「フッフッフッフッフッ…闘え…闘うんだ!お前たちの持っている力をとことんしぼり出し、そのオイルの一滴一滴全てを、デビルガンダムに捧げるのだ!」
CV:橋本晃一
概要
地球の香港地区を統治するネオ・ホンコンの首相。漢字表記は「黄潤發」。
一見物腰の柔らかい紳士に見えるが、元々はマフィアのボスであり、裏社会に通じている。好物はチョコレート。
第12回ガンダムファイトでネオホンコン代表である東方不敗が優勝したことにより、劇中の時点で世界の主導権を握っている人物である。
しかし彼の野心は大きく、デビルガンダムの力を利用してネオホンコン、いや彼自身による世界の支配を永遠の物にしようと目論んでいた。
そのためにデビルガンダム復活に全力をかける東方不敗と協力し、ギアナ高地でドモン・カッシュによって破壊されたデビルガンダムを秘かに回収し、第13回ガンダムファイト決勝大会を利用してデビルガンダムを完全復活させようとする。
自国の代表である東方不敗に対しては「東方先生」と敬称で呼び表面上は慕っており、東方不敗もウォンを「Mr.ウォン」と呼ぶことで応えているが
ウォンは実際には東方不敗をデビルガンダムの生体ユニット選出のための駒として利用しているだけに過ぎず、前述の敬称も言うなれば時代劇の悪徳商人が用心棒代わりの渡世人や侠客を「先生」と呼ぶのと同じニュアンスで、そこに敬意は存在していない(一応東方不敗にガンダムファイトで優勝して貰いたいという気持ちだけは本物)。
対する東方不敗も悪党であるウォンをデビルガンダム復活のためのパトロンとしてその野心と欲望を煽っているに過ぎず
一見同志であるかのように見せ掛けて、実態はお互いがお互いに本心を隠して利用し合っているだけの仲でしかない。
彼自身もデビルガンダムの研究に熱心であり、その結果目をつけたのがネオスウェーデン代表のガンダムファイター、アレンビー・ビアズリーであった。
アルゴ・ガルスキーを破るほどの実力を持ち、バーサーカーシステムを使えばゴッドガンダムとも互角に渡り合え、そしてバーサーカーシステムを使えば思い通りに操ることが可能で、何よりもデビルガンダムの生体ユニットには女性が適していたことが、彼女が目を付けられた理由である。
…なお放送当時の視聴者達からは彼女に固執した理由が判明するまで「ロリコン」のレッテルを貼られ続けるハメに遭った。尚、理由が明らかになったのは彼が(表向き)死んだ後のことである。
彼はバーサーカーシステムの開発者であるベルイマン博士を誘拐して同じシステムを作らせ、試合中にそのシステムを使ってアレンビーを操り、さらにDG細胞を植え付けて手駒にしてしまう。
決勝大会最終戦のランタオ島でのバトルロイヤルでデビルガンダムと四天王を乱入させて邪魔者を一掃し、デビルガンダムの完全復活を目論む。
この時のデビルガンダムは生体ユニットであるキョウジ・カッシュが最早生ける屍も同然の状態であり、ウォンの野望を実現させるためにはアレンビーを一早く組み込むことが必要だったが、アレンビーはレイン・ミカムラの乗るライジングガンダムによって足止めを受け、更にデビルガンダムをキョウジの分身・シュバルツ・ブルーダーの捨て身の活躍とドモンの涙の石破天驚拳によって破壊されてしまう。
その後、東方不敗が人類抹殺のためにデビルガンダムを完全復活させるという真意を知り、さすがの彼も「く、狂っている。狂っているぞォ!!」(ゲーム作品では「歪んでいるぞォ!」)とドン引きしていた。
しかしその直後、ネオホンコン首相官邸前にまでレインのライジングガンダムとアレンビーのウォルターガンダムの戦闘が広がっており、バーサーカーシステムの暴走で正気を失ったアレンビーにビーム砲を向けられ、首相官邸の建物ごと吹き飛ばされてしまう。
公式ガイドブックによると享年33歳。
なお、『コミックボンボン』掲載の漫画版(ときた洸一)ではこの戦闘で落下したウォルターガンダムの下敷きになって圧死するというアニメ版以上に呆気ない最後になっている。
復活!グレート・ウォン(自称)
