概要
太平洋戦争(大東亜戦争)中、日本の大本営の陸軍部及び海軍部が行った公式発表を「大本営発表」という。第1回目の大本営発表は真珠湾攻撃を伝えるもので、1941年12月8日6時に行われ、終戦後の1945年8月26日まで計846回行われた。
詳細
特に太平洋戦争(大東亜戦争)後半期、日本側の敗色が濃厚になるにつれて、(恐らく国民を不安にさせたり兵士の士気を落とさないため)さも戦況が有利であるかのように情報が流された。情報の操作や用語の言い換え自体は日本軍ばかりでなく各国軍の広報でも事例はある。
開戦当初、日本軍優勢で推移していた頃は、大本営発表も概ね事実に即していたが、1942年2月の段階で米空母「エンタープライズ」を撃沈したと発表するなどの虚報もみられる。虚飾報道が増えるのは同年6月のミッドウェー海戦での惨敗からで、日本軍の劣勢を隠蔽するため損害を著しく過小に報道するようになった。また、用語の言い換えが盛んに行われていた。(「撤退」→「転進」、「全滅」→「玉砕」等がその例とされる)
中には実態を反映せずに発表した内容が逆に軍事行動に悪影響を及ぼしてしまったケースも多々あるという。ただし、実態からの乖離が進むにつれ、特に現場の実態に詳しい者からは内容の虚偽性は認識されてきていた。
現在ではこれから転じて、「ある組織等が実態と幾分あるいは全く異なる情報を公表宣伝する」ことを「大本営発表」と皮肉る表現として用いられることが多い。
関連タグ
読売新聞 - 極度に政府・自民党・アメリカ合衆国寄りの報道姿勢から「大本営発表」と揶揄される。
朝日新聞 - こちらは逆に極左・民主党・中華人民共和国・大韓民国寄りの報道姿勢でやってることは酷く変わらない。
ムハンマド・サイード・アル=サハフ/サハフ:イラク・フセイン政権の情報相。イラク軍の敗北を否定する荒唐無稽な記者会見発表の内容は「大本営発表」にたとえられた。