。
TCGにおいて
ルリグタイプ | ? |
---|---|
別名・旧名 | 紡ぐ者(レベル5) |
初出 | WX-14 サクシードセレクター(2016/08/04) |
色 | 無色(レベル0・5のみ) |
セレクター | - |
主な使用シグニ | - |
構築済みデッキ | 無し |
タロット | 21. 世界 |
キャラクターデザイン | 坂井久太 |
CV | 種田梨沙 |
TCGでは禁止カードや制限カードが出た場合、そのカードを公開する場所が「繭の部屋」と命名されている。この名称は第15弾以降のLostorage環境でも引き継がれるとのこと。
また、selector環境の最終弾となる第14弾では全てのルリグタイプからグロウが可能な無色のレベル5ルリグ《紡ぐ者》として登場した。ところが、何故かこの《紡ぐ者》とレベル0のタロット「世界」ではルリグタイプが「繭」ではなく「?」と表記されている(恐らく「どのルリグタイプでもない」と言う意味なのだろう)。
Lostorageに登場する始まりのルリグとは、レベル0でルリグタイプが同じ「?」なので繭のタロットとレベル0同士で交互にグロウすることが可能である。一見すると無意味な行動のように思えるが、この方法でグロウを繰り返すことにより《サクシード・ディストラクト》などのアーツが使えるようになる。
人称・呼称・言葉遣い
関連タグ
- selector_infected_WIXOSS
- selector_spread_WIXOSS
- ラスボス 黒幕 悪のカリスマ
- 哀しき悪役 悲劇のヒロイン どうしてこうなった 環境が生んだバケモノ
- 毒親の被害者:(養育係を除く)家族全員が加害者だった。
共通点が多い他作品のキャラ
- 薙切えりな(食戟のソーマ) …中の人繋がりにして繭と同じく、親の愛に恵まれなかったが故に歪んだ性格の持ち主になった哀しき悪役兼悲劇のヒロイン。ただしえりなの父・薊は繭の家族と異なり家族への情が存在し、最終的には改心・和解している。
- ドルメン大帝(未来ロボダルタニアス) …繭と同じく、悲惨な生い立ちが原因で世界全てに対して憎悪を向けたラスボス。ただしこちらは繭以上に悲惨な境遇で最後まで改心することも救済されることもなかった。
- ズ・ザンバジル(超電磁マシーンボルテスV) …こちらもドルメンや繭と同じく、悲惨な幼少期が原因で世界全てに対して憎悪を向けたラスボス。
- 斎森香耶(わたしの幸せな結婚) …繭やえりな、妓夫太郎、堕姫、カミキと同じく親からの陰湿な仕打ちが原因で歪んだ性格の持ち主になった哀しき悪役。ただしこちらは所業が所業なだけに(流石に殺人などの死刑に相当する犯罪はやらかしていないが)繭以上に批判/非難されている。香耶の中の人は繭の中の人とごちうさを始め複数の作品で共演している。
- 城ヶ崎賢志(ヒューマンバグ大学) …繭やえりなと同じく、親からの陰湿な仕打ちが原因で歪んだ性格の持ち主になった哀しき悪役(にしてラスボス)。繭はイメージカラーが白なのに対し、城ヶ崎は黒である。繭は主人公・るう子の優しさに触れ改心し、救済されたが城ヶ崎は主人公と和解することも救済されることもなかった。
- 我妻京也(ヒューマンバグ大学) …繭やえりな、妓夫太郎、堕姫と同じく、親(周囲)の愛に恵まれなかったが故に歪んだ性格の持ち主になった哀しき悪役(にしてラスボス)。こちらは一時は恋人との出会いで真っ当な道を歩もうとしたが一人の外道のせいで闇堕ちした。繭は改心し、救済されたが我妻は最後まで改心することも救済されることもなかった…。
- 小湊圭一(ヒューマンバグ大学) …彼もドルメンやザンバジル、繭と同じく悲惨な生い立ちが原因で世界全てに対し、憎悪を向けた哀しき悪役。ただし小湊は自身と同じく外道に家族を殺された過去を持つ人物に自身が抱いていた母の愛への曲解を正された(なんの偶然かるう子と同姓である)。
- 戸狩玄弥(ヒューマンバグ大学) …彼もまたドルメンやザンバジル、小湊、繭と同じく悲惨な生い立ちかつ理不尽な迫害や差別を受けた哀しき悪役。ただし戸狩は自分の名を呼び、人間として扱ってくれる人と出会えたおかげで小湊のような救いようのない外道に成り下がっていない。