このまま死亡したかと思われたが…ウルベ・イシカワがデビルガンダムにレインを組み込んで復活させると、それに合わせて再生したウォルターガンダムに取り込まれてDG細胞に冒される形で復活、「グレート・ウォン」と名乗って宇宙に向かうドモンに攻撃を仕掛ける。
キャリアーを破壊してドモンを突き落とすも、所詮彼は政治家でしかなく、鍛えられたガンダムファイターではなかったため、駆けつけてきた風雲再起に文字通り一蹴されお星さまになった。
(ちなみに、その時にドモンが言った言葉は、「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて地獄に堕ちろ!!」。その通りにするのが今川監督である)
30代半ばで一国の元首まで成り上がり、コロニー国家の主導権まで手にするに至った彼は未来世紀の地球においては非常に数少ない『勝ち組』の人間であった。
が、デビルガンダムという魔性に取り付かれた結果、東方不敗によって膨大な資金と権力をデビルガンダム復活に利用され、ドモンとシュバルツの手によって肝心のデビルガンダムを破壊され、自ら生体ユニットにしようと目論んだアレンビーに半殺しにされた挙げ句、デビルガンダムの研究データの全てをウルベに奪取されるという、己が積み上げたものを何から何まで他人に台無しにされるか横取りされる、踏んだり蹴ったりな結末を迎えてしまった。
デビルガンダムに関わりさえしなければ、キナ臭いがやり手の政治家として不自由無い一生を過ごせていたろうに…。
報われるものが何も無かったという点ではある意味ドモン以上にデビルガンダムによって人生を滅茶苦茶にされた男と言えなくもない。…まぁウォンの場合は他者の陰謀に巻き込まれ続けたドモンと異なり自分で首を突っ込んだ結果の自業自得なので同情の価値は遥かに薄いが…。
本編終了後を舞台とした『コミックボンボン増刊号』に掲載された漫画(単行本未収録)では、デビルガンダム細胞によって復活し、ネオアメリカのガンダムファイターを更迭されかけたチボデー・クロケットに接触し、ガンダムマックスターをデビルガンダム化させる。
コクピットハッチを空けてチボデーの身体を人質とする卑怯な作戦とDG細胞の力で、ドモンをはじめとするシャッフル同盟を尽く破るが、ガンダムファイターとしての誇りを失っていなかったチボデーの意思を汲んだドモンにより、爆熱ゴッドフィンガーで葬られた(チボデーは改良により熱源をコントロールされたゴッドフィンガーで確保され、その後DG細胞をアレンビー・ビアズリー同様に摘出され、ファイターに復帰した)。
派生作品
『がんばれ!ドモンくん』では単なるロリコンおやじにされており、東方不敗からいいように扱われている。
『スーパーロボット大戦』においては世界の支配権を握っているという設定が面倒なのでネオホンコン首相というだけの立ち位置にされるか、さらにひどい場合は単なるマフィアのボスにされることもある。
そもそもスパロボではガンダムファイト自体面倒なので単なるK-1やプロレス大会のように扱われることが多いので、ウォンが(設定が面倒なのでリストラされることもある)ウルベ・イシカワの代役(グランドマスターガンダム操縦など)を務めることもある。というかスパロボではグランドマスターガンダムに乗った回数がウルベより多い。
また本編終了後が舞台の『スーパーロボット大戦T』ではDG細胞の力で復活しカギ爪の男の手下になった。
ちなみにそのTでは皮肉なことにいつもは面倒なので前述の通りスルーされるGF優勝国が世界の支配権を持つという設定が珍しく採用されている(優勝国は国連内での発言権が強いという程度にアレンジはされているが)。当然原作終了後ゆえに彼は設定の恩恵に(シナリオ上では)全く与れていない。
関連タグ
久々にワロタ:スパロボAにて「それはちょっと困りますねぇ。今、彼らを刺激するのは感心しませんな」と発言したことから、スレのレギュラーとして登場するようになった…が、とにかく影が薄く、名前を覚えてもらえないのは日常茶飯事。ひどいときには空白扱いされている