概要
「機動武闘伝Gガンダム」の年号未来世紀内の、現実の香港をモチーフとした国家。
現実でも1997年までイギリス領だったため中華人民共和国からは独立した自治体の香港だが、こちらではなんと一国として独立に成功しているというぶっ飛んだ設定を持つ(似たような例としてマンモスガンダムをかつて擁したネオ・シベリアがある。恐らくは未来世紀開闢時の地球国家からコロニー国家への権力変遷とカオス戦争の生み出した結果なのだろうが、詳細は不明)。
第12回ガンダムファイトを東方不敗マスターアジアのクーロンガンダムが制覇した事でコロニー連合の主導権=全宇宙の支配権を握っている。首相はウォン・ユンファ。
そのため第13回ガンダムファイトの決勝会場、Gガンダムにおける物語後半の舞台となっている(6話で地球の統治権がある国家として名前だけはすでに出ていた)。GガンダムのOPの方も宇宙メインだった前期に対し、後期からはネオ・ホンコンの大都会が背景となっており印象がガラリと変わる。
一方、物語の舞台国家でありながら劇中では各国家に存在するはずのスペースコロニーが登場しておらず、どんな形状をしているか不明な国家の一つでもある(設定によってはコロニー連合参加国ながらコロニーを実質的に有していない地球の都市国家、とするものもある)。又、この世界の地球上の都市の大半がカオス戦争の後もコロニー国家のガンダムファイトのリングにされ続けてしまい荒廃しきっている中、ネオ・ホンコンは地球で発展した大都市を抱えている点でも非常に珍しい(恐らくは地球の建造物等の破壊を一切免除されるガンダムファイトですらも、ネオホンコン市街地で勝手に行う事は避けられている)。その特異さ故か、統治者となる者は悪い意味でも実力主義のようであり、首相のウォン・ユンファにしても辣腕かつ野心溢れる若き政治家だが元マフィアのボスという経歴の持ち主である。
なお、何故香港なのかは今川泰宏監督が香港映画の大ファンだからという身も蓋もない理由によるもの。
特徴
地理
Gガンダム放送時はまだイギリス領だったのもあり、香港映画そのままの光景が広がっている。
しかしガンダムファイト優勝国だけあって都市部は非常に栄えている一方、未来世紀らしくガンダムファイトによる建築物の荒廃等により郊外には荒涼としたゴーストタウン化した場所も存在している。華やかな繁栄の一方で地球環境の破壊の進行はネオホンコンでも同様である。東方不敗は人類が自分達だけが豊かに暮らせる場所に移ってはこのような場所を増やし放置し続ける事による地球そのものの破滅を危惧していた。
空港
現在実際の香港の空の玄関口は香港国際空港が担っているがこちらでは今も啓徳空港が現役で(あるいは復活しており)、とっくに廃止されている香港アプローチも健在となっている。香港国際空港がない(あるいは廃止になっている)事からバトルロイヤル会場となったランタオ島(大嶼島)にもガンダムファイト用の設備以外何も手が付けられていない。
技術力
ネオ・スウェーデンのバーサーカーシステムを何の技術提供も受けずに完全再現する、デビルガンダムの残骸をガンダムヘッドの制御権を掌握した状態で改修してしまうなど他の国家と比較しても桁違いに高い技術力を持つ。
その理由は特に明かされなかったが、もしかしたらマフィアのボスという首相のウォンの立ち位置やアレンビー・ビアズリーの脳波サンプル提供のためにベルイマン博士を誘拐した行動からもネオ・ロシアのような他国の技術を盗用するための強制収容所がこちらにもあるのかもしれない。
ネオ・イングランドとの関係
当時実際の香港がイギリス領だった背景を受けてか、ネオ・イングランドとは優勝国となる以前から密接な関係を持っているとされる描写がいくらか確認できる。
そもそもクーロンガンダムが優勝するまではネオ・イングランドのジェントル・チャップマンのブリテンガンダムが三連覇しており、第11回では病状が悪化していたチャップマンの不出場説が濃厚とされている事を考えると、ネオ・ホンコンにあえて引導を渡す上での裏取引があった可能性もある。
本編では愛機のジョンブルガンダムは頭部を破壊され失格、チャップマン自身も持病の悪化によりサバイバルイレブン中に物故者となってしまい本来ならネオ・イングランドの決勝出場は有り得ない状況だったが、チャップマンの遺体を無理矢理DG細胞で蘇生させ失格も取り消しにするという力業で無理矢理決勝に出場させている。この背景にもウォンがネオ・イングランド要人のホイットニー卿に自ら赴いて交渉したとされる描写がある。そしてガンダムローズ戦ではバリア装置のコントロールルームを乗っ取ったミケロ・チャリオット一行の中にホイットニー卿も同行していた。
さらに、後にホイットニー卿の意向に反対したウィリアム卿がチャップマンに暗殺されており(表向きは心臓発作で亡くなったと報道された)、たまたま現場を見てしまったマリアルイゼの証言からこの事件にもウォンが関わっていた事が明らかになっている。
ネオ・ホンコンの登場人物
- ウォン・ユンファ(黄潤發)
表向きは33歳にして一国の首相という若きトップだが、裏ではデビルガンダムの力を求めて世界征服を企むマフィアのボスの顔を持つ。
- 東方不敗マスターアジア
第12回ガンダムファイト優勝者。元々はネオ・ジャパンの人物で本名はシュウジ・クロス。
彼もまたデビルガンダムの力を狙っているが、その目的はウォンよりもとんでもないものだった。
- ハン (CV:依田英助)
蛋民(船上・水上生活者)の老人。
宿を経営しているわけではないが、マーキロットに敗北し気を失っていた所を助けて以降ドモンとレインの下宿先となった。その後もドモンを精神面で励まし幾度も救った人格者。
ギアナ高地の大自然で10年もの歳月を過ごしていたドモンからすれば、国が提供した高級ホテルよりも船上宿の方が馴染みやすかったようだ。
ハンが連れる二人の子供(姉弟でハンの孫とも)。レインとは度々衝突していたドモンも彼らとは終始仲が良かった。
チャンという友人がいる。
- ネオ・ホンコンリポーター (CV:松井菜桜子)
ガンダムファイト決勝の実況を担当する女性リポーター。中の人はガンダム各作品でヒロインやそれに準ずる役も多く演じている。